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『FINAL CUT』最終回、軽~い感想♪(事実、法、弁護士の罵倒ほか)

初回だけレビューした後はスルーしてた、フジ・関西テレビのドラマ

『ファイナルカット』。見逃したのは1回だけだから、最終話くらいは

ちょっとだけ感想をつぶやいとこう。

 

正直に言うと、実はマニアックなコネタ記事を書こうとしたのに挫折

したのだ (^^ゞ 終盤の対決シーンで、真犯人・小河原翔太(山崎

育三郎)が慶介(亀梨和也)に語った言葉はこうだった。

 

 アメリカの法曹界に、次のような言葉があります。

 依頼された案件の事実が不利なら、法を主張せよ。

 法において立場が弱ければ、事実を主張せよ。

 

要するに、慶介が語る「事実」のようなものにおいては、祥太が

不利な印象もあるけど、そんなものに「法」的効力はないと言いたい。

さらに加えて、祥太が語る「事実」のようなものにおいては、祥太

は殺人をやってないとの事。

 

 「慶介が語る事実」 VS 「祥太が主張する法(+祥太が語る事実)」

 

こうした構図になってる。事実は一つだからそれでいいのでは?、

と思う視聴者も少なくないだろうけど、裁判も含めて争いごとでは、

誰もが認める決定的事実がないことが多いから、ややこしいのだ。

 

本来なら、監視カメラの映像が一番強力で、次はDNA鑑定報告書。

ところが、この時点ではまだ、どちらも手に入ってない。

 

 

     ☆       ☆       ☆   

その後、百々瀬(藤木直人)も祥太を攻撃する側に回る。彼は祥太

が語ってた言葉を知ってたようで、その続きも語ってた。

 

 そして、法も事実も負けそうな場合、

 ひたすら相手の弁護士を罵倒せよ。

 

実際、祥太が慶介を罵倒し始めたから、百々瀬は祥太が真犯人

だと思ったらしい。まあ、それを言うなら、慶介は祥太も百々瀬も

罵倒してるんだけど♪ コラコラ!

 

 

     ☆       ☆       ☆

とにかく、「実に面白い」言葉だから私は早速、日本語と英語で検索を

かけたけど、「さっぱり分からない」(byガリレオ湯川♪)。これほど

見当たらないのは珍しいから、少なくとも日本でも英語圏でもマイナー

な言葉であるのは間違いない。

 

有力な情報は、日本語でただ一つ。東京大学大学院教授・太田勝造

の「法の解釈適用と言葉」と題するエッセイ風の小論だ。該当箇所

だけ引用しよう。

 

  一般市民の感覚ないし常識としては、法律家は詭弁を弄して

  白を黒と言いくるめる技に秀でた人種である。たとえば、

  「弁護士稼業の第一原理」という法律家を揶揄した作者不詳

  の文章で次のように記されている。

 

   「法的に不利なときは、事実で攻めよ。

   事実が不利なときは、法解釈で攻めよ。

   法も事実も不利なときは、憲法論を展開せよ」

 

180314a

 

 

     ☆       ☆       ☆

繰返すが、これに相当しそうな日本語と英語でかなり検索しても、

ぴったり来るものは他に一つも見つからなかった。

 

ただ、確かに面白いし、かなり正しいフレーズだとは思う。「詭弁を

弄し」とか「白を黒と言いくるめる」といった表現は言い過ぎだけど、

法律に限らず人文社会系の議論というのはそういった類のものだ。

理系の議論にも、似た類のものが結構ある。

 

にも関わらず、まるで絶対に正しいことのように強気で説得しようと

する学者・弁護士・評論家・政治家の類を、私はあまり信用しない。

参考意見として一応聞くとしても、むしろマイナスの印象をより強く

持つだろう。。

 

 

     ☆       ☆       ☆

挫折したとか言いつつ、堅い話が長引いてるから、ドラマに戻ろう。

 

弁護士の議論というのもそれほどでもない、ということが分かると、

ドラマの説得力の弱さというのもそれほど気にならなくなる。

 

例えば、ハンカチが外にあったと祥太が語ったのは、「秘密の暴露」

とまでは言えない。ハンカチの場所は内か外か境目か、3つしか

無いのだから、「犯人しか知りえない事実」どころか、誰でも確率

1/3で主張できてしまう♪ そもそも、犯人でない慶介も知ってた

くらいだ。

 

秘密の暴露とは、たとえば祥太が、「富士山の樹海のこの場所に

手袋を隠した」と語ること。

 

実際に捜査員が出向いて探すと、犯行に使った手袋が発見されて、

祥太の指紋やDNAも確認できる。これならもう、犯行に関わったこと

はほぼ決定的なのだ。主犯か共犯。もちろん、単に話を聞いた仲間

にすぎない可能性はまだ残るけど。

 

 

      ☆       ☆       ☆

さらに言うなら、根本的にこのドラマでの「ファイナルカット」は、あまり

ファイナル(最終的=決定的)なものになってない♪ 脅迫に使える

ほどの強さがないし、むしろ動画より脅迫の方が、ファイナル(致命的)

だろう。慶介たちにとって。

 

だから私は、第3話くらいで脱落しそうになったけど、その後は脚本

の金子ありさも頑張ってて、かなりヒネリを織り込んでたし、最終回も

二転三転の展開でなかなか上手くまとめてた。2時間弱があまり長く

感じられなかったほど。特に、対決シーンは新鮮な魅力があった。

 

私は祥太を見て、「ずいぶんインパクトがあるけど、誰?」と思った

まま調べてなかったけど、アマゾン・プライムの無料体験でタダ読み

(プライム・リーディング)できる雑誌の1つ、「週刊ザ・テレビジョン

PLUS」の表紙にデカデカと載ってた(18年3月9日)。山崎育三郎

はミュージカル俳優として活躍してるわけね。

 

180314b

 

本人ツイッターでリツイートしてたけど、ドラマ公式ツイッターによると、

亀梨と同い年、野球好き、デビューの年も一緒とのこと。一ヶ月だけ

お兄さんなのか・・っていうか、安倍なつみと結婚してるのか。4歳半も

年上の女性だけど、童顔の可愛さが決定的だったと。ファイナル・

ラブリネス(loveliness)♪

 

 

      ☆       ☆       ☆

最後に、最終回で私が一番引っかかったのは、雪子(栗山千明)は

ともかく、若葉(橋本環奈)の罪が問われてないこと。偽証罪とまでは

言わないにせよ、警察での取り調べシーンくらいあっても良かった。

まあ、痛すぎるキャラだったから、最後くらいはやさしくってことかも♪

 

逆に、感動したのは、百々瀬が深々と頭を下げて謝罪するシーンと、

その後。テレビを見た若年性アルツハイマーの妻(霧島れいか)は、

病室を訪れた百々瀬に手を合わせて軽く微笑んでた。いいね♪

ウルウル。。

 

解釈は色々と可能。妻が百々瀬を認識できるようになったとか、

百々瀬に対して密かに持ってたトラウマ的な恐怖や憎しみが消えた

とか、単に頭を下げ続けた男性を本能的母性で優しく支えたとか。

いずれにせよ、「サクラ」咲く♪(クロスワードパズル)。

 

そして、一番ウケたのは、亀梨の「犯人は俺です」(爆)。このシーン、

私は本当にプッと噴き出して笑った。

 

そのままドラマが終わってれば、さらに超爆笑だったはず♪ 「この

ドラマが僕のファイナルカットです」。関テレ動画サイトのアドレスを

書いたカードを自分に渡して(笑)、大地(髙木雄也)がハッキング

して映像公開とか。ないだろ!

 

ってことで、この程度書けば十分でしょ。私はまだ仕事中なのだ♪

コラコラ! 最終回2時間スペシャルの視聴率は7.5%で過去最高。

全話平均の6.9%は惜しかったね。ビデオリサーチ調べ、関東地区。

 

それでは今日はこの辺で。。☆彡

 

 

 

cf. 絶望から希望へ、愛の讃歌

    ~『FINAL CUT』第1話(1st Edit)

 

             (計 2879字)

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