安全が一番と言いつつ、危険に向かう人間~『BG~身辺警護人~』第6話
素晴らしかった。。 美しい人妻が♪ そこか! 中村ゆり、35歳。
元・首相の娘、鮫島喜和子役の女優の名前・・とか書いとくと、検索
アクセスが3つくらい入るだろう。セコッ!
ちょっと翳りのある可愛さで、ネットの一部では「不幸が似合う」とか、
つぶやきが出てた(笑)。おそろしくフツーの昭和っぽい名前だけど、
見たことも聞いたこともない気がして調べてみると、脇役女優として
ジワジワと人気・知名度をアップさせて来たわけね。
キムタク関連だと、『月の恋人』の秘書? 覚えてないし、画像検索
してもなかなかそれらしき物がヒットしない。『HERO 2』第7話
だと、暴行を受けたのに彼氏をかばう女性役。思い出せないけど、
確かに不幸な女だね♪ SNSの世界的流行、「Me too」
の主張とは無縁なタイプ。
まあでも、山口智子の連ドラ復帰作『ゴーイング マイ ホーム』
第3話だと、普通のチョイ役で出てたらしい。しかし、一応記事まで
書いてるのに覚えてないから、やっぱり不幸な美人女優かも♪
☆ ☆ ☆
さて、連続ドラマとして見た時、『BG』第6話は基本的につなぎの
回だろう。つまり、第5話で島崎=ザッキー(木村拓哉)の過去を
明らかにして、第6話の一番最後に元妻・仁美(山口智子)が登場。
その間を埋める形で、家族というものと警護の関係を描きつつ、
課長・村田(上川隆也)が昔SPだった過去も明かしてた。正直、
何か一つに焦点を絞ったレビューは書きにくいストーリーだ。
彩矢ちゃん・・じゃなく、彩矢さま・・でもなく(笑)、彩矢さん(豊嶋花)
をつけ狙う男が父親(笠原秀幸)なのは序盤ですぐに想像がつくし、
門の石の数で電話とかの時刻を伝えるトリックも簡単。ミステリー
にはなってない。
そんな中、私が一番気になったのは美人妻だが(笑)、二番目に
気になったのは「一番」という台詞のシーンだった♪ 分かりにくっ!
元首相、つまり政治家として一番だった鮫島(橋爪功)は、引退して
おじいちゃんになった今でも、特別な注目を受けてると思い込みたい。
そこで、20年前に襲って来た男が出所して、また自分を襲うと考える。
だから、日ノ出警備保障にボディガードを依頼。わざわざ、SPによる
警護が終了する日時に呼びつけて、SPたちに見せつけてた。
☆ ☆ ☆
ところが、SP落合(江口洋介)が最後に余計なお世話をしに来る♪
あの襲撃男はもう10年も前に死んでるし、問題になってた関係団体
も既にない。あなたは狙われてない。
すると鮫島は力なく座り込んでつぶやく。
「狙われていない、誰にも・・」。
ここで島崎が優しくフォローしたわけだ。
「安全だということが分かって良かったです。
それが一番じゃないですか」。
この時、鮫島はヨロヨロと立ち上がって、支えようとする島崎の手を
少し借りる形で、リビングに向かう。以前、年寄扱いするなと島崎の
手をふりほどいた時と違う態度だけど、支えをそのまま受け止める
姿にも見えない。
リビングで、元妻と元夫の手をつなぎ合わせて、復縁を認めた後、
一人で別室へ去る。残った家族3人はモフモフくまさんのぬいぐるみ
と一緒に幸せそう。夫は沢口(間宮祥太朗)と同じく、アボカドサラダ
を頼みそうな草食系♪ 騙されることはあっても、安全な男だろう。
非営利の個人ブログにおける限定的引用なので、著作権法の許容
範囲と考える。肖像権には別に配慮して、判別しにくくしてある。
おそらくかなりの視聴者が、これをハッピーエンドと感じたと思う。
でも、かつて活躍してた高齢男性の視聴者が見ると、ビミョーな
結末のはず。ただ、彼らはあまりドラマを見ないし、SNSもやって
ないから、ビミョーな側面は拡散しないのであった。。
☆ ☆ ☆
おそらく、井上由美子が脚本を書く時、『世界に一つだけの花』
の歌詞(作詞・槇原敬之)が浮かんでたと思う。
「No.1にならなくてもいい♪」
逆説的にも、これ自体がNo.1の曲である『花』については以前、
単独の記事で解釈したことだし、ここで繰り返すつもりもない。ただ、
このドラマなら、元・首相の立場に固執する必要はなく、娘夫婦と孫
にやさしい普通のおじいちゃんで十分「きれい」な「Only one」
ということだ。
しかし、ラストの鮫島は「誇らしげにしゃんと胸を張っている」ように
見えない。だからこそ、あのシーンは哀愁ただようセピア色だったし、
その直後に島崎に対する落合の台詞が入ってたわけだ。
「一度注目を浴びた人間は、そこから降りられません」。
「優しい」落合(笑)が現実を教えても、降りられないのだ。
☆ ☆ ☆
そしてもちろん、そうした姿勢は、島崎も同様なのだ。
ボディガードでは昔、「失敗」して心の傷になってるし、危険も伴う。
安全が一番なら、あの広くて綺麗な自宅から引っ越しして、同じ会社
で道路のガードマンでも続けてた方がいいはず。まゆ(菜々緒)と
違って、お金へのこだわりもない。
それでもやっぱり、島崎は危険な任務に戻る。理由の一つは、男の
子がもともと危ないことが大好きだということ。私も小学生の頃は
危ない遊びをよくやって、たまにケガしてた。痛くてうめいても、また
挑戦する。痛いのが、いいね♪ アブナイわ!
しかし、それより大きな理由は、今回のドラマの台詞なら「誇り」だろう。
かつて一番の位置でボディガードしてたという誇り。それは、プラスの
側面での自己愛と言ってもいい。
最高レベルの危険な仕事を鮮やかにこなす自分という存在は、過去
の傷に目を背けて普通に生活する自分よりも、誇らしい。少なくとも、
自分の無意識的な価値基準では。
ただし自己愛が過剰になると、誇ることができない自分を消し去る
ことにもつながる。私は11年前の長大なレビュー(1万字)でそう
説明しといた。低い自分を高い山に上げて、終わりにしたわけだ。
なぜ明日の太陽を見ないのか~『華麗なる一族』最終回
☆ ☆ ☆
最後に、ある意味で似てる最近の社会現象にも目を向けとこう。
私は明後日、8年ぶり2回目の東京マラソンに出場する。昨日、
受付に行って来たわけだが、その安全意識の変化には驚いた。
去年から、セキュリティ業界No.1とされるSECOM(セコム)が
管理する、セキュリティ・リストバンドという物を導入したらしい。
写真付きの身分証明書を見せて本人確認した後、手首に巻きつけ
られて、大会のゴール後まで外せないのだ。写真は昨日の記事に
2枚入れてある。
さらに今年から、受付時の顔写真の撮影&登録まで導入。わざわざ
ゼッケンを胸に当てた姿をカメラで写して、その場でノートPCに入力
する。もちろん、そんな厳しい警備は東京マラソンが初めてのこと。
☆ ☆ ☆
建前上は、その本人の安全を守るためという部分を強調してるが、
本音は逆だろう。違法な参加者の監視と排除。倍率12倍で高値
の取引も起きてるから、別人名義で参加する選手も一部にいるし、
テロのリスクも一応ある。
ただ、2013年にボストンマラソンの爆発テロが起きたとはいえ、
それ以前も以降も、マラソンのテロ情報は世界的に見当たらない。
別に厳重に警備するハード・ターゲットに近づいて来たからではなく、
ソフト・ターゲットに近かった頃にもテロは起きてないのだ。
テロに限らず、殺人事件の推移を見ても、大幅に減って来たのが
統計的事実だ。警察庁発表の2つの根拠を示しとこう。1999年
までと、2007年以降。昭和20年代後半がピークで、そこからは
右下がり。今は3分の1以下だ。加害者側は男が圧倒的に多くて、
被害者は女が少し多い。
こうした客観的データを見ると、少なくとも、リスクが増えたわけでは
ないことが分かる。要するに、社会の対応の仕方、人々の心のあり方
が変わったのだ。「ある種の危険」に非常に敏感で、それを避ける
ためなら、他のことはあまり気にしない。
☆ ☆ ☆
要するに、「安全が一番」だということだが、監視・排除システム自体
の危険性についてはまだほとんど理解されてない気がする。いずれ、
このシステムの権限はAIに移行するし、運営はロボットが担うこと
になる。
私には、人間が隠れた巨大な危険に向かってるようにも見えるけど、
別に声高に警鐘を鳴らすつもりもない。そもそも男の子は、アブナイ
事が大好きだし♪
そして結局、すべての生は死へと運命づけられてるのだ。その中で、
どう生きるかが問われることになる。
なお、第6話の視聴率は14.8%へと上昇(ビデオリサーチ調べ、
関東地区)。『ロンバケ』カップルの22年ぶりの復活のおかげかも。
それでは今日はこの辺で。。☆彡
P.S. 拓哉ラブの同期の桜ブロガー、アンナちゃん。ウチの
ブログで一番注目してる点は、連続更新がいつ止まるか
らしい(笑)。そこか!
マラソン男子のたくましい持久力を見せつけて、
「あぁ、凄い・・まだ続くの・・♡」とため息をつかせてみせよう♪
cf.慢心=警護(security)は人間の最大の敵(『マクベス』第3幕)
~『BG~身辺警護人~』第1話
旧靴=窮屈からの自由、オーダーメイドのフットガード~第2話
緊縛かのん、谷底へのバンジージャンプ~第3話
ウェディング・イブ、涙は夜更け過ぎに雪へと・・♪~第4話
捨てるな!、新たなマイウェイへの出発~第5話
誤差あり!、お互いのズレを埋める謝罪と行動~第7話
無駄死にさせてはいけません!、人も組織も~第8話
他にもあった、大切なもの~最終回
(計 3647字)
(追記 185字 ; 合計 3832字)
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