ピンクのニーハイ回転ロゴ♪、マン島・三脚巴(トリスケリオン)~NHK大河『いだてん』第1話
素晴らしかった。ピンクのニーハイ回転ロゴが♪ そこか! 私が
予習してなかったからかも知れないけど、まさかNHK大河ドラマ
で突然こんな脚フェチ映像がクルクル登場して来るとは。。
82歳の大御所美術家、横尾忠則作。明治時代に足袋を履いてた
マラソンとギャップがあり過ぎて、意味が分かるまで0.8秒くらい
かかった♪(細かっ・・)。実は1ヶ月前くらいにポスターが公表
されてたらしい。
この組み合わせのデザインなら全く素通りかも(笑)。中村勘九郎
に失礼だろ! 色と(相対的)大きさ、動きによって、ドラマの
タイトルバック冒頭は遥かにインパクトがあったのだ。
あっ、ご本人のtwitterだと2ヶ月も前に公表してた! 高齢
でもやっぱり、いまやSNSの利用は当然だと。
☆ ☆ ☆
私はビックリ・・という感覚が強かったけど、リアルライブの配信
記事が「怖い」という感想を伝えてたから、早速ツイッター検索。
怖いというより、似てるとかパクリ?とかいうツイートの方が遥かに
多かった。
一番流布してるのは、マン島の「三脚巴」紋章との類似の指摘。
下はウィキペディアより。言われれば確かにそっくりのデザイン
だけど、これだと何とも思わない♪ 武装した男性兵士の足に
見えるし、全裸じゃなくてTバックふんどしも付けてるから(笑)。
漢字の「韋駄天」のイメージか。
三本の脚が巴(ともえ)状になってるから、三脚巴。英語だと、
「トリスケリオン」(triskelion)。「tri」が三、「skelion」
が脚という意味だ。巴を示す英単語は無いらしい。そのまま英語
にした tomoe は除いて♪
とにかく、マン島の旗はたかが1932年の採用だけど、三脚巴
のデザインは6000年ほど前から世界各地にあったとのこと
(英語版ウィキ)。大御所アーティストの横尾は当然、意図的に
利用して独自のアレンジを施したわけだろう。五輪エンブレム騒動
とは違って、ドラマロゴの撤回とか変更は必要ないと思う。
私は文字入力と画像入力(カラー、白黒)の両方で、画像検索も
かけたけど、三脚巴もヒットしなかったし、めぼしい類似作品は
見当たらず。せいぜいサイハイ・ストッキングで検索した下の画像
みたいなものしか出て来ない。まあ、権利に関わるこの程度の
チェックは、ご本人かスタッフが直ちにやってるのかも。
☆ ☆ ☆
一方、タイトルバックの画像もなかなか面白かった。例えば、主役
である金栗四三(中村)の扱い方。
まるでミニチュアセットの街で怪獣が暴れるようなCG合成は、
この後10パターンくらい連続。昭和の特撮の初期を意識したもの
だろうと想像する。実際、ドラマ冒頭、ウルトラQの冒頭みたいな
効果音が目立ってたのだ。実際、ちょっとだけツイートも出てた。
ちなみに、スタッフロールに円谷の文字は無かった気がする♪
タイトルバック画、山口晃。タイトルバック製作、上田大樹。
カラフルな現代風浮世絵みたいなイラスト、いいね! 屋根の上
の走り幅跳びは、失敗して落ちそうだけど♪
☆ ☆ ☆
おっと、物語の話をする前に早くも時間が無くなってしまった (^^ゞ
脚本家の宮藤官九郎には熱烈なファンが多いけど、普通に見ると
序盤は話が分かりにくかったはず。
例えばビジネスジャーナルだと、編集部の記事のタイトルは、
「NHK大河『いだてん』が理解不能・・・時代が次々入れ
変わり&登場人物多過ぎでゴチャゴチャ」。
これ、気になるポイントを過不足なくまとめてる♪ 要するに、
メインのストーリーはしばらくの間、100年前の金栗のマラソン
だけど、そこに50年前の東京マラソンの話とか組み込んでた
から、予習してないと分かりにくかったのだ。年代の違いは、白い
テロップの文字で一瞬映すだけ。ナレーションの音声も無い。
意図的なものだろうけど、どちらの時代でも似た感じの足袋姿
のランナーが映ってて、ますます混乱する。当然、金栗だろうと
思ってしまう所だけど、実際は違う(はず)。東京五輪の前には
金栗はもう70歳くらい。足袋でスタスタ走る体力はないだろう。
金栗じゃなくても、その頃、走るのに足袋は使わないと思う。
テクニックを使いたいのなら、例えばこんな感じのハメこみ映像
だと混乱しない。街頭テレビの中で古今亭志ん生(ビートたけし)
が落語をやってて、そこから寄席の舞台映像につないでた。背景
の「オリンピック招致成功」と「浅草新世界」の看板もさり気ない。
演出は井上剛。
☆ ☆ ☆
個人的には、英語とフランス語の聴き取りが面白かった。
「Malheuresement, on va s'abstenir.」
マロローズマ~ン、オン ヴァ サブストゥニール
残念ながら、辞退させて頂きます
嘉納治五郎(役所広司)は、「オン ヴァ・・・」と話して辞退
しようと思ってたのに、観客用の巨大なスタジアムのポスター
とか見せられて、「オウケシマス」(お受けします)。仏語の「ル」
の発音が面倒だったか(笑)。ここ、もうちょっと発音が似た言葉
にできればもっと良かったと思う。気づく人は少ないだろうけど♪
時間が無くなったので、その後の嘉納の英語や招致演説の
英語は省略。
「富久」(とみきゅう)という落語は、「富」くじが当たった「久」蔵が
走り回る話。浅草と日本橋(または芝)で発生した火事のせいで、
2往復(以上)走るようだ。休憩付きのハーフマラソン(21km)
くらいか♪
☆ ☆ ☆
最後に、「ドランドの悲劇」と呼ばれてた1908年のマラソン
のエピソード(炎天下でフラフラ、助けられてゴールした後、失格)
は、確かに世界的に有名だけど、「ドランドの悲劇」といった言い方
は英語圏でほとんど見当たらない。
イタリア語圏では多少あるけど、悲劇というより、劇的な成功物語
と思われてる感がある。金メダルはく奪による、それ以上の栄光。
が少ない。
クドカンの脚本以外に、日本のいくつかのサイト(ほとんど個人
サイト)が「ドランドの悲劇」と書いてるのは、元をたどると日本語
ウィキペディアの記述(初出2007)に影響されてる可能性がある。
読売新聞の記事も電子書籍のコラムも、その後だ。
ただし、ウィキで出典に挙げてる英語サイトをチェックすると、
「The tragic sight of Dorando」(ドランドの悲劇的な光景)
という表現が一度使われてるのみ。そもそも履歴を調べると、出典
をつけた編集者と最初に書いた編集者は別人。英語版ウィキや
イタリア語版、仏語版、ドイツ語版を見ても、悲劇という表現は
使われてない。
スポーツ史考証の真田久、大林太朗は、分かっててOKした
わけか。明らかに「ドーハの悲劇」に似た言葉で、日本人には
分かりやすいし♪ もちろん、内容的には後の円谷幸吉の悲劇
を暗示する伏線にもなってる。
次回からいよいよ金栗がメインになるらしいから、もう一度見て
みるつもりだ。ニーハイ回転ロゴ♪ そこか! ではまた明日☆彡
cf. コネタで楽しむドラマ、綾瀬はるかの
自転車走力とか♪~『いだてん』第2話
(計 2875字)
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