他にもあった、大切なもの~『BG~身辺警護人~』最終回
懐かしかった。。 ホテルの宴会厨房♪ そこか! 前から書いてる
ように、私はホテルでしばらく働いてた人間だから、「パントリー」
(キッチンに関わる補助的な作業場全般)なんて言葉を聞くだけで
頬が緩むのだ。
まあ、パントリーは若い社員やバイトが多いから、私は生意気な若造
とケンカしかけて周囲に止められたけど(笑)。実話だろ! 青いわ!
いや、無意味に攻撃されるから、自分をちゃんと守る必要があるのだ。
それこそ村田(上川隆也)が遺した教えだと、今関社長(永島敏行)
も言ってた。防衛するためには、攻撃力も必要になる。日常生活や
ボディガードや日常生活でも、警察や自衛隊でも同じことだ。
話を戻すと、ホテルのパーティー会場というのは、その気になれば
侵入しやすい。キッチンもサービスも忙しくて余裕がないし、もともと
従業員の入れ替わりが多い職場だから、妙にツンツンした新人の
女性(菜々緒)が紛れ込んでても大丈夫。終わった後に声をかける
程度だ♪ お手軽ナンパか!
ホテルのレストランから侵入するって発想も、元・従業員だと頷ける。
私が最初に配属されたのはレストランで、屋外と直接つながってる
のに驚いた覚えがある。メイン玄関も従業員用の入り口も通らず
に、客のふりをしてホテル内に入れるわけだ。警備員もいなかった。
お嬢様ピアニストならチラ見してたけど♪ 肉食系男子か!
☆ ☆ ☆
個人的な経験と感想に続いて、マニアックな所を突いて行こうか。
第7話レビューの最後でも指摘した、常廣丈太監督のこだわり映像。
時間も無いことだし、3つだけ。
非営利の個人サイトにおける限定的引用なので、著作権法の許容
範囲と考える。肖像権には別に配慮してある。
まず、島崎(木村拓哉)と立原愛子(石田ゆり子)の初デートもどき。
島崎が先に待ち合わせ場所に来て、2分ほど「誤差あり」で立原の
車が来る。ところが、車は島崎の前をパスして、先で止まるのだ。
これ、デートの映し方としてはかなり珍しい。島崎は内心、「ちょっと
待った!」とつぶやいてたはず♪ 古っ!
で、オシャレした服装で可愛く駆け寄って来たかと思ったら、いきなり
「ごめんなさい!」。島崎も同時に「すみません」と謝ったとはいえ、
大どんでん返し♪ やっぱり、『ねるとん紅鯨団』芸能人大会なのだ。
要するに、立原はやっぱり政治家であって、差し当たりは男性を
パスして、先に向かう。つまり、女性初の総理大臣を狙うことにした。
それを先取り的にほのめかしてたのが、車が通り過ぎる映像なのだ。
☆ ☆ ☆
そのシーンの直前には、島崎の息子・瞬(田中奏生)もドタキャン・
フラッグを立ててた。
「女って自分勝手だよな。日によって言うこと全然違くねぇ?」♪
女心と秋の空。女性脚本家・井上由美子が書いてるから、炎上は
ないだろう。まあ、大人の男なら驚かない。
「女に振り回されるのも男の役目なの」♪
私がそれを体験学習したのは20歳過ぎだから、最近の事だ(笑)。
遠回しの説明を一言告げただけでドタキャンしたのに、愛子は
「またいつかデートしましょう」
と男心を揺さぶる。そしてさらに、
「清き一票をよろしく♪」
もちろん、「キレイに1回入れてね」という意味だ(笑)。コラコラ!
いや、選挙違反のない投票のことね♪ 総理大臣に一般人の票は
関係ないだろ!
とにかく愛子にとって、島崎の他にも大切なものがあったわけだ。
女性として国のトップに立って、社会を変えること。
それは島崎にとっても同じで、今は課長なき後の身辺警護課に
力を注ぐべきだし、瞬の面倒も再びみることになった。クライアント
でもあるVIP美魔女に浮かれるのは、「またいつか」でいい。高梨
(斎藤工)も乙女みたいにイチゴをくれたし♪ そっちか!
☆ ☆ ☆
一方、デートもどきシーンの直後には、落合(江口洋介)のこだわり
映像がさり気なく入ってた。
鏡やガラスに映す映像は時々見るけど、ドラマでこれほど左右対称
に映すのは珍しいと思う。要するに、左がしっかり働く表の落合の姿。
右は、揺れ動く裏の姿。
実際、落合は島崎に電話した後、愛子に電話しかけて止めてた。
愛子の動きはGPSで探ってるからいいのだ♪ 違法捜査だろ!
いや、愛子の気持ちが島崎に向かってるのは分かってるから、愛子
の娘に電話するのだ(笑)。新妻だろ!
真面目な話、落合が島崎の味方なのは最初から分かり切ってた
とはいえ、あそこまで前面に立ってくれるとは、いいね♪ 民自党・・
じゃなくて民事党・定期大会の会場に入って来る所は、ちょっとだけ
ロンバケだったかも。瀬名(キムタク)のピアノのコンテスト会場に、
南(山口智子)が入って来たシーン。。
☆ ☆ ☆
それにしても、水戸黄門・落合が印籠の代わりにICレコーダーを
使うとは意外だった。支える島崎と高梨が、助さん格さん♪
私は前回のレビューで、壊れてないレコーダーの削除データなら
復元できるかもと書いたけど、他にも大切な記録が残ってたとは。。
脚本をいつ書いたのか、気になる所だ。
前回も指摘したように、筋書きを書き換えるとか、記録を消すという
話は、テレビ朝日の親会社的メディアである朝日新聞のスクープで、
今も大きな騒動になってる。この一週間で、政治的立場の左・右を
問わずに、公文書の改ざん(?)を問題視する声が高まって来た。
その証拠に、もう一つだけ面白い映像をお見せしよう。先に3月2日
の朝日新聞・朝刊1面のスクープ記事。私が少し右回転させてる。
続いて、ドラマで事件が解決した後の「毎朝新聞」3月20日の映像。
記事よりも、新聞の右側のデザインに注目。
3月20日なのに「3月2」で右端が切れてるのは、元のテレビ映像
であって、私の印象操作ではない。日付けの下の天気、「水」の広告、
「オピニオン フォーラム」という文字。そっくりなのは明らかだろう。
実は天気の右横のデザインまで似せてるのだ。「朝」日のスクープを
をすぐサポートしたのは「毎」日新聞だから、合わせると「毎朝」新聞。
この映像までは脚本家が書いた台本には指示されてないだろうから、
監督と美術スタッフの密かなこだわりだと想像する。当然、知らんぷり
だろうけど♪
ちなみに、普段のウチの記事を読んでればすぐ分かるように、私は
政治活動とは距離をおいてる人間なので、念のため。単に、作品に
織り込まれてる気づきにくい要素をあらわにしてるだけのこと。だから
こそ、書き換えの指示とか責任の追求までは書いてない。差し当たり、
お役所や官僚・役人の話なのだ。
☆ ☆ ☆
最後に、新人BG(健太郎)をわざわざ入れたということは、続編の
余地が十分ある。連ドラはともかく、単発SPや映画の可能性はあり。
健太郎って、『人妻』・・じゃなくて『昼顔』の不良少年なのか。不良
は今あんまし流行らないから、カワイイ路線へと変更したと♪
主役の演技については、現代ビジネスの
“「キムタクは何を演じてもキムタク」はとんでもない誤解だ
その繊細な演技に気づいていますか”
という記事が面白かった。
Yahoo!への配信だと、別の見出しが付け足されて、
“真骨頂? カッコ悪いキムタク”
となってるから、アンチ記事だと誤解されてるかも。ジャニーズ
に詳しい社会学者の太田省一の好意的な分析なのだ。
私の考えとは多少違うけど、『BG』におけるキムタクの「カッコ悪さ」
を再評価しようとする姿勢はほぼ同じ。カッコ悪いのが、カッコイイ。
『PRICELESS』でやろうとして、キープ出来なかった役作りが、
かなりいい感じで初めて成功したのが『BG』だろう。
反社会的勢力との格闘だと右肩を脱臼して、BGの役割を高梨に
任せる。最後の決め所は、落合の活躍に譲る。キムタクのドラマの
幅が一気に広がった形になった。
☆ ☆ ☆
なお、エンディングでビッグな矢沢永吉を登場させたのは、顧客の
上下を区別しない島崎のポリシーとはあんまし合ってない。ただ、
元々ビッグなサッカー選手を警護してた筋書きとは合ってる。最初
と最後の形を揃えるのは、フィクションの基本形式だ。
ま、永ちゃんは基本的に好きだし♪ 日本のミック・ジャガーというか、
ロック界のレジェンドというか。
さて、最終回視聴率はどうかな。ともあれ、皆さんどうもお疲れさま。
私も疲れたので、今夜はそろそろこの辺で。。☆彡
cf.慢心=警護(security)は人間の最大の敵
(『マクベス』第3幕)~『BG~身辺警護人~』第1話
旧靴=窮屈からの自由、オーダーメイドのフットガード~第2話
緊縛かのん、谷底へのバンジージャンプ~第3話
ウェディング・イブ、涙は夜更け過ぎに雪へと・・♪~第4話
捨てるな!、新たなマイウェイへの出発~第5話
安全が一番と言いつつ、危険に向かう人間~第6話
誤差あり!、お互いのズレを埋める謝罪と行動~第7話
無駄死にさせてはいけません!、人も組織も~第8話
(計 3596字)
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