『M 愛すべき人がいて』~浜崎あゆみ&エイベックス会長・松浦勝人(マサ)の「事実に基づくフィクション」
(☆20年4月23日追記: ドラマ第1話のレビューを新たに別記事としてアップした。
浜崎&マサ(avex会長)、B級の妖しい魅力~ドラマ版『M 愛すべき人がいて』第1話 )
amazonの電子書籍サービスkindleを使うようになって、売れ線の本の立ち読みは無料サンプルで済ませることが増えてる。ログインしてれば、ボタンを1回押すだけでダウンロード。あまりに手軽だから先日、間違えて購入ボタンを押してしまったほど (^^ゞ 慌てて取り消すのに苦労したって話はまた後ほど、別記事にまとめる予定(セコッ・・)。
ただ、売れ線でない本や古い本は無料サンプルが無いから、本屋で立ち読みするか図書館で借りるか、洋書ならGoogle booksとかで無料公開を探すか♪ 無料ばっかか! いや、本を買うことには抵抗ないんだけど、だからこそ買い過ぎて家がパンク状態になってる。マジでヤバイから、最近は極力、本を買わないようにしてるわけ。
それでいて、本より遥かに邪魔くさい新聞の購読は続けてる (^^ゞ マジメに全体を読むと、1ヶ月4000円の価値は十分あるし、電子版だけにしてもほとんど安くならないから、紙で契約した方がお得。最近は記事内容に引っかかることも多いけど、毎日の忍耐力トレーニングってことで♪
☆ ☆ ☆
さて、浜崎あゆみなんて今までブログに書いたかな?・・と思ってブログ内検索をかけてみると、過去14年間、5000本超の記事の中で数本がヒット。ただし、レビューは無し、単なるコネタ中心で、正直今まであんまし興味は無かった(失礼)。
同時代の大物ライバル・安室奈美恵と違って、曲もほとんど知らない・・っていうか、曲名もメロディーも一つも浮かばないほど♪ 紅白歌合戦のやたら後ろが長いウェディングドレスなら覚えてる(古っ・・)。
ただ、歌姫の顔と名前はあちこちで目にするから、自然と頭にインプットされてる。先日からは、暴露本(?)出版とかいう話がネット上で溢れてたから、ブログのコネタに使えるかな?・・って程度の興味で無料サンプルをダウンロード。「日本文学」カテゴリーでベストセラーランキング1位☆
売れ線の企画が上手い幻冬舎による、『M 愛すべき人がいて』。著者は浜崎あゆみ・・じゃなくて小松成美(こまつなるみ)。19年8月9日現在、浜崎のインスタやツイッターには情報が見当たらないけど、小松のツイッターでは軽くPRされてる。
驚いたのは、暴露(?)されたエイベックスの代表取締役会長CEO、松浦勝人(まつうら・まさと)のインスタグラム。本の表紙に使われた写真が堂々と、直近の投稿になってた(上図)。コメントは何もつけてないけど、本人提供の写真って話は事実なわけか。
それどころか、過去記事を探ると、本の中に出てたわりと最近の「壁ドン」写真もあった。2018年秋に壁ドンっていうのは、恐ろしく流行遅れだと思うけど、それを逆手に取ったレトロギャグなのかね♪ まったく社長っぽくない、むしろ少年みたいな感じが彼のウリの一つらしい。ちなみに現在、松浦54歳、あゆ40歳♪
☆ ☆ ☆
本題に入ろう。ノンフィクション小説の冒頭、序章よりも前の扉には、「事実に基づくフィクションである。」と一言だけ書いてた。
一方、本の末尾には1ページだけ、浜崎自身の言葉がある。リアルとファンタジーの融合で、どこまで本当かは自分たちだけが分かってればいい。ただ、一生に一度、自分の身を滅ぼすほど、ひとりの男性を愛したと。
ということは、私は無料サンプルだけじゃなく、実物の本も立ち読みしてしまったのだ。しかも超珍しく、最初から最後まで(コラッ・・笑)。20分くらい、書店員の冷たい視線を背中に浴びながら♪
いや、浜崎にあんまし興味がなかった私でも、面白くて止まらなかったわけ。平成の全体を駆け抜けた超有名人2人の恋愛話として。また、浜崎本人による心情豊かな自伝として。1ページあたり、38文字×15行=570文字。200ページちょっとだから、11万字ちょっと。空白部分がかなりあるから、実質的に7~8万字かな(細かっ・・)。
マニアック・ブロガーとして気に入ったのは、フィクションと言いつつ、簡単に確認できる本当の年月や具体的エピソードが溢れてる点。ウィキペディアの来歴と比較しても完全に合ってるし、本に書いてた銀座のお店でのお食事も、本人のインスタで確認できた。確かに、会長を「マサ」と呼んでる。マサは少年みたいな服装なのに、あゆは大人の女のミニドレス。
☆ ☆ ☆
無料サンプルで読めるのは、「序章 Mとの再会」。何気なく、こんな分かりやす過ぎる説明もある。「Mは、マサの頭文字。マサは、私の愛した人」。Mが携帯の登録名だということも、エイベックス取締役会長CEOという肩書も書いてたから、完全に名指し状態。
日本に帰国した時、思いがけずマサが空港で一人で出迎えてくれたのを見て、「嬉しさの涙がせり上がるのを止められなかった。この人のために、この人と過ごすために、私は生きている。そう考え呟いた歳月は昨日のことのようだ」。。
そこまで書いていいの? 私はすぐ、マサの家族関係を調べたけど、再婚して子ども3人かな。おまけに奥さん・畑田亜希の写真は、浜崎ソックリと言っても言い過ぎじゃないほど、よく似てる。奥さんの許可は得てるのかね? 子どもがどう思うのかも、ちょっと心配。お父さんに似た人の小説というより、お父さん自身に関する現在進行形の恋愛ノンフィクションだから。
浜崎は2回結婚して離婚してるようだから、現在はバツニの独身、子ども無しが事実か(ハーフの隠し子とかの噂あり)。まあ、新しい恋人のウワサは流れてるけど、仮にそれが本当として、その彼はこの本をどう思うのかね。本人から直接聞いてるから驚きは無いのかな? それも個人情報保護的にちょっとビミョーかも。
そう言えば、浜崎のお父さんの思い出もちょっとだけ書いてあった。小さい頃、突然いなくなったお父さんの代わりがマサ。ファザコン的な愛だったからこそ、別れて間もない頃、心理的ストレスも加わって内耳性突発難聴になったのかも。
☆ ☆ ☆
男の私が読んで一番インパクトがあったのは、松浦氏が本名・濱﨑歩(はまさきあゆみ)を見初めてからの、遠大なプロデュース。ちょっと可愛いコがいたから試しに売り出してみたって程度の話ではない。
ジュリアナ東京の後を継ぐ形の巨大ディスコ・ヴェルファーレのVIPルームで出会ってから、足かけ3年(!)もかけてCDデビューさせてる。その間に、ニューヨークで単身修行させたり、歌手としてのレッスンを積ませたり、大掛かりなプロデュースを企画・実行したり。マサは最初、あゆの顔も名前も忘れてたらしい(笑)。いくらでも周囲に若い女の子がいたと。
ところが途中、浜崎の方から実名の手紙で告白すると、離婚直後だったマサは当時の彼女とも別れて、いきなり双方の親に交際宣言までしたらしい。完全に本気モード。ちょっと、小室哲哉と華原朋美の関係を思い出す所でもある。身分の差も年齢差もほぼ同じ。
面白いのは、浜崎の自虐ネタみたいなものもかなり入ってること。子どもの頃から協調性がないし、友達も少ないし、歌も下手だったし、「バカ」扱いされたし(笑)。当初は業界内で、周囲の人達の評価も低かったような話も繰り返し書かれてた。あのコは売れないよ、ハズレだよ・・って感じ。
そんな中で、強烈にプッシュし続けてくれたのがマサだったからこそ、後のエイベックス内部の争いでも、浜崎は松浦擁護に回ったわけか。意外とあっさり別れた後も、浜崎はアルバムのクレジットに、「max matsuura」のプロデュースだと書き続けてたらしい。それがマサの心の支えにもなってたと。
要するに、ある意味、ずっと愛し合って来たわけだ。どっちも、その時々で家族や恋人がいたにも関わらず。四半世紀、足かけ25年もの大恋愛。。
☆ ☆ ☆
ちなみに去年の秋、安室奈美恵は惜しまれつつ引退したけど、浜崎はこれからもずっと歌い続けるつもりらしい。マサが今後もずっと(20年後の還暦まで?)支えてくれるとの事。
いずれ、松浦氏の側からも「事実に基づくフィクション」が出版されると興味深い。例えば、子ども(後継者)に対する価値観の相違とか。 ひょっとすると、あゆのプロデュースが軌道に乗ったから自分は身を引いた・・って感じの話が出て来るのかも。経営者としても一回り年上の男性としても、納得できる選択だと思う。
そんな想像もできるような良好で親密な関係に戻れたからこそ、こんな詳細な打ち明け話も出版できたわけだろう。恨みや不満なんて微塵もなくて、むしろ信頼や深い愛を感じる物語だった。
私は全く知らなかったけど、自作とされる歌詞がたっぷり掲載されてたから、その時々の恋愛模様と比較するのも面白い。もちろん、個人的な背景とは別の独立した詩として、独創的イマジネーションとして純粋に味わうのもアリ。その種の話は、芸術・アートの解釈に付き物だ。例えば、ダヴィンチのモナリザは実は・・って感じの蘊蓄(ウンチク)的説明とか。
☆ ☆ ☆
というわけで私としては、自慢とか痛いどころか、予想外に面白かったし、浜崎あゆみに対する印象が大幅に良くなった。(安室と違って)最初からビビリつつグループ活動やユニットを断ってるのも潔いと感じた。その意味では、エイベックスの再プロデュース戦略に見事にハマってしまったのかも♪ まあ、今のところ、無料サンプルと立ち読みで応援するのみだけど(笑)
それにしても、超大物の男は何でも手に入るんだなと改めて嫉妬・・じゃなくて感心しつつ、単なる小市民の感想はそろそろこの辺で。。☆彡
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(追記82字 ; 3972字)
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