映画の原作マンガ『アルキメデスの大戦』、天才数学者・櫂直の計算をチェック
今さら言っても遅いけど、どうも結果的に、私の狙いがピント外れだったかも (^^ゞ 天才数学者が活躍する物語ということだったから、『ガリレオ』とか『ハードナッツ』くらいの数学的内容があるのかと思って、原作をチェック。実際は、単純な算数の計算ばかりだった。桁数が多くて暗算しにくいだけで、基本的に、自然数かプラスの小数のかけ算、割り算なのだ。
映画公式サイトの数学クイズも、全5問の予定中、4問まで公開されてて、すべて小学校5年~中学2年程度のレベル。まあでも、せっかく調べたからには記事にしないと大損・・と思うのが小市民ブロガー♪ 以下、簡単に書いとこう。
☆ ☆ ☆
ではまず、第1巻から。映画公開キャンペーンということか、Yahoo!のebookで無料公開されてたから、全体を流し読みできた。ただ、第1巻ではまだ数学の話がちょっとしか出てない。ちなみに原作者は三田紀房で、今も週刊ヤングマガジンで連載中。
「昭和8年の国家予算は22億5466万。藤岡案建造費1億3500万は5.9%にあたる」(説明文)
実際にパーセントの計算をしてみると、1万を基本的な単位として、
13500÷225466×100=5.987・・・
これは普通、数学でも、自然科学や社会科学でも、6.0%と近似するはず。ところがマンガは、小数第2位以下の大きい数を切り捨てて5.9%としてある。多分、記念すべき最初の計算だから、わざと分かりにくい小数にしたんだと思う。
☆ ☆ ☆
上に続いて、「これを現代の国家予算に当てはめると5兆6841億円」(説明文)。
「現代の国家予算」というのは、漫画連載時だと2015年の96兆3420億円。1億円を基本単位として計算式を立てると、
963420×5.9/100=56841.7・・・
1000万の位を四捨五入したら、5兆6842億円だけど、ここでも切り捨てを使ってる。先に割り算して近似した後にかけ算をするという発想もちょっと不自然だけど、まあマンガのコマ割りの問題と考えとこう。
さらに、「かたや平山案は6890万」(櫂直=かいただしのセリフ)。「現代換算なら約2兆8902億円」(説明文)。
これも2回に分けて計算してるようだ。
6890÷225466×100=3.055・・・
切り捨てで、約3.0%だから、現代の予算をかけると
963420×3.0/100=28902.6
再び切り捨てして、2兆8902億円とされてる。
そして、「3倍」(櫂のセリフ)。「現代換算で約8兆6706億円」(説明文)。
28902×3=86706
これは単に、そのまま3倍しただけの値だ。
この後、簡単な割り算が2つあったけど、省略しとこう。
☆ ☆ ☆
では、一気に話を飛ばして、最新の連載から。これはちょっと面白くて怪しい=妖しい話だ。
米国が誇るゴールデン・ゲート・ブリッジの総工費を、日本の軍艦と同様に見て計算してある。こんな大まかな近似計算を、現場で本当にやるのかどうかは不明だし、色んなケースで上手く当てはまるのかどうかもビミョー。
「橋桁の高さも『飛龍』と同等 227.5メートルとして 飛龍の公試排水量2万16.5トン 1メートル当たりおよそ88トンとなる」(櫂のセリフ)
20016.5÷227.5=87.98・・・
1巻だと切り捨てしてたのに、ここではなぜか普通に近似して(=まるめて)、88としてある。
「金門橋の場合 場所によって密度が異なるので 平均を求めて0.45で計算するなら 1mあたり およそ40トンの鋼材」(櫂)
88×0.45=39.6
ここでは普通に四捨五入して、40としたらしい。
☆ ☆ ☆
「この橋は 全長2.737キロ・・・鋼材の総量は 10万9480トン」(櫂)
40×2737=109480
「戦艦『長門』の公試排水量は4万3589トンで 建造費は4390万円 単純計算で1トンあたり1007円」(櫂)
43900000÷43589=1007.1・・・
普通に四捨五入しても、切り捨てでも、確かに1トン1007円。この後、本来なら、橋の鋼材の総量109480トンと掛け合わせて総工費を概算する。
1007×109480=110246360
つまり、1億1024万円(または1億1025万円)になるはず。
☆ ☆ ☆
ところがマンガでは、1億773万円と書いてたのだ。これに600万円の物価変動をプラス・マイナスして、1億173万円から1億1373万円。
おそらく原作者か計算担当者は、109480トンを掛けるべき所を、間違えて106980トンを掛けてしまって、四捨五入したんだろうと想像する。試しに「アルキメデスの大戦 計算」でツイッター検索すると、現在何もヒットせず (^^ゞ 「ミス」で検索しても、つぶやきゼロ。「間違い」でも、実質的にはゼロ。まあ、過去も大体そうだった。マジメに計算を気にする人はほとんどいない。
逆に言うと、ガリレオはいまだに数式の検索が入るから、それだけ人気とインパクトがあるということか。『アルキメデスの大戦』も、映画はわりと難しそうな式を出してたみたいだから、盛り返しに期待しよう。
映画公式サイトの数学クイズの問題5にも期待しつつ、それでは今日はこの辺で。。☆彡
(計 2142字)
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