開立法、³√(3乗根、立方根)の筆算~海軍兵学校の算術3
100年以上前の海軍兵学校の数学試験(算術)、第3弾。
最後は3乗根、立方根の筆算である開立法となる。珠算(そろばん)
の世界などでは、開立算とも呼ばれる。
一つ一つの計算は単純な算数だし、長くもないが、特殊な組合せ
による計算法なので、これだけを読んでもピンと来ないと思う。
平方根の筆算を知らない方は、まずウォーミングアップとして、
前の記事を読むことをお勧めする。
√(ルート)の筆算、開平法~海軍兵学校の数学試験(算術)2
根本的には、答を1ケタずつ探していくわけで、別にやり方など
知らなくても、少し頑張って試行錯誤すれば解ける。それを工夫
して、スムーズな流れにするのが以下の方法。
ただし、その方法自体がちょっと覚えにくいし、使いにくい。私は
この記事のために1週間ぶりに解いたが、ちょっと忘れてた♪
☆ ☆ ☆
今回は、一般的な説明や試験問題の前に、簡単な実例で解説
しておく。私が作ったもので、一番簡単な部類だろう。
(問) 238328の立方根を求めよ。

まず、1の位から左側に3ケタずつ区切る。そして、先頭(左端)
の3ケタ(以下)に対して、3乗すると同じか少し小さくなる数
を右側に書く。この場合だと、3乗して238より少し小さくなる
のは6。そして、6³=216を引いて、次の3ケタを下ろす。

左側に、18(=3×6)と、10800(3×100×6²)
を書く。これは、答の次のケタを求めるための準備。

答の次のケタの数(1ケタ目)は、上のような計算で右下が
22328以下になる数のうち、最大のものとする。
具体的には、右側に残ってる22328に対して、中央の下側は
ほぼ11000くらいだから、2倍するのだろうと考える。
この時、182×2=364
10800+364=11164
11164×2=22328
ちょうど右側の数と差し引きゼロになって、答は62となる。
☆ ☆ ☆
海軍の問題に移る前に、理屈とか理由を少し考えてみよう。
上で、2を求める計算は何なのか。
6の次の数をaとすると、
(60+a)³≦238328
∴ 60³+3×60²×a
+3×60×a²+a³≦238328
∴ (3×60²+3×60×a)a
≦22328
最後の式の左辺で、カッコの中を計算してるのが
筆算の左側。そして筆算の中央下側でさらにa倍(=2倍)
して、22328以下にする。この場合はちょうど22328
になって終了。
もちろん、ちょうど一致しなければ、次のケタに進んで同様の
計算を繰り返すことになる。
なお、最初に3ケタずつ区切るのは、答の数が1ケタ
(=10倍)上がるたびに、3乗すると3ケタ(=10³倍)
上がるため。
☆ ☆ ☆
それではいよいよ海軍兵学校の試験問題のラスト。第7問。
これまでと同様に、当時の解答に合わせて説明する。出典は
上のリンク(国立国会図書館デジタルコレクション)参照。
7. 0.028934443 ノ立方根ヲ求ム
(注. 小数点の直前のゼロは省略してた)

小数を避けたければ、まず1000³=10億倍して
28934443にして解いた後、答を1/1000する。
ただ、ここではそのまま小数で解く。
まず答の小数第1位は3で、28から3³(=27)を引く。

右側は次の3ケタを下ろして、1934にする。左側は、
9(=3×3)と2700(=3×100×3²)を書く。
2700より少し大きい数とかけ合わせて1934以下になる
数は、0~9の中だと0のみ。そこで、答の次のケタ(小数
第2位)に0と書き、左端の9の次に0と書く(後で補足)。

答の3ケタ目(小数第3位)を7とすると、上図のように
キレイに差し引きゼロになる。
907×7=6349
270000+6349=276349
276349×7=1934443
☆ ☆ ☆
なお、小数第2位を求めた時の答の書き方は、上では省略
してある(当時の解説書がそうなってるから)。
省略せずに書くと、下のようになる。右上の答の所に
「0.」を書き忘れてるので、悪しからず。

最後に、答が0を含まない3ケタの場合も示しとこう。
9663597の立方根213の求め方。
左下には、3×21と3×21²を書く。
ちなみに検算は、例えばカシオのサイトが便利だ。


それでは今日はこの辺で。。☆彡
(計 1735字)
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