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恋多き天才アインシュタイン、再婚した妻エルザよりも、義理の娘イルゼを愛して結婚したかったのか?

4連休の初日、朝日新聞・朝刊(20年9月19日)読書欄をサラッと見てると、アインシュタインという名前が目に飛び込んで来た。マシュー・スタンレー『アインシュタインの戦争』、新潮社。朝日デジタルでも掲載中

  

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反戦平和とか反核といった話と、物理学の相対性理論を混ぜた、普通の伝記かと思ったら、全然違うことも書いてた。

  

「私生活をも赤裸々に描いている・・・最初の妻であるミレヴァと離婚できないまま、後に妻となるエルザと暮らし始める。信じがたいことに彼はエルザの娘とも関係をもち、『二人で決着をつけてもらって、どちらとでもいいから結婚したい』と言ってのけたそうだ。」

  

  

     ☆     ☆     ☆

評者の東京大学教授(宇宙物理学)・須藤靖が驚いてるのだから、スクープ的なスキャンダルなのかと思って検索してみると、全然そうでもない。日本語でも一応、数年前にはもうネットに流れてる。ただ、いつものようにと言うか、いつも以上にと言うべきか、信頼できそうな記事は日本語だと(ほとんど)見当たらない。

   

おまけに、紛らわしいことに、別の義理の娘(妹の方)への愛の手紙とか言われるものが一部の個人サイトに流れてて、最初は私も混同してしまった。ちなみにそちらは、スペインで創られた偽物とか言われてるし、根拠も見当たらないし、今回の話とは別だから、ここでは深入りしない。

   

一方、朝日で書いてた義理の娘、姉のイルゼ(Ilse)については、英語で検索すると色々な情報が手に入って、読むのが大変だった。調べるだけで膨大な時間を使ってしまったから、簡単にまとめとこう。

 

  

     ☆     ☆     ☆

イルゼの写真は極端に少ないが、下はウィキメディアより。パブリック・ドメイン(公的所有)。アインシュタインから求婚された5年後くらい、1923年(26歳頃)のもので、宝塚系の華やかな美人に見える。

    

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先に結論のようなものを書いておくと、英語圏では既に25年以上前に出てた情報で、あまり流行ってないものの、それなりの根拠もあるらしい。東大教授もそういった話まではカバーしてなかったわけか。もちろん、100年前の禁断の愛だから、真相や真偽は不明。

       

総合的に見て、個人的には今の所、たぶん本当じゃないかなと思ってる。もし後で、間違ってるという証拠を見つけたら、ここで追記することにしよう。

   

   

     ☆     ☆     ☆

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上が、『アインシュタインの戦争』の訳書と、英語の原書、Matthew Stanley『Einstein's War』。こちらは、原書が2019年に出たばかりということもあってか、アマゾンでもグーグル・ブックスでも中身の情報がほとんど出て来ない。英語版ウィキペディアにも項目はないし、単なる言及さえ見当たらない。

      

義理の娘イルゼとの恋愛について、新事実を載せてる可能性は一応あるけど、それにしてはほとんど英語圏でも話題になってないのだ。

  

むしろ、情報の元をたどっていくと、米国を代表する新聞の一つ、ニューヨーク・タイムズの21年前(1999年)の記事にたどり着いた。「Einstein, Confused in love and, Sometimes, Physics」。アインシュタイン、愛に翻弄されつつ、時々、物理学。

   

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恋愛中毒でたまに物理をするだけでノーベル賞を取れるのか・・とか、妙な驚きも感じるタイトルだが、要するにこの執筆者、デニス・オーヴァーバイ(Dennis Overbye)は、恋愛に注目したらしい。

  

ソース(情報源)は、少しずつ刊行中の『アインシュタイン著作集(または全集)』第8巻、プリンストン大学出版。Collected Papers。

   

彼は99年の春に出たと書いてたけど、出版社サイトから情報を探すと1998年11月末になってた。日付けと実際の流通にはタイムラグ(時間差)があるし、英国と米国(とドイツ語?)の差もあるから、こだわらないことにしよう。

  

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その大著の中の手紙(90年代前半には知られてた)によると、アインシュタインは1918年の春、再婚しようとしてたエルザ(Elsa)よりも、その娘のイルゼ(20歳)と結婚したかったとのこと。彼は1879年3月の生まれだから、38歳か39歳の頃だ。まあ、現在の感覚でも何とか許容範囲か。血縁は無いし、ロリコンとか近親相姦といった話でもない。

     

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この記事の著者がその後出版したのが、『Einstein in Love: A Scientific Romance』。私なら『恋するアインシュタイン ロマンスも科学的に』と訳すけど、翻訳本のタイトルは『アインシュタインの恋』(青土社)。原書の該当箇所はグーグル・ブックスで限定公開されてた(なぜかiPadでは見れるのにPCでは見れず)。

  

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イルゼが、ニコライ(Nicolai)という男性に出した相談の手紙をそのまま読むと、アインシュタインの熱烈な愛と、彼女の困惑が語られてる。彼女は後に別人と結婚してるし、普通に考えるなら、アインシュタインの失恋。順当にふられたことになる

   

   

    ☆     ☆     ☆

ただ、私は元の著作集や手紙の原文も見てないし、著者オーヴァーバイが手に入れた資料も知らない。私だけでなく、そんな専門的な詳しい情報は、かなり検索しても出て来なかった。もちろん、日本語では皆無。

  

というわけで、義理の娘に対するアインシュタインの恋愛は、客観的に言うなら、25年以上前からある不確定情報。現在の個人的な推測としては、ほぼ合ってるような気がする。こんな所だろう。なお、ニコライとアインシュタインの関係はまたややこしいので、ここでは省略。

   

英語の資料を画像とリンク付きで載せただけでも満足して、今日はそろそろこの辺で。。☆彡

   

      (計 2323字)

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