鉄道の列車運行ダイヤグラム、一次関数のグラフ~全国学力調査2018中学・数学Bの解説
「ダイヤグラム」という言葉は最近、ほとんど聞くことがないけど、
「ダイヤ」の改正なら毎年、春ごろに聞く気がする。
ダイヤグラムは普通、鉄道で複数の列車運行を表すグラフのこと。
横軸は時刻で、縦軸は駅や距離。ダイヤは普通、運行スケジュール
を表す省略語だろう。例えば、8時10分にこの駅で快速発車とか。
元々は英語の「diagram」で、語源的な意味は「書かれた
もの」。英語だと「図表」を表す一般的言葉であって、日本みたいに
列車のグラフを表す特殊な意味は(ほとんど)ない。
☆ ☆ ☆
というより、そもそも英語圏では、日本みたいなダイヤグラムは
かなりマイナーな存在のような気がする。実際、画像検索も含めて
英語の検索をかけても、日本みたいな図は少数で、しかも個人が
書いてる物が目立つのだ。

日本語版ウィキペディア(上図)は冒頭で、
「英語では service planning diagram と呼び」
と書いてる。直訳すると、サービス計画表。
ところが、この英語でGoogle画像検索を行うと、日本的なグラフは
ほとんど表示されない。「train」(列車)という言葉を追加
しても、少ししか表示されないのだ。日本語で検索すると大量に
画像が出るから、かなり事情が違うのは明らか。

英語版ウィキで近い項目は「public transport timetable」
(公共交通機関の時刻表)。ただ日本的なグラフは1枚だけ(上図)
で、しかもフランスの鉄道に関して個人が作成したものにすぎない。
やはり、英語圏だとマイナーでマニアックな物ということだろう。
☆ ☆ ☆
というわけで、とりあえず言いたいのは、全国学力・学習状況調査
2018の数学Bの問題3が非常に日本的だということ。作成者が
鉄道オタクかも・・とまでは言わないけど、一部ファンだけ高得点
になるかも♪


問題は、国立教育政策研究所HPから引用させて頂く。ちなみに
朝日新聞・朝刊だと、今日(18年4月18日)は小学校の分の掲載。
明日が中学の掲載の予定。
☆ ☆ ☆
(1) 「列車の運行のようすを直線で表しているのは、・・・・・・
が一定であると考えているからです」。
おそらく、どの選択肢でも当てはまると思った中学生が結構いる
はずだし、アだけは違うと思った生徒もいるはず♪ 列車の速さは
一定じゃない、発車と到着の時は遅いからと考えて(笑)。
真面目に解説すると、直線というのは傾きが一定の線のこと。横軸
が時間で縦軸が距離だと、傾きは速さとか速度を表す。それが一定
だから、空欄に入る言葉は選択肢のア。「列車の速さ」。
実際には、電車のスピードは、駅から出る時と止まる時に遅いから、
グラフは「∫」の形を左右に引き伸ばしたようになる。ただ、それだと
分かりにくいし書きにくいから、スピード一定と考えて直線にするのだ。
最初のグラフで一番左端の線だと、 y=70x-435
くらいの一次関数のグラフ。もちろん数式まで求めなくても解ける。
☆ ☆ ☆



(2)はいわゆる「撮り鉄」、鉄道撮影マニア向けの問題♪
「列車のすれ違いは、A駅からの道のりが・・①・・kmの地点
で1回、A駅からの道のりが・・②・・kmの地点で2回起こる」。
すれ違いとは、向きの違う列車が同じ時刻に同じ場所を通ること。
グラフだと2直線の交点になる。3つある交点について、左側から
A駅からの道のりを見ると、それぞれ2km、4km、4km。
つまり、すれ違いは、2kmの地点で1回、4kmの地点で2回。
よって答は、①が2、②が4。
☆ ☆ ☆

(3)は、列車2本の写真撮影の間に何分待たされるかという問題。
「A駅からの道のりが6kmの地点において、列車アが通って
から列車エが通るまでにおよそ何分かかるかは、前ページ
の太一さんが作ったグラフから求めることができます。その
方法を説明しなさい」。
求めるやり方だけ書けば正解で、求めた時間も要らないし、なぜ
そのやり方でいいのか理由を書く必要もない。私が出題者なら、
最後に「理由も要らないので、方法だけを書いてください」と書く。
模範解答(例)は、
列車アと列車エの2つのグラフについて、yの値が6のときの
xの値の差を求める。
これ、私が採点者ならちょっと減点するかも♪ というのも、上の答
だとyの値は数字になってるから、xの値の差も数字のはず。それ
だと、問題は「何分かかるか」なのに、単位なしの「4」となってしまう。
あと、せっかくグラフを使うのに、線、点、距離といった図形の言葉
が入ってないのも気になる所。
☆ ☆ ☆
私なら、グラフと単位を意識して、次のように答える。
y=6の所で水平の直線を引き、列車アとイの直線と交点を作り、
それら2交点の間の距離を求める(単位は分)。
ちなみに過去、出題者、解答作成者からの応答は一度もない(笑)。
まあ、解説資料をチェックすると、上の答でも二重丸をもらえるようだ。

今年は別にいいとして、2017年の中学・国語Aと12年の数学B
は今でもおかしいと思ってる。どちらの記事も地味にアクセスが
続いてるから、同意してくれる人はそれなりにいるのかも・・と
思っとこう♪ 下にリンクを付けておいた。
それでは今日はこの辺で。。☆彡
cf. 夏目漱石『夢十夜』の第六夜、問題と正答への疑問
~全国学力調査2017中学・国語A
全国学力調査2012・中学数学B、
スキー・ジャンプの問題(原田vs船木)
全国学力調査、伝説の確率の問題が登場♪(2009)
(計 2295字)
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