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Voila!(ヴワラ:ほら、ここを見て)、男の浪漫(romantique)~『グランメゾン東京』第8話

フランス語がちょっとしか使われなかった第8話。最大のポイントはもちろん、次のカットだ。Voila!(ヴワラ:ほら、ここを見て)♪

      

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本来なら、尾花(木村拓哉)がカッコ良く決めてるバイクのシーン。後ろ姿のまま、右手の三本指でミシュラン三つ星を取ると誓う。右足で後輪用フットブレーキを踏んで、赤いテールランプが点灯。ツイッターには、最高!って感じの視聴者の賛辞が溢れてる。

   

一方、自分でバイクに乗ってる「RUN&BIKE」管理人の目線は、「止まれ」の赤い道路標識を見た後、タイヤと白線に向かうのだ。一時停止の白線を超えてるように見える(笑)。そこか!

   

着地してる左足とか、バイクの影に注目。望遠レンズでかなり後ろから撮影してることを差し引いても、三叉路みたいだし、あと2mほど手前で止まらなきゃいけない。おまけに、右端にネズミ捕り用の監視員が隠れてるようにも見える(細かっ・・♪)。

  

キムタクと演出の塚原あゆ子が警視庁から注意を受けないことを祈ろう。まあ、使用許可申請で、道路交通法の適用外になるのかも知れないけど♪ ちなみに、バイクの車種は今のところ不明。わざと数十年前の古いハーレーとか使ってるんだと思うけど、エンドロールにハーレーとかホンダの名前は出てなかった。案外、年配スタッフの私物とか。

   

  

    ☆     ☆     ☆

さて、たまにはオートバイの話も書いてみた後、本題のフランス語♪ 今回、リンダ真知子リシャール(冨永愛)の台詞の聴き取りで、1時間ほど使うことになってしまった (^^ゞ 暇人か!

   

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パリのナッツ混入事件の犯人が祥平(玉森裕太)だと、栞奈(中村アン)に聞いた直後。祥平が働いてたグランメゾン東京と、祥平を今かくまってるgaku、どちらも世界のレストラン・トップ10に入れてしまった真知子は、倫子シェフ(鈴木京香)のインタビューを録音したレコーダーをハイヒールで踏み潰して叫ぶ。「ほーら、気持ちいいだろ♪」。そっちか!

    

画面下のテロップは、「バカにするのもいい加減にしてほしいわ」。私の耳には、「ジャネルーズ! イルシュフィ・ムワ」って感じに聴こえるけど、いくら仏和辞典を調べてもピッタリ来る言葉は見当たらない。日本語を色々言い換えて、和仏辞典も使ってみたけど、どれも失敗。間投詞(interjection)や、ののしり言葉(juron)を調べてもダメ。

  

1つ目の台詞の最初は Je(私)かな? それが次の単語とつながって音が変化してるとか。例えば、J'en(ジャン)。2つ目の台詞の前半は、もう十分だって意味の動詞 suffire の変化か、形容詞 suffisant かも知れないけど、自信ないし前後も不明。試しにノベライズ本の上巻を本屋でチラ見してみたけど、ほとんどフランス語は書かれてないようだった。

  

後は、ヤフオクかメルカリで台本を探すとか♪ 黒岩勉が日本語で書いた脚本を、現場で冨永がフランス語にしたのかも。インスタグラムには、ヒールのブランド名ならあった。キレるリンダ(笑)、louboutin world(ルブタン・ワールド)。お好きな方はハイヒール買うと使えるかも♪ 何に?! 最新ツイートは、ピンクのヒールでスピーカー踏んでた。

  

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    ☆     ☆     ☆

逆に、すぐ分かる親切なフランス語は、相沢(及川光博)が尾花に柑橘系ハーブ(?)を渡した時の台詞。

 Voila!ヴワラ: ほら、ハイこれ)。

  

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この単語、先日買った最新の「英和」辞典に載ってた♪ 英語圏でフツーに使われるようになったと。エライぞ、『三省堂ウィズダム英和辞典』第4版(2019年)! 下はオンライン・サービス「Dualウィズダム」の使用例。発音は似てるけど、英語だと「ラー」と語尾を強調。音声まで聴けるのも、いいね。

    

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ちなみに、より近くを表すとされるフランス語「Voici」(ヴワシ)は英和辞典に載ってないから、やっぱりヴワラの方がメジャーなのだ。発音もしやすいし、日本語の「ほら」に似てるのも偶然じゃないと思う。

   

   

    ☆     ☆     ☆   

このヴワラ。何気ない日常会話の一言に見えて、実は奥が深い。というのも、元々はvoir(見る)という動詞とla(そこ)がつながって出来た言葉だから(『ロワイヤル仏和中辞典』&『クラウン仏和』冒頭説明)。今では「そこ」というより、「ここ」を指す用法が増えてるから、「ほら、ここを見て」という意味なのだ。

   

見て欲しい「ここ」とは、どこか? それはまず、こちらにいらっしゃるお店のお客様。味覚、好み、体調、どんな方なのか。「ここにいる俺を見てない」と感じたからこそ、潮卓(木場勝己)はグランメゾン東京の料理をボロクソにけなしてた。特に、ホール係の京野(沢村一樹)を。あの暴言こそ、ヴワラ=ここを見て、という意味の日本語だ。

   

「ホールの声は神の声」と認められるためには、ホール担当係は、神様であるお客様の声をしっかり聞く必要がある。実際はそんな余裕なくても、少なくとも建前上は♪

  

その点、すぐに元・師匠、潮卓の異変に気付いてたのは、元・弟子の尾花。主役のヒーローだから(笑)・・じゃなくて、昔のビーフシチューの味を覚えてたから、ちょっと違うと感じたわけだ。大満足して顔を上に向けかけたのに、途中で顔が止まってた。その後、冷蔵庫で超薄味の味噌汁を発見して、師匠の味覚障害を確信する。

   

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     ☆     ☆     ☆

もちろん、「ここを見て」という時、別に身体や料理だけを指してるわけじゃない。オレの生きざま、男の浪漫(ロマン)を見てくれ。だからこそ、尾花は古いバイクを修理して走らせてた。バイクは、師匠のロマン。いつまでも現役で頑張る師匠を見たいのは、弟子のロマン。

   

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「浪漫亭」(ロマンテイ)とは明らかに、フランス語「romantique」(ロマンティック)、「romantism」(ロマンティスム)を意識したテンメイ・・じゃなくて店名♪

  

ロマンティックとかロマンという言葉は、日本では流行らなくなってるけど、近い言葉だと「夢」か。自由と理想を求めて、遠くをみつめる様子を広く指す。

    

もう少し細かく言うと、伝統や形式にとらわれず、内面の感情を重視。確かに、ミシュラン三つ星とか流行とか全く追わないレトロな洋食フレンチは、昭和の料理人のロマンだろう。

   

負け惜しみに聞こえるかも知れないけど、10人の常連客の一人一人に満足してもらえれば十分。可愛い娘(伊藤歩)もちゃんと面倒みてくれるし、立派に育った弟子も親切だし。感情をあらわにするのも、人間の本性=自然の姿なのだ。

   

    

    ☆     ☆     ☆

ただ、夢見る人は、現実への合理的対応がおろそかになる。心筋梗塞の薬なんて飲んでられるか!・・と無視してると、突然倒れてしまったりする。精神的な自由の裏側には、身体的な限界、経済的な制約とかもある。尾花のパリでの現実逃避も、ロマンティストのネガティブな側面だろう。

  

ロマンティックな生き方では、恋愛を重視するのも特徴。尾花も要するに、密かに愛する倫子に三つ星を取らせるために努力してるわけだ。そして、お客様一人一人の「美味しい」を大切にするという普通の姿勢だけで三ツ星を取ろうとするのは、倫子のロマン。ライバルの尾花を追い出した後、倫子の家で2人きりで仲良くしたいというのは、京野のロマン♪

  

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SNSの素早い一口コメントと拡散リツイートが全盛の時代に、遅くて長いブログ・レビューを続けるのは、平成ブロガーのロマンなのだ♪ インタビュー場面で、向こう側にいた美女に目が行ってしまうのもロマン(笑)。ツイッターにもインスタにも情報が無いけど、末岡いずみか粕谷奈美かな。こう書いてれば読んでもらえるかもと思うのも、小市民のロマン♡ 小さっ!

    

一部の特殊な女子たちなら、最後の尾花&京野のじゃんけん仲良しシーンにロマンを感じたはず♪ フツーの男目線だと、むしろ『美味しんぼ』の細かすぎる解釈で論争して欲しかったかも(笑)。『ビーチボーイズ』のライダーマン論争か! それでは今日はこの辺で。。☆彡

   

   

   

cf. Allez!(さあ)Bon appetit♪(召し上がれ)~『グランメゾン東京』第1話

 女(ナス)に動かされる男たち~第2話

 ジビエ(狩猟)の基本はシルヴプレ、お気に入りになること~第3話

 『マリクレール』記事とコースメニュー、フランス語の和訳など~第4話

 「ピーナッツオイルもセロリも大切に」(パルマンティエ尾花)~第5話

 C’est super、最高のものとの出会い=衝突~第6話

 Promis!(プロミ:約束するよ、フィアンセ♪)~第7話

 ワイン名「Brise.」(ブリーズ:そよ風よ、店をぶち壊せ)~第9話

 thons vagues(トン・ヴァーグ:ぼんやり彷徨う大物マグロ達)~第10話

 mariage de la diversite(マリアージュ・ドゥ・ラ・ディヴェルシテ)、多様性の結婚~最終回

   ・・・・・・・

 パリでキムタクが乗った電動キックボード、Lime-S(『グランメゾン』)&12km走

   

      (計 3517字)

    (追記125字 ; 合計3642字)

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