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台風19号による多摩川の水害(浸水)、武蔵小杉駅とタワマンの標高と水位(19年10月)

自分が立ってる場所や住んでる家の標高は、普段ほとんど気にしないと思う。私の場合、ランニングや自転車をやってるから、道路のアップダウンにはわりと敏感だけど、場所の移動をしてない時には気にしない。

  

今回、「高さ」について調べた直接のキッカケは、19年10月16日の朝日新聞・夕刊の記事だった。ネットでは前日に公開されてたらしい

  

  

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外観写真を見ても、すぐにはピンと来ないだろうけど、栃木県のこの家、周囲より1mほど敷地をかさ上げして建ててる。そのおかげで10月12日の夜も大丈夫で、2台の自動車から避難者が飛び込んで来たとのこと。

   

もともと川底だった土地だから、万一に備えて土台を付けといたら、避難用の「浮島」になったと。なるほど。このちょっとした高さの配慮が、人命を左右したわけか・・と感心したのだ。

     

たまたま友人が、多摩川近くのある施設の被害についてたずねて来てたから、標高を調べてみると、ちょっとだけ小高い場所になってた。その辺りの台風通過直後の航空写真を見ると、泥の汚れは見えない。実際、その施設は普通に営業を続けてたようだ。多摩川と支流・野川に挟まれた、ハザードマップでも警戒されてるエリアなのに。。

   

    

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さて、高さといっても、この場合に重要なのは2階とかじゃなくて、基礎の部分の高さ。その意味では、かなりの報道があった武蔵小杉駅あたりのタワーマンションの被害と関係がある。タワマンは高くそびえ立ってるけど、浸水したのは一番下の部分。それだけで、上側全体に深刻な影響が出てしまった。

  

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上は、台風が通過して、水も引いた直後の10月13日・午前10時ごろの航空写真(国土地理院HPより)。朝日でタワマン群の影が長く伸びてる中、武蔵小杉駅から線路が続いてる。これは縮小コピペだけど、実際の画像は遥かに高精細で、冠水の泥や砂が残ってる様子まで見えた。と言っても、千曲川の決壊とかと比べると被害は小規模。

          

被害があったマンションの名前は、マスメディアはどこも出してないから、ここでも書かない。ただ、ネット(特にSNS)では早くから拡散して、建物や被害状況に関する誤報(Yahoo!も含む)とか、その訂正まで残ってた。

    

下はGoogle Earthの画像で、今回の水害とは関係ない、普段の航空写真。3Dで角度をつけると、少し向こう側に多摩川や田園調布が見える。川が大きくS字に蛇行してるから、コーナーの外側に向けて川が氾濫しやすい。

   

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ちなみに、この3D画像。つい先日まで、当のマンション名が表示されてたようだけど、今では(ハッキリとは)映らなくなってる。流石にGoogle、その辺りの対応の速さは見事と言うべきかも。

   

   

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武蔵小杉駅あたりの標高は、国土地理院の地理院地図であちこち見ると、大体7mちょっとくらいだった。

   

先に結論から言うと、この武蔵小杉の標高は、氾濫時の水面の標高より数mほど低い。ということは、堤防から「越水」して来た水が押し寄せて来るのは自然。

  

☆追記 10月19日の朝日新聞・夕刊によると、中原区では、水は下水管を逆流して「内水氾濫」した可能性が高いとのこと。その場合も水位がポイントになる。)

  

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上は付近の多摩川の断面図(国土交通省・川の防災情報HP)。細くて赤い横線に沿って、図の右に1kmほど進んだ辺りに、武蔵小杉がある。左上の小高い場所が田園調布で、以前のNHK『ブラタモリ』でも、多摩川を見下ろす眺めの良さが強調されてた。実は、「多摩川の」洪水にも強いことになる。ただし、田園調布の北西側は、支流の「丸子川」が氾濫した。

   

図の上側、細くて赤い横線が、はん濫危険水位8.4m。この場合の水位は、川底に近い場所から測った高さだから、普通の標高に直すと7.3mになる。武蔵小杉駅やタワマンの下側とほぼ同じ。

   

したがって後は、増水した川が堤防(水位12m、標高11m、サイクリングロード)を越えるかどうか。12日夜から13日未明にかけての水位は、最高で11m弱、標高に直すと10m弱(下の表)。ギリギリ大丈夫のようにも思えるけど、実際は津波みたいに波打ってるから、堤防を越えてしまったわけか。

  

☆再び追記 上でも追記したように、下水管を逆流した内水氾濫らしいとのこと。)

     

標高だけまとめると、川・10m超 → 堤防11m → 武蔵小杉7m。堤防から4m下の武蔵小杉に流れ込んで行ったと。氾濫のピークが8時間ほどあるから、水が1km進むのは納得。

            

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ちなみにその時間帯は、NHKテレビなどで多摩川の様子が映ってたけど、東京側(「玉川」~玉堤地区)が多かった気がする。武蔵小杉は川の反対側、神奈川県なのだ。

      

   

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なお、川崎市のハザードマップを見ると武蔵小杉駅あたりはなぜか警戒区域(赤いエリア)に入ってない。ということは、標高だけでなく、川の流れ・曲がり方や堤防の高さ、横幅、川からの距離なども考慮してるわけか。

   

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私自身が今住んでる場所は大丈夫そうだけど、実家がかなり危ない場所で、去年の西日本豪雨の時にも本当にギリギリだった。集められる情報は集めて、出来ることはして、備えるしかない。明日は我が身。

  

一刻も早い被災地の復旧・復興を祈りつつ、ではまた明日。。☆彡

   

      (計 2159字)

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