円と正方形、10個重ねて作る図形の面積~桜蔭中学2018入試・算数
2月4日の朝日新聞の朝刊に、2018年桜蔭
中学校の入試問題(算数)が出てました。解答
例(最後の答だけ)はSAPIXの提供です。
試験は2月1日にあったようで、四谷大塚HP
も問題と正解(最後の答)を公開してました。
桜蔭の問題はどれも面白いのですが、この
ブログ記事では、問題Ⅱ(1)の図形の問題
の解き方、考え方を解説します。小学生
(5、6年)でも読めるように書いてるつもり
ですが、解き方は小学校や塾と違ってるかも
知れません。文はスマホ向けに短く改行
してます。
桜蔭学園は入試結果をほとんど公表して
ませんが、日本でトップクラスの女子校
なので、合格者の多くはこの問題を6分
くらいで解いてるのだろうと思います。
普通の高校生や大学生なら、10分でも
解きにくい難問でしょう。
ちなみに、桜蔭については過去2本の
記事を書いてます。大人向け、PC向け
の書き方ですが、参考までに。
cf.3人の移動(徒歩・ラン・自転車)、
距離と時間の計算~桜蔭2016算数
ランニング(5人のリレー)の距離計算
~桜蔭中学2015入試・算数
☆ ☆ ☆
図だけは朝日新聞をそのまま引用します。
(問題) 半径が3cmの円Aと、1辺の長さ
が6cmの正方形Bを用いてできる次の
3つの図形をA+A、A+B、B+Bと
呼ぶことにします。
このとき、次の問いに答えなさい。
① A+A、A+B、B+Bの面積は
それぞれ何cm² ですか。
② 同じように、AとBを合わせて10個
用いて、下のような図形を作ります。
両端にAを使うとき、Bをできるだけ
少なく使って面積が250cm² 以上の
図形を作るには、Bを何個使いますか。
また、作った図形の面積は何cm²
ですか。
☆ ☆ ☆
(解答)
A+A、A+B、B+Bで、重なった
部分の面積をそれぞれ、aa、ab、
bbと呼ぶことにする。
aa=(Aの4分の1)×2
-(小さい正方形)
=(3×3×3.14×1/2)-9
=5.13
ab=(Aの4分の1)
=3×3×3.14×1/4
=7.065
bb=9
① A+A=(円2コ)-aa
=3×3×3.14×2-5.13
=51.39 (cm²) ・・・答
A+B=円+正方形-ab
=3×3×3.14+36-7.065
=57.195 (cm²) ・・・答
B+B=(正方形2コ)-bb
=36×2-9
=63 (cm²) ・・・答
② 円Aだけ10個組み合わせてみると、
(面積)=(円10コ)-aa×9
=3×3×3.14×10-5.13×9
=282.6-46.17
=236.43
よって、250cm²以上にするには、
14cm²ほど増やせばよい。
Bを1個入れてA+B+Aの形を作ると
(面積)=(円2コ)+正方形-ab×2
=56.52+36-7.065×2
=92.52-14.13
=78.39
それに対して、A+A+Aの形だと、
(面積)=(円3コ)-aa×2
=28.26×3-5.13×2
=84.78-10.26
=74.52
つまり、Bを1個はさみ込むと、面積は
4cm² くらい大きくなる。
よって、Bを4個はさみ込めばよい。
ab=7.065、bb=9だから、
AとBだけ重ねて、BとBは重ならない
ようにした方がムダが少なくて、Bの
数も少なくできる。
たとえば、ABABAABABAの順。
他の同様の順でも面積は同じになる。
したがって、
(作った図形の面積)
=(円6コ)+(正方形4コ)
-ab×8-aa
=28.26×6+36×4
-7.065×8-5.13
=169.56+144-61.65
=251.91 (cm²) ・・・答
☆ ☆ ☆
「250cm²以上」というような問題を
解くとき、特に小学生なら、大まかな
計算を使うと良いでしょう。
上の解答では、14cm² ほど増やせばとか、
正方形Bを1個はさむと4cm² くらい大きく
なる、という話を使ってます。正確に3.87
大きくなるとか考えてもいいのですが、面倒
だし、逆に間違えやすくなります。
中学、高校になると、大小を表す不等号を
使った「不等式」も使います。ただ、最後の
答を出すだけのとき、あるいは、みんなに
分かりやすく説明するときは、大学以上
でも大まかな計算(近似)が役立つのです。
理科や社会の分野でも、実際の世の中で
役に立つ数字のかなりの部分は大まかな
ものです。
それでは今日はこの辺で。。☆彡
(計 1770字)
| 固定リンク | 0
「数学」カテゴリの記事
- パズル「ナンスケ」の解き方、考え方10~難易度4、ニコリ作、朝日新聞be、2023年2月25日(2023.02.26)
- パズル「絵むすび」26、解き方とコツ、考え方(難易度3、ニコリ作、朝日新聞be、2023年2月11日)(2023.02.12)
- 1~7の数字を並べた整数A、Bの和が9723になるのは何通りか(高校・場合の数)~開成中2023年入試、算数・問題5の解き方(2023.02.04)
- 桜(ソメイヨシノ)の開花予想と、気温の時間積分(1次関数、2次関数)~2023年共通テスト数学ⅡB・第2問〔2〕(2023.01.29)
- パズル「推理」、小学生向け7、カンタンな解き方、表の書き方(難易度5、ニコリ作、朝日be、23年1月28日)(2023.01.28)
コメント