明るい未来は僕たちの手の中に~『インハンド』第1話
ウン、このドラマはいい(笑)。漢字ドリル記事のタイトルのパクリか! いや、直接書くとウチのサイトの評価が下がりそうだから、句読点とカタカナ・ひらがなを使って誤解を予防してるのだ♪ 産褥(じょく)熱の予防に塩素水で手洗いするようなものだ。無理やりの比喩か!
ドラマの最初はいきなり、ゾウがふん・・でも壊れない♪ 昭和の筆箱か! 古っ! 市原ぞうの国の二匹がボトボト落としたモノを、紐倉哲(山下智久)が嬉しそうに受け止めてた。スカトロ変態科学者だと(笑)。コラコラ! 寄生虫の研究者ね。とはいえ、動物より美女のモノに執着があると♪
美人官僚・牧野巴(菜々緒)にいきなり、「ウ・コ見せて」(笑)。ちょっと早口で聞き取りにくかったこともあるのか、ツイッターでさえ、あんましこのセリフが書かれてない♪ 3倍増しの音声でしっかり聞かないと。『A-Studio』か! 金属ボールの上に、巨大なポリバケツ。これを見ただけで、特殊なマニアは狂喜乱舞のはず。原作マンガは知らないけど、ドラマの脚本家・吉田康弘の趣味かも。
紐倉の巨大な研究所は、アロハガーデンたてやまにある。私有地だから、セグウェイで移動しても道路交通法違反にならない。ウィーンと真っ直ぐ手前に近づいて来て、最後に左に曲がる映像が可愛かったね♪(細かっ・・)。演出は平野俊一。
セグウェイは新車100万円くらい。中古50万、リースで数万からみたいだ。まあ、元・医者の安いね(笑)・・じゃなくて安家・・でもなくて高家(濱田岳)に2倍の給料を払えるくらいだから、金には困ってないらしい。『プロポーズ大作戦』のツルが立派に成長してたと♪ あれからもう、12年も経つのか。。
☆ ☆ ☆
キャスティング(配役)で濱田岳を見た時、実はちょっと地味かな・・と思ってしまった(失礼♪)。ところが、紐倉との相性が、いいね。変人でエラそうで天然ボケが入った紐倉と、マトモで小心者でツッコミ役の高家。といっても、高家のツッコミは気弱だし、最後はボケ役にも回ってた。
私が一番ウケたのは、上のシーン。殺人犯・江里口(風間杜夫)の所に行く前に、ピザ食べて、ティッシュで口ふいて、電動歯ブラシで歯磨き(笑)。命を救いたい告発医の高家も、歯磨きが終わるまでじっと待つ♪ 紐倉の興味はサシガメ(刺し亀=刺すカメムシ)と寄生虫(原生動物)トリパノソーマだけだから、急ぐ必要はない。デート前のエチケットの歯磨きだ。
巨大なカメムシが腕を刺すと、フンをする。そこを爪でかくと、トリパちゃんが体内に侵入して、心臓の筋肉で数年~10年くらい潜伏。シャーガス病を発症すると死亡に至ると。本物のトリパちゃんの写真もピンクで、結構可愛かった。ノリP・・じゃなくて、トリPと名付けてあげよう♪
英語版ウィキペディアより、赤血球の海で泳ぐTrypanosomaちゃん達。イラストと似てるんだね。サシガメの写真を見たい方はこちらへどうぞ。いない? あっ、そう♪ 7000種類もいるから、外見は色々だし、恐怖の害虫ってほどでもない。紐倉も平気そうだった。まあ、どうして感染してない虫だと分かるのか知らないけど、「天才」だからか。家のカギ開け&不法侵入も得意だし(笑)
☆ ☆ ☆
一方、紐倉&高家コンビに仕事を持ち込む牧野の部署は、内閣官房の分室の1つ、サイエンス・メディカル(SM)対策室♪ 上の図は、本物の機構図とほとんど一緒で、左端だけ付け加えたものだった。いろんな部署があるんだね。官僚の皆さん、お疲れ様。いろいろ頑張っても、ドラマでボロ「クソ」扱いされると(笑)
ま、金、地位、能力と恵まれてるんだから、我慢して頂きたい。メディアに堂々とけなされるのは、上にいる人間の証明なのだ。テンメイなんて毎日14年頑張っても、検索で馬の下に出るほどだ♪ まだ言うか! こう見えて根に持つタイプなもんで(笑)。巴か!
真面目なマニアック・ネタも書いとこう。まず、「ポンペ病という難病にかかった娘を救うために、独学で研究して製薬会社まで作って、マイオザイムというすごい治療薬を生み出した」、ただの経営コンサルタントのジョン・クラウリー。別に薬自体を作ったわけじゃないけど、大成功した偉人として映画にもなってるんだね。
ハリソン・フォード出演、『Extraodinary Measures』。直訳すると、「途方もない手段」かな。自分の子供たちを助けるための壮大なプロセス。娘と息子、2人が患者だと思う。ちなみに邦題は映画も本も、『小さな命が呼ぶとき』。いつもながら、日本特有のエモーショナル(情動的・感情的)なタイトルがついてた。
「途方もない」という大きな言葉を、「小さな」と言い換える感性も、日本的なものかも。「小さきものは、みな美し」(清少納言『枕草子』)。
☆ ☆ ☆
もう一つ、ラストの多摩川下流の河川敷で紐倉が高家に語ってた、19世紀の医師「センメルヴェイス」。これがハンガリー語の発音だろうと思うけど、世界中探しまわっても、日本のウィキペディアくらいしか見当たらない。大辞林も日本国語大辞典も「センメルワイス」と表記。他にも、ゼンメルヴァイスとか、多数の発音あり♪
ドラマの発音も説明も、日本語のウィキと同様になってた。原作医療監修・ヨシザワアキラ。医療監修・林宗博。ちなみに日本語ウィキの出典は、3つの内の1つ(英語)がごく簡単なまとめ的説明。朝日新聞社『科学史の事件簿』は、大勢の中の1人としての扱い。『ゼンメルヴァイスの生涯と業績』は、作家のセリーヌの若い頃の作品。おそらく日本語ウィキの説明は、その小説的でドラマチックな描写に影響されてる。
実際には、彼の科学的評価は多少、微妙なものになってるようだ。最大の焦点は、彼の当時の産褥熱に関する主張が、その時点で十分「科学的」だったかどうか。英語版ウィキにはわざわざ、論争の経緯を説明する項目まであった。まあ、ここでは科学史や医学史、「根拠に基づく医療」には深入りしないことにしよう。ちなみに産褥熱とは出産による発熱で、感染症対策とか進んだ現在では稀(まれ)。
とにかく、自分が生きてる間には上手くいかなくても、後の世の中で役立つことはある。紐倉はそう、高家を慰めてたのだ。悪しき官僚も病院も巧みに逃げて、被害者遺族の江里口だけ逮捕、自分はクビになったけど、その正義感はいずれ実を結ぶはずだと。。 だから、寄生虫ヌマエラビルみたいにマイナス196度の寒さにも耐える生命力を持てと♪ 分かりにくっ。。
☆ ☆ ☆
最後はもちろん、この見落としがちなカット。「インハンド」の象徴なのだ。埃と泥にまみれた世界でも、自分たちの手の中で、手を動かすことで、美しいものに向かうことが出来るということ。
紐倉に誘われるようにして、手袋をはめた江里口が昔の家族写真を手で持ってなぞると、キレイな奥さんが浮かび出る♪ そっちか! そうじゃなくて、キレイな娘さんね。アレルギーに悩む前、チチクチオイルを塗って感染・発症する前は可愛かったと。私は右横の美魔女の方が好みだったりする(笑)。まだ言うか!
未来は僕たちの手の中にある。手を上手く動かすのはなかなか難しいけど、遠くを見て必死に手を動かせば、美しい未来にきっとつながる。そう信じる紐倉は、センメルヴェイスがもたらした塩素水の手洗いを励行。そのせいで、マサチューセッツ工科大学が作った世界最高の義手も誤作動するのであった♪ そうゆうオチか!
義手製作担当・深谷直樹、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)。義手造形・関根研一。見事な手腕だね。特に、ウィーンと動く音が気に入った♪
というわけで、初回視聴率11.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)、2ケタおめでとう! 私もキーボードで手を動かし続けたところで、今日はそろそろこの辺で。。☆彡
cf. 失ったものを受け入れて生きていく~『インハンド』第3話
右腕=助手で泣いて、笑って・・~『インハンド』第5話
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仲間と共にトンネルウォーク、光さす出口を探して~『コード・ブルー3』最終回
神は死んだ、そして運命は水がもたらす~『ボク、運命の人です。』第1話
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リアルな人間との向き合い方 野ブタ原作
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山P=山下智久『ルート66』、男のアメリカ横断一人旅が熱い☆
山P=山下智久、薄いリアクションは3倍増しで考えて♪~TBS『A-Studio』2019
(計 3658字)
(追記63字 ; 合計3721字)
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