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数学甲子園2019予選、解き方と感想2(問題1~6)

19年10月29日、公式サイトで数学甲子園2019の予選の問題と模範解答(最後の答だけ)が公開された。私が気付いたのはその日の夜遅くだったか。春まで公開されないかも・・と思ってたので、意表を突かれた。

  

今年は、SNSで予選問題が流出するという、初めての(?)不祥事が発生。ひょっとしたら、ずっと問題を公開しないかも・・と思ってたのだ。

  

191031a

  

今年はその後、「特別対応」で実施したそうだけど、ほとんどの高校生がスマホその他の端末を持ってて、LINEやツイッターを使ってる現在、同じ問題で日にちをずらして全国で予選を行うという形は、無理がある。すべての会場で(ほぼ)同じ日時に行うのが理想。もし、違う日時にせざるを得ないのなら、問題を変えるとか、対応を考えるべきだろう。

   

  

     ☆     ☆     ☆

公開された全問題を見て、なぜ不祥事が起きたのか、ちょっと分かったような気がした。毎年すべて自分で解いてブログ記事にしてる私の目で見て、今年は難しすぎると思う。特に、簡単だった昔と比べると、雲泥の差。

    

20問で1時間なら、1問あたり3分。実際の問題の平均的レベルだと、1問あたり5分でもいいはず。その方が得点分布がキレイになって、予選として上手く機能する。全20問の中には、簡単なのもあるけど、普通の「大学生」が10分かけても解けない(or間違える)ような問題がかなり入ってる。流出の背景には、先に予選を受けた参加者の衝撃や不満があったのではないか。

   

とにかく、今日は時間がない中、最初の6問の解き方と感想だけ、簡単にまとめとこう。ちなみに、正答率が低くて先に公表されてた問題16については、9月の本選直後に解説記事をアップしておいた

   

   

     ☆     ☆     ☆

問題1 次の式を因数分解しなさい。

 a²(c-b)+b²(a-c)+c²(b-a)

   

解答 (与式)

=(cーb)a²-(c²ーb²)a+bc(cーb)

=(c-b){a²ー(b+c)a+bc}

(aーb)(bーc)(cーa) ・・・

   

感想 これはウォーミングアップ用のサービス問題。ただ、解くスピードで差がついたか。与式は、a→b→c→a→b・・の順に並ぶ「輪環形」で書くと、a²(-b+c)+b²(-c+a)+c²(-a+b)。こう見えた人は、一瞬でいきなり答を書き込んだかも。

    

  

   ☆     ☆     ☆

問題2 数学定数の1つにネイピア数eがあり、その値は e=2.718281828459 と無限に続きます。eを近似する循環小数2.718281828・・・を既約分数で表しなさい。

  

解答 10000e-e=27180.1

∴ 99990e=271801 

∴ e=271801/99990 ・・・

  

感想 これもサービス問題。ただ、「既約分数で」と指示されてるから、99990=2・3²・5・11・101と素因数分解して、271801と比較する必要がある。11と101は、惜しくも共約数にならない。実際には、チェックせずにたまたま合ってた参加者が多いかも♪

  

  

   ☆     ☆     ☆

問題3 下の枠内の文章は、図の円柱、球、円錐の体積や表面積について述べたものです。ア、イにあてはまる数をそれぞれ求めなさい。 (枠内 円柱、球、円錐の体積の比は3:2:1で、表面積の比は3:ア:イです。)

 

191031b

  

解答 (円柱の表面積)

=2πr²+2πr×2r=6πr²

(球の表面積)=4πr²

一方、(円錐の母線)=r√5cm

「円錐の展開図の扇形の中心角」

をa°とすると、

2πr√5×a/360=2πr

∴ a/360=1/√5

∴ (円錐の表面積)

=πr²+π(r√5)²×1/√5

=(1+√5)πr²

以上より、表面積の比は、

6:4:1+√5

=3:2:(1+√5)/2

∴ ア=2、イ=(1+√5)/2 ・・

   

感想 時間に追われる中、円錐の計算にはちょっとプレッシャーがかかる。公式は一応あるけど、使う機会が少ないから、覚えて実際に使える人はごく少数だろう。円柱の表面積で、円を1つ足し忘れるというのもありがちなミス。

   

   

   ☆     ☆     ☆

問題4 3辺の長さがそれぞれAB=331、BC=341、CA=21である△ABCの内角の大きさを∠ABC=x°、∠BCA=y°、∠CAB=z°とします。このとき、x、y、zの中に、値が整数であるものが1つだけ存在します。それはどれですか。また、その値を求めなさい。

  

解答 cos∠BCA

=(341²+21²ー331)/2・341・21

=7161/(2・7161)=1/2

よって、値が整数であるものは

値は60。・・・

   

感想 カンタンな図を書くと、xは小さすぎるから、yが60か45、あるいはzが120か150なんだろう・・といった想像はつく。それにしても、余弦定理を用いた算数の計算も、時間が無い中だと間違えやすい。

   

  

    ☆     ☆     ☆

問題5 1辺の長さがaである正四面体Aと、1辺の長さがaである正八面体Bがあります。Bの体積はAの体積の何倍ですか。

  

略解 直角三角形に着目、三平方の定理

で計算して、Aの高さは a√6/3。

底面積は、a²√3/4。

∴(Aの体積)=a³√2/12

一方、Bの半分(四角錐)の

高さはa√2/2。全体だとa√2。

∴(Bの体積)

=a²×a√2×1/3

=a³√2/3

以上より、Bの体積は

Aの体積の4倍。 ・・・

   

感想 これも、3分で正確に計算するのは大変。出て来た答の4倍も、ちょっと大き過ぎるような気がするし、あまりにキレイな答で不安になるところだ。

   

  

    ☆     ☆     ☆

問題6 正六角形の板があります。その各辺に、以下の規則で赤、青、黒のいずれかの色をぬるとき、全部で何通りのぬり方がありますか。 (枠内 ・必ずしも3色すべてを使う必要はないが、隣り合う辺は別の色にする。 ・回転して同じになるぬり方は同一のものとして、区別しない。 ・裏返してはじめて同じ色の配列になる鏡像体は、別のぬり方とする。)

   

解答 下図の場合分けと数え上げより、14通り。 ・・

  

191031c

   

感想 何色使うか、また、それぞれの色を何本の辺で使うかで場合分けした。もし時間15分なら、シンプルで考えさせる良問だと思う。実際は、この問題に回せる時間はせいぜい5、6分のはず。ちなみに、私がこの分類方法に気づいたのは、考え始めて10分ほど経った後。実戦なら捨てて、ほぼカンで書いて間違えたと思う♪ イメージ的には10通りくらいに感じた。

   

というわけで、今日のところはこの辺で。。☆彡

  

  

cf. 数学甲子園2019予選、解き方と感想3(問題7~12)

   

     (計 2602字)

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コメント

受験生全員の正答率が1%台の問題が2問ありました。問8(1.4)、問11(1.3)でした。
「不祥事」の件、今回は当該の3問を採点対象外としましたが、深刻です。性善説で想定していませんでした。

投稿: gauss | 2019年11月 1日 (金) 01時30分

> gauss さん
  
こんばんは。またコメント入力に成功しましたか♪
貴重なご報告で、ありがたい事です。
   
以前より少し入力しやすくなってるのかも知れませんね。
僕自身はいまだに普通の入力はできませんが (^^ゞ
   
問8と問11が正答率1%台?!
それは問題作成の側も深刻かも♪ 難し過ぎですよね。
平均点と最高点も分かるようでしたら教えてください。
入力できればの話ですが。
「当該の3問」も公表されたんでしょうかね。。
  
ちなみに、性善説と性悪説はある意味、
同じ一つの現実に対する2通りの表現でしょう。
  
多くの生徒は善いけど、一部の生徒は悪い。
個々の人間において、多くの部分は善いけど、
少しの部分は悪い。
   
時間的な変化と人口の多さを考えると、
これだけでもう大変な現実社会が生じます。
時間が無制限にあっても、難問ですね。。☆彡

投稿: テンメイ | 2019年11月 1日 (金) 03時17分

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