2変数関数z=f(x,y)の最大値と最小値~高校数学の解き方&Wolfram入力と3Dプロット
正直に言うと、本当は無料の数学ソフト2つの比較記事を書く予定
だった。Wolfram Alpha(ウルフラム・アルファ)と、
Maxima(マキシマ、マクシマ)。
ところが、4年半ぶりに使ったマキシマに悪戦苦闘。そもそも「2x」
を「2*x」と入力しないとエラーになる事さえ、分からなかった。
・・と言うより、思い出せなかった。なまじ、ウルフラムの普通の入力
方法に馴染んでたのが災いしてしまったのだ。
下図は、マキシマで1次方程式2x-6=0を説いた様子。私が
入力したのは結局、式「2*x-6=0」だけなのに、30分以上の
時間を使用(or 浪費)。アステリスクで入力した掛け算記号が
単なる点「・」として表示されるのも、滅多に使わないカギカッコ
の形([ ])が挿入されるのも、どうも馴染めない。
☆ ☆ ☆
言い訳やボヤキはともかく、もう記事の締切時間が迫ってるので、
考えてるヒマはない。普通の手計算とウルフラムだけで軽く1問
解くだけにしよう。過去の経験上、それなりの需要はあると思う。
なお、以前書いたウルフラムの紹介・入門記事は以下の通り。
アクセスはわりと多いけど、半分くらいは、単なる公式サイトへの
入り口として通過する読者のようだ♪ 他に、今年(2018年)
Wolfram Alpha(ウルフラム・アルファ)
日本語版、高校数学の質問にすぐ応答
☆ ☆ ☆
では、高校数学のやや難しい問題を考えてみよう。
z=3x²-2xy-8x+2y (0≦x≦y≦3)
の最大値、最小値を求めよ。
zは単なる値域の変数だから、変数である右辺のxとyの扱いが
ポイント。xについて2次、yについて1次の式だから、セオリー的
には、次数の低いyについて整理することになる。
z=2(1-x)y+3x²-8x ・・・☆
式☆は、xを固定して考えると、yの一次関数。グラフは直線
だから、傾きの符号で場合分けして、最大値や最小値を考える。
yの定義域は、x≦y≦3。
(1) 1-x>0 [つまりx<1]の場合、直線は右上がり。
最大値はy=3の時で、
z=3x²-14x+6
=3(x-7/3)²-31/3
さらに、0≦x<1の範囲でxを動かすと、
(zの最大値)=(x=0の時のz)=6
最小値はy=xの時で、
z=x²-6x=(x-3)²-9
さらに0≦x<1の範囲でxを動かすと、zはx=1の時の
値-5に向かって限りなく減少するが、最小値は存在しない。
(2) 1-x=0 [つまりx=1]の場合
(zの最大値)=(zの最小値)=-5
(yは1≦y≦3をみたす任意の実数)
(3) 1-x<0 [つまりx>1]の場合、直線は右下がり。
最大値はy=xの時で、
z=x²-6x=(x-3)²-9
さらに1<x≦3の範囲でxを動かすと、zはx=1の時の
値-5に向かって限りなく増大するが、最大値は存在しない。
最小値はy=3の時で、
z=3x²-14x+6
=3(x-7/3)²-31/3
さらに1<x≦3の範囲でxを動かすと、
(zの最小値)=(x=7/3の時のz)
=-31/3
以上、(1)~(3)の場合分けをまとめると、最終的な答は
(最大値)=6 ((x,y)=(0,3))
(最小値)=-31/3 ((x,y)=(7/3,3))
☆ ☆ ☆
難問というほどではないし目新しくもないが、記述式の問題だと
全体の出来は悪いと思われる。計算は簡単だが、正確な論理と
表現が必要。配点20点、時間20分なら平均5点くらいか。
一方、ウルフラムのAIだと、最後の答だけなら1秒で出力。
入力もほぼ普通でOK。「xy」の中央にスペースを入れる
のが基本らしいが、無くても正しく解釈してくれる。
☆ ☆ ☆
さらに凄いのが、xyz空間での曲面表示、3Dプロット。
最大値と最小値を与える赤い点2コは、自動的に表示される。
青い線は私が書き込んだもので、x<1の範囲だとyが増えるに
つれて少し上昇、x>1の範囲だと少し下降するのが感じ取れる。
ちなみにこの図を拡大しようとすると有料版のProに誘導される。
あるいは本格版の定番高額ソフト、Mathematica。
☆ ☆ ☆
ちょっと分かりにくいけど、登山用地図みたいな等高線プロット
も表示される。3Dプロットと同じく、色が薄いほど高い場所(z
が大きい)、濃いほど低い場所(zが小さい)。逆の色使いの方が
自然だと思うのは、日本的な感覚だろうか。
上図からx=1の箇所を推測すると、等高線は垂直。つまり、
yの値に関わらず、zはほぼ一定だろうと予想される。
こういったコンピューター&プログラムの活用は、まだ学校教育や
受験学習では遅れてるようで、今後は授業改革が進むだろう。
私もブログ改革が必要だ♪ それでは今日はこの辺で。。☆彡
(計 1964字)
| 固定リンク | 0
「数学」カテゴリの記事
- パズル「ナンスケ」の解き方、考え方10~難易度4、ニコリ作、朝日新聞be、2023年2月25日(2023.02.26)
- パズル「絵むすび」26、解き方とコツ、考え方(難易度3、ニコリ作、朝日新聞be、2023年2月11日)(2023.02.12)
- 1~7の数字を並べた整数A、Bの和が9723になるのは何通りか(高校・場合の数)~開成中2023年入試、算数・問題5の解き方(2023.02.04)
- 桜(ソメイヨシノ)の開花予想と、気温の時間積分(1次関数、2次関数)~2023年共通テスト数学ⅡB・第2問〔2〕(2023.01.29)
- パズル「推理」、小学生向け7、カンタンな解き方、表の書き方(難易度5、ニコリ作、朝日be、23年1月28日)(2023.01.28)
コメント