小学校『5、6年のプログラミング ドリル』問題と解き方4、アルゴリズム、移り変わり図
この3ヶ月で、小学生向けの学習参考書『5、6年の楽しいプログラミング ドリルの王様』(新興出版社)について、問題と解き方を紹介する記事を3本書きました。
1本目の記事へのリンクはここです。2本目へのリンクはここです。3本目へのリンクはここです。
今日はそれらの続きとして、4本目の記事を書きます。はじめの2回で大まかな説明はしてるので、今回もすぐ問題に行きます。問題文の書き方は少し変えてます。
☆ ☆ ☆
では、第1問。ドリルの52ページの問題、「25 コンピュータの考え方②」。
問② そうたさんは、カード型の鍵(かぎ、キー)を使って、部屋に入ろうとしています。カードの読み取り機は、次の通りに、ドアを開けるか開けないかの判断をします。
1.カードの番号(横に並んだ13ケタの数)を読み取る。 2.左から1、3、5、7、9、11、13番目の数字を上に書いて、足し算する。また、左から2、4、6、8、10、12番目の数を下に書いて、足し算する
3.下の方の足し算の結果に3をかける。 4.上の方の足し算の結果と、3の結果を、足し算する。
5.4の結果の数で、一の位が0なら、ドアを開ける。一の位の数が0でないなら、ドアを開けない。
次のカードで、そうたさんは部屋に入れますか?
A.1235427902184 B.6827913304018
☆ ☆ ☆
では、解答です。Aのカードから見て行きましょう。
上の数の足し算は、1+3+4+7+0+1+4=20。下の数の足し算は、2+5+2+9+2+8=28だから、3をかけると、28×3=84。
だから、上+(下×3)=20+84=104。よって、一の位の数が0でないから、ドアを開けず、部屋に入れません。
次に、Bのカードについて。上の数の足し算は、6+2+9+3+0+0+8=28。下の数の足し算は、8+7+1+3+4+1=24だから、3をかけると、24×3=72。
だから、上+(下×3)=28+72=100。よって、一の位の数が0だから、ドアを開けて、部屋に入れます。
そんな計算しなくても、入れるか入れないかだけ、簡単にカードに書けばいいのに・・という気もしますよね。
たぶん、数や読み取り方(プログラム)を変えることで、色んなことが出来るからだと思います。例えば、部屋に入れるのはいつまでなのか、とか、何人なのか、とか、13ケタの数に色んな意味を持たせることができるでしょう。
☆ ☆ ☆
次に、第2問。ドリルの62ページの問題、「30 アルゴリズム⑤」。アルゴリズムという言葉は、前回の記事(3本目)にも書きましたが、ある目的、問題の解決に向かって、1つずつ進む手続きをまとめたもの。 もとは数学者(難しい算数のプロ)の名前です。
問② 家と道がかかれた下の図で、丸の中に書かれた数は、その道を通るのに何分かかるかを表します。
(1)さくらの家から、お店を通って、ゆなの家に行きます。最も早く行くためには何分かかりますか?
(2)そうたの家から、ひまりの家を通って、りこの家に行きます。最も早く行くには何分かかりますか?
☆ ☆ ☆
では(1)から解きましょう。時間の長さは、道の長さと比例してますが、道を見ただけだとよく分かりません。いくつか計算して、合計時間を比べることになります。
さくらの家からお店までは、ゆうまとひまりとゆなの家を通るのが一番早くて、4分+3分+5分+2分=14分です。次に、お店からゆなの家までは、2分です。だから、合わせて、14分+2分=16分です。
ゆなとお店の間の道は2回通りますが、2回はダメとは書いてないので大丈夫です。また、さくら→ゆうま→そうた→りこ→お店→ゆなの順なら、4分+5分+3分+6分+2分=20分。だから、16分より遅くなってしまいます。
次に(2)。まず、そうたの家から、ひまりの家までは、ゆうまの家を通るのが一番早くて、5分+3分=8分。次に、ひまりの家からりこの家までは、来た道をそのまま帰って、ゆうま、そうたの家を通るのが一番早いです。3分+5分+3分=11分。
だから、合わせて、8分+11分=19分です。
このような、時間や長さが最も短い道を探す問題は、家と道が増えると面倒で難しくなるので、人間だと大変。だから、コンピューターが色々な道の時間を計算して、比べて一番短い時間や距離を探すことになります。
☆ ☆ ☆
次に、第3問。ドリルの70ページの問題、「34 移り変わり図①」。いくつかのもの(物、人など)の状態が、少しずつ変わる様子を考える図のことです。
問② 下図は、スーパーのレジでのやり取りを表したものです。
次の説明から、正しいものを2つ選びましょう。
ア.客は商品を置くと同時にお金をはらう。 イ.レジ係は合計金額を伝えると同時に商品をわたす。
ウ.客は商品の合計金額を確かめてからお金をはらう。 エ.レジ係は客がはらったお金を確かめてから合計金額を伝える。
オ.客は商品のお金をはらってから商品を置く。 カ.レジ係は客がはらったお金を確かめてからおつりと商品をわたす。
☆ ☆ ☆
これは、図が無くても、常識で分かるでしょう♪ まず、ウが正しいですね。図だと、左上あたりを見ればそうなってます。
次に、カが正しいですね。図だと、右下あたりを見ることになります。
実際のスーパーやコンビニ、100円ショップだと、商品が1コなら、お客さんは商品とお金を同時に置くことがあります。また、合計金額を伝えると同時に商品を客の近くに置くレジ係もいます。
客とレジ係がお互いによく知ってて、相手を信頼してる場合も、あまり順番にはこだわらないでしょう。上図はあくまで、機械的な決めごと。今後はレジ係もロボットが増えるでしょうから、きっちり決めておく必要があります。
2つのコンピューターで、互いにデータをやり取りしながら計算していく場合も、似たような図になるでしょうね。それでは今日はこの辺で。。☆彡
(計 2436字)
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