アリストテレス『動物部分論』の間違い♪~「人間のみが、くすぐったくなる」(英訳原文)
週初めの月曜の朝、時間が無いから、わりと楽に書けるコネタで
お茶を濁すことにしよう。一昨日(2018年5月12日)の朝日新聞・
朝刊別刷beに掲載された記事は、面白い切り口だった。
くすぐったくなるのはなぜ?
(連載「ののちゃんのDO科学」)
記者は小宮山亮磨。取材協力は、ベルリン・フンボルト大学の石山
晋平研究員。
☆ ☆ ☆
結論から書くと、他の仲間たちと遊んで楽しむための脳の仕掛け
ではないか、という推測。もちろん、これは生物学的な解釈の1つで
あって、真相は神のみぞ知る、あるいは理由なしの偶然かも♪
本当は、ラットがくすぐったがる写真が可愛いから、その実験の
論文を調べたい所だけど、それより古代ギリシャの賢人の話を
調べた方が地味にウケる気がする。
「(・・・くすぐったくて笑っちゃうのはなぜか・・・)。
このことは、2300年も昔のアリストテレスという哲学者も、
疑問に思っていたらしいよ。」
「らしい」という書き方が気になって、直ちに検索。英語の原文
(の1つ?)がすぐに出て来たので(ウィキソース)、その箇所だけ
引用して、大まかに訳してみよう。
『動物部分論』(On the Parts of Animals)、
第3巻・第10章より。時間がないので、同時通訳みたいな反射的
翻訳だ。ギリシャ語原文まではチェックしてないので、念のため。
☆ ☆ ☆
For when men are tickled they are quickly
set a-laughing, because the motion quickly
reaches this part, and heating it though but
slightly nevertheless manifestly so disturbs
the mental action as to occasion movements
that are independent of the will.
人はくすぐられると、すくに笑い出す。なぜなら、くすぐりの動きは
直ちにその部分に届き、僅かではあるけどハッキリと刺激し、心の
能動的な動きを妨げて、意志とは違う反応を引き起こすからである。
That man alone is affected by tickling is due
firstly to the delicacy of his skin, and secondly
to his being the only animal that laughs.
人間のみがくすぐりを感じるのは、まず第一に、皮膚の繊細さ
によるものであり、続いて、唯一の笑う動物であることによる。
For to be tickled is to be set in laughter, the
laughter being produced such a motion as
mentioned of the region of the armpit.
というのも、くすぐられるとは笑わせられることだからである。
わきの下の領域について述べた動きで引き起こされるように。
☆ ☆ ☆
一番最後の、「the laughter」以降の英語は構文がよく
分からないし、その前にわきの下について語った箇所もまだ発見
できてない。「しばしば言われるような・・」といった一般的な意味
かな? とりあえず保留しとこう。
前置詞 by が抜けてるか省略されてるのかも。あるいは、英訳か
英文入力のミスかもしれないし、特殊な省略表現の可能性もある。
ともあれ、ラットもチンパンジーもゴリラも笑うし、犬・豚・イルカも
そんな反応を見せるそうだから、アリストテレスは間違ってた。
現実主義者と言われるにも関わらず、現実に動物をくすぐったこと
はなかったのだろう♪
ちなみに、一番可愛いのはもちろん女性の反応だ(笑)。合意の
もと、笑い出す直前で寸止めするのが効果的♪
それでは今朝はあっさりこの辺で。。☆彡
(計 1583字)
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