さくらももこ追悼、『ちびまる子ちゃん』初体験の感想(アニメ、原作漫画)
可愛かったね。リカちゃん♪ そこか! タカラトミーの「アクア
カールみさきちゃん」CM。意味が分からなくて調べてしまった(笑)。
リカちゃんのお友達、みさきちゃんの髪の毛を、水の(アクア)
ミストでカールする商品ね。英語の勉強にもなると♪
いや、フジテレビの人気アニメを見た平成ブロガーとしては、
スポンサーがどうなってるのか気になったわけ。
提供のテロップ順に、SUMCO(サムコ、半導体)、AEON
(イオン)、ソニー損保、ミツウロコ(エネルギー)、タカラトミー
(首都圏の地上波放送の場合)。
リカちゃん以外は完全に大人向けの企業CMで、やっぱり親の
世代も含めて、大人をかなり意識した番組なのか。その点では、
国民的アニメの大先輩である後番組、『サザエさん』と同じだ。
☆ ☆ ☆
さて、原作者・さくらももこ(53歳)の訃報(8月15日永眠)を
受けて、内容を変更して18年9月2日に放送されたアニメ
『ちびまる子ちゃん』。視聴率は急上昇、14.3%となった(関東
地区、ビデオリサーチ調べ)。今年の最高で、4年ぶりの数字。
今どきのフジの番組としては、かなり高い視聴率で、北部九州や
名古屋地区も同様。
ただ、実は関西だと11.9%。前週の関東は5.6%、過去4週
の平均視聴率は6.6%だから、『サザエさん』と同じく、かつての
勢いはないようだ。放送が開始された1990年には最高視聴率
39.9%を記録してるほど。紅白歌合戦なみの数字。
私は子ども向けだと思い込んで、アニメもマンガも全く見たこと
なかったから、今回の放送はわざわざ録画しながらマジメに鑑賞。
お世辞抜きで、予想より面白かった。来週も見たくなったほど♪
折角だから簡単かつマニアックに感想を書いとこう。ネタバレに
なるので、ご注意あれ。。
☆ ☆ ☆
まず、番組のラストに映された追悼メッセージから。この映像は
公式ツイッターにもあるし(ファンの返信ツイートなど)、公益性
もあるので、掲載しても著作権的に許容範囲だと考える。
『ちびまる子ちゃん』の原作者
さくらももこ先生がお亡くなりになりました。
心よりお悔やみ申し上げます。
アニメ『ちびまる子ちゃん』は
今後も続けて参りますので
これからもよろしくお願いします。
さくらももこ先生
ありがとうございました
上手い作りだと思う。重過ぎる画像は避け、まず青空の下の風景
で2枚(まる子の学校周辺か)。最後は、さくら&ももをイメージ
させる色とデザインで、みんなの明るい笑顔を並べて、感謝の
ことば。もちろん、漢字はふりがな付きだし、分かりやすい日本語
を使ってる。直ちに番組継続を決めて告知したのもいい。
おばあちゃんも生きてるわけね。その右隣のたまちゃんは、家族
同様の親友ってことか。で、左下の美人が姫子、左上の可愛いコ
がかず子だと。覚えとこう♪
☆ ☆ ☆
今回の第1話は、『まる子、きょうだいげんかをする』。ほとんど
ひらがなのタイトル。
これは、1990年1月7日のアニメ第1回を、2011年10月
16日にリメイクした記念作品(当時、原作25周年)。原作マンガ
の3巻その17にあたるとのこと。
まる子のモデルは原作者で、小学3年生(9歳くらい)の頃というと、
53歳の享年から見て44年前。 2018-44=1974。
大体、70年代半ばということになる。当然、携帯・スマホどころか
テレビゲームも出て来なかった。
お母さんが姉・さきに、魚(チイチキン)のイラスト入りノートを渡す
のを見て、まる子も欲しがる。お姉ちゃんへの露骨な嫉妬、言葉
だけじゃない本気の姉妹げんか、じゃんけんで負けた後もこっそり
嫌がらせの落書き(「バカ」♪)。おじいちゃんにねだったら、普通の
ノートに右から手書きして、「ンキチイチ」(笑)。
最後は結局、道端のさざんかが咲いてたのをキッカケに仲直り。
姉が優しくノートをプレゼントしてくれる。ところがそこには、まる子
が自分で書いた「バカ」の文字。綺麗で子どもらしいオチが決まった。
さざんかとか、寒くて人気ないアイスとか、最初の放送日が1月
だったことを知らないと季節外れに感じるかも。。
☆ ☆ ☆
内容的に、誰でもやることというか、年齢を問わず誰でも分かる
(懐かしい)こと。今でもある、ちょっと値段が高めのジャポニカ
学習帳への憧れとか。その意味では、時代を超えた普遍性を
持ってる。
朝日新聞・夕刊(18年9月1日)では明治大学教授・藤本由香里
が、「『サザエさん』と違うのは、より時代を超えた普遍性がある
こと」と語ってた(聞き手・加藤勇介記者)。昭和に限らないと。
それはある程度わかる気がするとして、「少女漫画は主人公の
心理描写が多いのに、主人公まる子も他の人物も等価に描く
という点で、まれな漫画」という批評はまだよく分からない。今回
私が見た範囲だと、後述する原作も含めて、明らかに主人公
(=作者)の心理描写が中心だ。
番組後半は、同じく原作25周年記念だった作品の再放送で、
「まる子、つづらの中身が知りたい」。原作9巻その64だからか、
タイトルの漢字が増えてるけど、全てふりがながついてた。子(こ)、
中身(なかみ)、知(し)。
押し入れで見つけたつづらから、おとぎ話「舌切り雀」とかミイラ
を想像しつつ、怖いもの見たさで開けてみる。すると、父・ヒロシ
のヘソクリがあって、「ヒヘ」と書かれてたとかいうオチ♪
このオチには解説画像までついてた(笑)。親切で、いいね・・
っていうか、舌切り雀の話が久々過ぎて覚えてなかった (^^ゞ
意地悪ばあさんがもらったつづらに、蛇や毒虫が入ってた昔話
なのか。原型は宇治拾遺物語、鎌倉時代。古っ。。 超普遍的♪
☆ ☆ ☆
一方、原作マンガの第1巻冒頭だけ、コミックシーモアで立ち読み
すると、いきなり目次の横に、コミックス発売への作者の喜びが
素直に描かれてた。
まる子とうさぎ達(&作者もも子)が歌と鈴でピョンピョンはしゃぐ
様子は、主題歌『おどるポンポコリン』のイメージにつながる。
実際、作詞は本人。作曲は織田哲郎、半年で100枚突破の
ミリオンセラー。
ちなみにあの大ヒット曲、今でもアニメ冒頭で使われてたけど、
歌ってたのはB.B.クイーンズじゃなくて、ゴールデンボンバー
(金爆)。ウィキペディアによると2016年からで、オープニング
にメンバー4人のアニメキャラが参加してた。子どもたちに理解
できるかどうかはともかく♪
話をマンガに戻すと、「その1 おっちゃんのまほうカードの巻
(まき)」の最初のコマに丁寧な説明がある。
「わたしは小学校3年生の時のさくらももこです
わたし ちいさかったから “チビ丸”に女の子だから“子”を
つけて “ちびまる子ちゃん”なんてよばれていたの」
いきなりここまで説明するエッセイ漫画は珍しいかも。アニメ
だと、突っ込み系のナレーション(説明)が男性の声で入ってた
けど、マンガだとまる子=ももこ自身の声になってた。
☆ ☆ ☆
マンガ自体も普通に面白い内容(夏休みと宿題提出)だけど、
興味深かったのは、「おまけのページ その1 よく転ぶわたし」。
転ぶと非常に痛いのだが、街の中でひとりで転んで
痛そうな顔をして立ち上がる、というのはあまりにも
みじめなので死ぬほど痛いにもかかわらずじつに
さわやかな顔をして立ち上がり、心に余裕があるときは、
目の合った通行人に「えへへっ」とほほえみまで
ふりまいてしまう。
乳がんと必死に闘病中でもほとんど公けにしなかった晩年の姿
と重なる言葉だろう。「心に余裕がある」最後だったことを願う。。
☆ ☆ ☆
なお、朝日新聞・朝刊(18年8月30日)には、サブカルチャー
評論家の中森明夫の談話が、「さくらももこを悼む」という記事
にまとめられてる。記者は不明。
高度成長時代の昭和に対して、ちびまる子ちゃんは平成の作品。
バブル崩壊、阪神大震災、オウム真理教事件など、暗い話題が
多かったからこそ、身の回りにある小さな楽しみや喜びを見つけて
いったのではないかと語ってた。
これはもっと詳細に分析すべきことだと思うけど、基本的には
その通りだと思う。バブル後、「失われた30年」の象徴だろう。
だからこそ、この作品には人間の負の側面が多く描かれてるし、
それを温かい笑いで包み込む明るさも添えられてるわけだ。
なかなか表舞台に登場しなかった作者のもとへ、中森が取材
で訪れて、めいのために色紙をお願いしたら、鉛筆で下書き。
さらにペンでなぞって、消しゴムで消して渡してくれたとのこと。
これは「忘れられない思い出」になるね。
「あの簡単な線ですけど、こうしないと出ないんです」。
さくらももこのプロフェッショナルな心配りに感心しつつ、合掌。。
それでは今日はこの辺で。。☆彡
(計 3525字)
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