極真空手の「熊殺し」ウィリー・ウィリアムズ死去、オランダ語の最初の報道(?)と英語情報を見て・・
元祖・実戦空手の極真については、これまでも色々と書いて来た。今現在でも、複雑な分裂状況やカリスマ性低下の中、多くの人々を引き付けてるのは間違いない。私も、ネットで極真とか書かれてる記事を見たら、反射的にすぐ読んでしまう。
では、創始者・大山倍達も含めて、極真の史上最強は誰なのか? そう問われたら、熊殺しウィリー・ウィリアムズの名前を挙げる格闘ファンは少なくないはず。『空手バカ一代』ほか、梶原一騎原作の格闘技マンガや映画の影響もあって、極真空手の人気が全盛期に達してた1980年、アントニオ猪木と異種格闘技戦を行って、乱戦の末に4ラウンド引き分けとなった。
かつては身長196cm、体重100kgの巨体。「熊殺し」という異名は、1976年の映画『地上最強のカラテPART2』で熊と闘ったことから付けられて・・といったニュースが、今日の日本には溢れ返ってる。猪木のコメント、しばらく後に戦った前田日明のコメント等々。
efightの報道によると、「死因はうっ血性心不全。ここ数年心臓を患っており、回復に向かう兆候もあったが帰らぬ人となった」との事。
これらの日本の報道は、元々はオランダの報道が発端で、その後は日本独自の取材で事実確認したようだ(推測)。オランダ語の報道を検索して最初にヒットするのが、上の格闘メディアの記事。これが最初かどうかはハッキリしないけど、おそらく最初のものだろうと思う。今後もし間違いが分かったら、直ちに訂正する。
☆ ☆ ☆
そのメディアの名前は、「VECHTSPORTINFO.NL」。日本語に直訳するなら、「オランダ・格闘スポーツ情報」といった感じだ。フェイスブックの写真を大きく1枚載せてるが、説明の文章は短い。英訳を利用して大まかにまとめると、こんな内容だった。
日曜日に、伝説の空手家ウィリー・ウイリアムズが67歳で亡くなったと発表された。
1979年、ウィリーは世界空手選手権に参加して、準決勝まで進み、「ミカベ・ケイゾー」に敗退(注.三瓶啓二の読み間違いか)。1980年、彼は日本のトップレスラー・アントニオ猪木と東京で闘い、引き分けた。
猪木との試合は、日本におけるプロ格闘技戦のベストに選出されている。日本がベースの格闘団体で13試合を戦った後、1994年に引退。オランダでもトップ選手と闘った。
日本の格闘ファンにとってはちょっと残念なことに、あくまで日本で昔有名だった空手家という程度の扱い。極真空手という名前さえ使われてないし、もちろん「熊殺し」や映画の話も無し。当然、後にバスの運転手になったとかいうエピソードも紹介されてない。
☆ ☆ ☆
下は映画.comより、映画のポスター。松竹=富士映画の配給。「熊殺し」が売りだが、大きな画像はおそらく単なる合成写真。そもそも、これほど高いジャンプは人力だけだと無理。熊は身長2m45cm、体重320kgとされてる。
下の小さな画像は本物の撮影シーンだけど、ケガ防止の対策を取ってると思われる。爪を処理してるとか、麻酔を軽くかけてるとか。熊との死闘(デスマッチ)の評価も、賛否両論というか、あまり高くはない感じだ。
試しに動画を検索してみると、YouTubeで12年前から放置されているものを発見。広告も付いているということは、半ば公認というか、黙認ということと考えて、視聴してみた。
海賊版なのでリンクは付けないが、思ったより激しい闘いで、ウィリーは真剣に攻撃し続けてる。距離を取ろうとせず、ひたすら接近戦を行ってるだけでも凄い。惜しいのは、熊を殺す所まで映ってないことか。
☆ ☆ ☆
日本の報道に一通り目を通した後、英語でニュース検索をかけてみると、実質的にはほとんどヒットせず。同姓同名の有名人のニュースが出る程度だ。
英語版ウィキペディアの項目は一応あるものの、日本版と比べてもかなり貧弱な内容で、注も僅か。英語版ウィキにしては珍しく、ほとんど役に立たない。全盛期から10年以上経った後のマーシャルアーツなどの戦歴が小綺麗に短くまとめられてる程度(9勝4敗、すべて日本)で、最強伝説のイメージとはかけ離れた実績。
極真の第1回世界選手権(75年)は3回戦敗退、第2回は準決勝、第3回(84年)は4回戦敗退。極真空手からUSA大山空手に移って、本業はバス運転手に。
こうしてみると、日本の漫画・映画と猪木戦で熊殺しウィリー最強伝説が築かれてるのが分かる。漫画はかなりフィクションで、映画も半ばフィクションだから、残るは猪木との異種格闘技戦。これもあくまで、グローブとシューズを使用した日本の「イベント」だ。
やはり熊殺しウィリーについては、当時の華やかな写真や活躍の報道だけを目に焼き付けて、静かに合掌するのが最良のお別れの仕方だろう。かつて地上最強と日本で言われた極真空手のレジェンド、どうか安らかに。。☆彡
(計 2028字)
| 固定リンク | 0
« 公園のベンチに座っただけで不審者扱い、普段見ない人がスマホ使ってるから盗撮かも・・という記事の感想とか | トップページ | 東京五輪の聖火ランナー、試しに応募してみようか&小雨よろよろハーフ走 »
「格闘技」カテゴリの記事
- フルコンタクト空手の大会で小学生が後ろから飛び蹴りしてケガ、長引く炎上騒動の感想&レース2日前、プチジョグ(2024.11.15)
- アリス・谷村新司追悼~ボクシングの曲『チャンピオン』の歌詞モデル、カシアス内藤の引退試合(沢木耕太郎『一瞬の夏』より)(2023.10.17)
- アントニオ猪木vsモハメド・アリの真剣勝負、元々の台本は猪木勝利の筋書き(NHK『アナザーストーリーズ』)&ジム2日目(2023.07.09)
- ブルース・リー名言「水になれ!」(Be water)の出典、ロスト・インタビューではなく、ドラマ『Longstreet』&1500m測定(2023.02.07)
- アントニオ猪木、79歳で永眠、海外の反応とか&自転車で多摩川上流、4年ぶり(2022.10.03)
コメント