「Hot Dog」(ホットドッグ=熱い犬)という英語の語源(NHK『チコちゃん』漫画家説はほぼ間違い)
まだ5歳のチコちゃん(笑)を叱るのが大人げないのは分かってる。
NHK『チコちゃんに叱られる』が面白いのも事実だし、デーブ・
スペクターの英語を聞けただけでも貴重な番組だ。ホントに英語
を喋れるのか♪
でも、質問を送った岩手県「ぜんぜん分からねー」ちゃん(5さい)
のためにも、昨日の小石の記事に続いて叱っとこう。
「ボーッと説明してんじゃねーよ!」♪
以下、番組の説明がほとんど間違いと思われることを説明しよう。
結果的にたまたま正しい可能性は一応あるけど、NHKの根拠
はほとんど信頼できないのだ。「小石」の説明も、科学的・論理的
におかしかったし。
チコちゃん「靴に小石が入るのは足にあった靴だから」、
怪しい説明♪&雪の前にジョグ
☆ ☆ ☆
さて、ホットドッグの話(ダックスフントの綴りが分からなかった
漫画家がドッグと書いたとする説明)の最後には、逃げ道が用意
されてた。漢字まじりの一瞬の映像だけ。とても5歳の子どもが
注目するとは思えない。
「ホットドッグの名前の由来については、諸説あります。
ご紹介したのは、監修してくださった専門家の見解です。」
5さいのしつもんには、つぎのようにかくべきだろう。
「ホットドッグはなぜドッグか、いろんなかんがえがあります。
ここでは、おもしろいのをひとつだけはなしました。
あとは、じぶんでしらべてね♪」
☆ ☆ ☆
ところで、上の「専門家」とは誰か? エンドロールには監修者の
名前が出てなかったから、普通に考えると、映像も台詞もあった
唯一の教育者、筑波学院大学の大島愼子(ちかこ)学長だろう。
「ホットドッグがドッグなのは・・・
実はダックスフントだったけど
つづりがわからずドッグと書いてしまったから」
(解決「済」のハンコ付き♪)
しかし、今回(2019年2月8日)の番組を除くために、
「大島愼子 ホットドッグ -チコちゃん」(チコちゃんを除く)
でGoogle検索すると、ヒットするのはただ1つ。
雑誌『食品工業』2011年11月15日号のコラム、
「食にまつわるエトセトラ(29)」
のみだ(「まるわる」という誤字まで出て来る♪)。ホットドッグの
専門家とは思えない。そもそも、あんまし食べないらしいし(笑)
☆ ☆ ☆
ドイツや食文化に詳しいという話だったけど、実はそのドイツの
ウィキペディアも、例の漫画の説明をハッキリ否定してるのだ。
もちろん、英語の各種情報でも同様。
「Der Name “Hotdog” stammt nicht ・・
von dem Cartoonisten ・・ Dorgan ・・.」
ホットドックという名前は、漫画家タッド・ドーガンに
由来するのではない。
(注. ドイツ語はホットドッ「ク」と発音)
実は、番組内で大島学長は、犬(ダックスフント)やそれに似た
ソーセージの話はしたけど、漫画家の話はしてない。
編集でカットされたかも知れないけど、ディレクターか演出が示した
のを笑って黙認しただけか、NHKが勝手に映像と情報をつぎはぎ
して構成したのかも。
☆ ☆ ☆
番組の漫画説が直接的に根拠とか証拠としてたのは、ホットドッグ
とソーセージの団体のHPだった。
「National Hot Dog and Sausage Council」。
全米ホットドッグ&ソーセージ協議会
番組では、その一文を強調してた。
「Not sure how to spell "dachshund"
he simply wrote "hot dog!"」
(タッド・ドーガン)はダックスフントの
つづりがよくわからず簡単にホットドッグと書いた
ところがこの説明の最初には、「Some say」と付いてる。
つまり、「こう語る人達もいる」。その後、(しかし)歴史家が
漫画を発見できてないと書いた後、代わりの説明が続く。
☆ ☆ ☆
要するに、英語原文の流れ、文脈は、
「1901年の新聞マンガに由来すると言う人達もいるけど、
そのマンガは発見できない。
実は1890年代からホットドッグという言葉は使われてた」
となってるのだ。
この流れの最初だけ、否定する前の部分をミスリーディングな
(誤解を招く)形で引用してたのが番組とテロップ。
ダメ押しとして、その右側についてた英文も引用しとこう。
真実を見つけよう。
悪名高き、ニューヨーク・ジャーナルの漫画家
タッド・ドーガンの物語?
「そんなものは忘れてしまいなさい」
と、ホットドッグの歴史家ブルース・クレイグ教授は語ってる。
制作スタッフ(や専門家)は、すぐ右横にあるこの文を見落とした
のだろうか? あるいは。。 もし見落としたとしても、元の文章の
文脈だけで明らかなはずだが。。
☆ ☆ ☆
一番詳しくて出典もしっかりしてる英語版ウィキの説明によると、
実は「Hot dog」という言葉は1880年代にはあったけど、最初は
ソーセージを意味してたらしい。
それより前に、「dog」だけでもソーセージという意味も持ってた
から、ドイツ移民による文化の持ち込みは必要なかったかも。
それが1890年代の大学などで、パンに挟まれたソーセージを
指す言葉になったようだ。学生たちは雑誌『ホットドッグ・プレス』
をマニュアルにして生活してた・・はずない(番組内のコネタ♪)。
上の引用の終盤、ドーガンのマンガは「一つの神話」とされた
後、否定されてる。
「熱い、ダックスフントに似たソーセージパン」から
「ホット ドッグ」へ。
米国の都会や若者の文化なら、自然な簡略化、俗語化だろう。
「ボーッと説明してんじゃねーよ」と言われる前に終わりとしよう。
なお、今週は計14631字で終了。ではまた来週。。☆彡
(計 2281字)
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