「小保方晴子日記」の感想12~『あの日』出版、米誌『ニューヨーカー』記事、告発と事情聴取
中央公論社の雑誌『婦人公論』の「小保方晴子日記」については、
過去11本もの記事を書いてるし、別にコネタ記事も1本ある。
私は彼女のファンでも擁護者でもないし、STAP細胞の存在を確信
してるわけでもない。ただ、いろんな意味で珍しいほど興味深い騒動
だと思う。
そもそも科学や研究の不正など、他にもっと巨大なものが少なからず
あるし、それらはもっと普通の追及を受けてるだけなのだから。
先日のNHKスペシャルの研究不正も、世間的には全く話題になって
ない。また、法務省の犯罪白書を少し見るだけで、話題にならない
無数の犯罪が日常茶飯事になってることもすぐ確認できる。
もちろん、ちょっと可愛くて若い女性がちょっと変わった服装に身を
包んでることも、さほど珍しくはない。Googleで「割烹着
コスプレ」の画像検索をするだけで、小保方さん以外の女の子が
多数ヒットするのが現実だ。。
☆ ☆ ☆
さて、私は連載開始から10本続けて記事を書いた後は、自粛して
来た。ただ前回の11本目の記事から4ヶ月経ったし、著書『あの日』
(講談社)の出版という大きな出来事もあったので、今日は12本目
を軽く書くことにする。
今までの感想は次の通り。短いコメント記事も含まれてるので、念の
ため。他に、日記とは別のSTAP関連記事も色々ある。
初回 第2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回 10回 11回
パブロン飲んで低心拍スロージョグ&仏陀の馬の名前とか♪
☆ ☆ ☆
今週の火曜(2月27日)に発売されれた、『婦人公論』2018年
3月13日号では、前回に続いて4ページに増量した小保方日記が
掲載された。普段は3ページだから、やはり手記の出版は特別の
出来事ということか。
・・・と思って読んでたら、日記の最後の近況報告に、書籍化の告知
があった♪ なるほど、宣伝も兼ねて力を入れてたわけね。
アマゾンで検索すると、3月20日発売だからもうすぐだ。ちなみに
『あの日』の評価は相変わらず、トータルでは高い。ただ、一般社会
だとほとんど話題にならなくなってるから、過去の人とか、「あの人」
はいま・・といった感じだろう。
連載だけでも面白い『日記』に、大幅加筆して書籍化してるから、
内容の心配はしてない。ただ、売れゆきは落ちるはず。
『あの日』の発行部数を検索すると26万部という情報が最高みたい
だから、電子書籍も合わせて現在30万部前後だろうか。『日記』の
単行本は5万部で成功だと思うけど、はたして。。
☆ ☆ ☆
話を戻すと、今回の連載は2016年1月下旬から2月中旬までの
日記(の要約)で、サブタイトルは、
「重版、『ニューヨーカー』、事情聴取」。
手記はヒットして重版に。米国の高級誌『ニューヨーカー』で記事掲載。
そして、告発をめぐる警察の事情聴取。そのまんまの分かりやすい
サブタイトルだ。
私はこれまでの日記をすべて読んで来たが、仮に話半分としても、
おそろしく時間と手間をかけてることに驚く。10万字の最初の原稿
を1ヶ月で書き上げた後、延々と、周囲からチェックを受けたり自分で
書き直したりしてるのだ。
法的問題(訴訟リスクなどへの配慮)については、個人的な弁護士団
からも度々チェックを受けてるし、講談社の弁護士とも相談してる。
事実確認も、自分と編集者とで細かく行って、出版直前までどころか、
出版直後になってもまだチェックしてるのだ。紙の本なら重版で訂正
できるし、電子書籍なら簡単に修正可能。
ちょっと共感したのは、何か言葉を修正する時、元の語句と同じ字数
にしてレイアウトの崩れを防ぐ作業を面白がってること♪ これ、一般
ブロガーの私もよくやってるし、わりと好きなのだ。
特にウチの場合、6年半前からは記事の字数を末尾に付けてるから、
訂正で字数が変わると面倒。というわけで、なるべく字数を変えない
ようにチョコチョコ数合わせすることになる。クロスワードパズルの
面白さにちょっと似てるかも。
☆ ☆ ☆
苦労の甲斐があって、『あの日』は出版直後に二度、重版決定。
まもなく、三度目の重版も決定。広告に顔写真を載せるのを拒否
した小保方さんも、好調な売れ行きには素直に喜んでた。編集者
が喜ぶ姿が嬉しかったのかも。
印税の話は避けてるけど、税抜き価格1400円の10%として、
1冊140円。30万部で4000万円くらいだろうか(原稿料は有無も
含めて不明)。魔女狩りレベルの叩かれ方で、病院通いを続けつつ
必死に書いたにしては、高くない報酬だと思う。亀の水槽を大きな
物に買い替えたのが精一杯かも♪
研究者としての報酬を(しばらく)失ったことまで加味すると、むしろ
安過ぎる感もある。年収500万円を5年失うだけで、2500万円
の損失。家族や親友の苦労も大変だったはず。
ちなみに前回の記事には自虐的な軽いジョークもあった。写真の
代わりに、宣伝用の自筆の言葉を書く練習をした後、姉の家で(?)
捨てようとしたら、怒られたらしい♪ 「小保方晴子」なんて手書き
されたゴミが見つかったら大変だと。
まあ、私でさえゴミの中身をチェックされた事があるから、杞憂とも
言えない。監視社会がどれだけ安全なのか知らないけど、息苦しい
のは確かだ。先日参加した東京マラソンのセキュリティの厳しさにも
驚いた。。
☆ ☆ ☆
続いて、米誌『ニューヨーカー』(NEW YORKER)の
記事について。ハーバード大学からの再三の協力要請があった
から、小保方さんも取材に応じたらしい。
その記事については特にコメントしてないけど、日本語より英語の
やり取りの方が気楽だと書いてた。日頃から、米国ドラマの動画を
見たり、英語のオーディオブックを使ったりして、英語力を鍛えてる
ようだ。それなら、英語圏のどこかの研究所に再就職すればいい
と思うけど、メンタル的にまだ無理なのかな。
『ニューヨーカー』の記事は今でもネット上で無料公開されてて、1本
の記事としてはかなり本格的で中立的。特に誰の味方も批判もして
ないもので、日本の週刊誌記事とは全く違ってる。ハーバード大学
からの協力要請も理解できる上品な内容だ。
☆ ☆ ☆
女性ライターのダナ・グッドイヤー(Dana Goodyear)が
書いた記事は、URLだと「the-stem-cell-scandal」
(幹細胞スキャンダル)となってるけど、本文では、
「THE STRESS TEST」(ストレス・テスト)。
このテストは、日本だと金融機関で有名だろう。要するに、非常に
強いストレス(負荷)を与えて、それでも大丈夫かどうかを確認する
ことだ。
しかし、その記事のイラストから結語までを見ると、もっとポジティブで
広い意味をもたせてることが分かる。要するに、強い負荷をかけると
より良い方向への動きが生じることがある、という話なのだ。
そもそもSTAP細胞とは、S(刺激)によってP(万能性)を獲得すると
されるものだった。細胞研究の世界にも、この騒動で強い刺激が
加わったし、トラウマ(心的外傷)も生じたから、何かポジティブな
動きの登場に期待しよう。そんなニュアンスの終わり方になってた。
☆ ☆ ☆
時間も字数も無くなって来たので、事情聴取については一言だけ。
小保方さんを被疑者とする告発は受理されなかったものの、被疑者
不詳の告発が事務的に受理されたから、警察から参考人としての
事情聴取があったそうだ。告発者は、面識もないし、神戸の理研とも
関係ない人らしい。
くれぐれも内密に・・という話だったのに、2日続けてマスコミに
追われるハメになって、『あの日』を出版した講談社や編集者にも
厳しく問い詰められる。彼女が内緒にしてたのは、講談社の週刊誌
がかつて不快な記事を掲載してたからだった。『週刊現代』か、
『FRIDAY』のことかな。
ちなみにその後、週刊現代が小保方さんに好意的な記事を掲載
してるのを読んだ覚えがある。事の良し悪しはともかく、実社会とは
そうゆうものだろう。
それにしても、講談社や警察に対する不満のような事まで書いて
大丈夫なのか。彼女の今後が気になりつつ、今日はこの辺で。。☆彡
(計 3298字)
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