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鬼の目に涙、人の手に刃、美少女の口に枷~アニメ『鬼滅の刃』

アニメを真面目に見たのは、一昨年の春の『キューティーハニー』以来か♪ ちょうど同じ頃、大ヒット作品ということで、『君の名は。』も見たけど、基本的には見てないというか、正直ちょっと避けてる所はある。

  

・・とか書いた所で、ブログ内検索してみると、これまた同じ頃、さくらももこ追悼の『ちびまる子ちゃん』も見てた。ただ、やっぱりほとんど見てない。

   

もちろん、子ども時代はよく見てたし、今でも別に嫌いじゃないけど、どうしても子ども、若者、オタクのものというイメージがあるのだ。

  

ただ、最近(2020年10月)は映画の記録的な大ヒットで、至る所、『鬼滅の刃』の話だらけになってるから、自然と目に入る。劇場版『鬼滅の刃』無限列車編。興行収入や観客動員数の日本記録を更新する可能性も出て来た。

  

というわけで、テレビ版のアニメの第1話と第2話を試しに鑑賞。せっかくだから、軽くレビューしとこう。アマゾンプライムの有料会員なのに、全く使ってなかったから、無料で見て、ちょっとはサブスクの元を取りたいというのもあった♪

   

  

     ☆     ☆     ☆

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さて、アニメの素人(笑)の目で見ると、『鬼滅の刃』の一番わかりやすい特徴はヒロインの口枷だ♪ 竈門禰豆子(かまど・ねずこ)。半ば、鬼になってしまった少女で、主人公・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)の妹。上図は、アマゾンで販売中のフィギュアの1つで、17000円(!)。

  

フィギュアはどれも妙に高いと思うけど、マニアにとってはこれがフツーという感覚もあるらしい。まあ、材料費とか人件費とか、色々と理由は語られてるけど、要するに、限られた熱心な(大人の)ファンが支えてるからだろう。

   

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いきなりフィギュアの画像を挿入したのは、日経新聞HPに、業者の「寿屋(コトブキヤ)」の株価がストップ高になった記事が出てたから。映画公開から僅か10日間で興収100億円を突破したことを材料視。

   

ちなみに私は、フィギュアは買ったことないけど、以前、ちょっと似たあるものにハマって、大金をつぎ込んでしまった経験がある(ナイショ♪)。今は卒業したというか、お金はあんましかけてない。「鬼滅」じゃなくて「自滅」になるから(笑)

   

  

     ☆     ☆     ☆

ところで、美少女の竹の口枷(くちかせ)。これだけで、コスプレ用グッズとして500円くらいで売ってた♪ コロナ自粛で、学園祭や忘年会の需要が激減したのは不運かも。

   

この口枷。SMのボンデージグッズだと、1ケタ以上は値段が上がるはず。ビットギャグ(bit gag)とか呼ばれる拘束具で、元々は馬用の調教グッズ。

   

フェミニズム全盛の今どき、そんなものを少年漫画(週刊ジャンプ)や地上波アニメで少女に咥えさせても問題にならないのは、鬼の牙を防ぐという理由があるからか。あるいは、鬼に変化するのを防ぐ効果があるのかも(未確認)。竹製だし、性的な感じはそれほど受けない。

  

ただ、微かにエロスの香りが漂ってるのは確かだ。禰豆子は、鬼を切る美青年・冨岡義勇(とみおか・ぎゆう)に口枷を付けられた後、日光を避けるために穴を掘って首だけ上に出す。直後には、小さなカゴの中に入れられる。脚絆にはグルグル巻きのヒモ。どれも、妖しい拷問や拘束の形をそれとなく表現したものだ。

   

   

     ☆     ☆     ☆

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では、肝心のアニメの内容。第1話を最初に見た時は、思ったより遥かに面白くて、グイグイ引き付けられた。お母さんが美人だったから(笑)。そこか! まだ30代か、アラフォーの未亡人。

  

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鬼とか、刃物で斬るというと、週刊ヤングマガジン連載の人気漫画『彼岸島』みたいに超グロテスクなのかと思ってたけど、キャラも映像も物語も遥かにフツー。大ヒットした理由の1つだろう。ちなみに、彼岸島の主人公が鬼を刀で切る姿は、鬼殺隊の冨岡に似てる。

   

主人公・炭治郎の絵とか、全体的に女性っぽいなと思ったら、原作者の吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)は女性という情報が文春に出てた。真偽は未確認だけど、たぶん正しいと思う。

   

予告編で禰豆子が見せるギャグマンガっぽい顔とか仕草、文字の入れ方が少女漫画みたいだし、ストーリーも、昭和的な古風な「男」を強調してて、逆に女性っぽい。もちろん、時代設定が大正だから、古風なのは自然なこと。

   

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可愛くてキレイな顔の炭治郎が、両耳に目立つピアス(またはイヤリング、耳飾り)をしてるのも、女性作家的だと思う。大正時代にピアスがあったのかなと思って検索したら、縄文時代からあるとか出てた(笑)。ピアスもタトゥーも痛そうで縁遠いもので。

  

ファン層の男女比はハッキリしないけど、女性ファンの比率が多め(5割とか)だと言われてる。もちろん男も多いけど、わりと女性的な作品なのは確かだろう。

   

そもそも、美少年や美青年が「刀」で「斬る」のを喜ぶという構図が、「ファロス」(男根)への女性的欲望の昇華、歪曲なのだ。実際、ゲームその他の『刀剣乱舞』ブームは圧倒的に女性の世界らしい。

   

   

     ☆     ☆     ☆

物語りのスタートは、雪山で炭治郎が必死に歩くシーン。家族が鬼に襲われた後、1人だけまだ生きてた妹を背負って、医者にみせようと頑張ってる。

  

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そこから、1日ほど時間が遡って、鬼に襲われる前、のどかで幸せな生活が描かれる。お父さんが亡くなった後らしいけど、仲良しの弟・妹たちも、禰豆子も、明るくて元気。ちなみに上図はお母さんじゃなくて、禰豆子。この時点でまだ、12歳くらいの設定らしい。まだ牙も口枷も無し♪

   

炭治郎が正月前、麓の村へ炭を売りに行くと、夜になってしまって、村人に泊まっていけと勧められる。美味しそうな食事をいただくシーン。私が制作スタッフなら、一瞬だけ遠回しに、炭治郎の家とか鬼の様子を映す所。というのも、この頃、鬼はみんなを美味しそうに食べてるはずだから。

  

鬼も食事の時間で、同じく5品なのだ。お母さん、禰豆子、小さい弟2人の妹の5人。5品と5人を一瞬重ねるような映像があってもいいし、炭治郎が噛む歯と口を光らせて強調してもいい。

    

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    ☆     ☆     ☆

このアニメ。私は2回見たけど、どうもその種の演出的な映像テクニックが少ないのだ。普通、映画はもちろん、テレビドラマでも、よく見ると映像の文法的な技があちこちに入ってる。効果音でもいい。もちろん、気付く人、理解できる人が少なくて、SNSでもほとんど拡散しないけど、分かる人には分かる。

           

そうした、見る側を選ぶ要素が少ない代わりに、主人公の大量のモノローグとか、非常に分かりやすい説明が溢れてるのだ。この分かりやすさは、大ヒットの要因だろうし、逆に、こだわり派には物足りない部分でもある。

    

典型的なのは、血の匂いがするという独白や、炭治郎が冨岡に投げた斧の攻撃の説明もそうだけど、崖から落ちるシーンはギャグに聞こえたほど。

   

雪で足が滑って崖から落ちたけど、下の柔らかい雪のおかげで助かった。見るだけで明らかなそんな事まで、丁寧に台詞(セリフ)で説明してるのだ♪ 極端な説明過剰だけど、小さい子どものウケを狙うなら、そこまでやった方が親切なのかも。。

   

   

     ☆     ☆     ☆

で、家に戻って悲惨な様子に泣き叫んだ後、冒頭のシーンに戻ることになる。炭治郎が禰豆子を背負って雪道を急いでると、腹を空かせた禰豆子が鬼に変化して襲って来る。

  

斧を口枷みたいに噛ませて防ごうとしても、身体が巨大化した少女は抑えきれない。ところが、お兄ちゃんに食いつこうとする瞬間、大粒の涙をポタポタとこぼすのだ。まだ、半ば人間で、記憶も感情も残ってるらしい。

  

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切ない音楽も合わせて、エモーショナル(情動的)なシーンだけど、私ならもっと、涙の粒を雪とかぶらせる。とはいえ、この時、冨岡が顔を見せずに走って来る姿はピッタリ合ってた。アニメの世界でどこまで権限があるのか知らないけど、演出は外崎春雄。

   

涙と共に、炭治郎を救ったのは、美青年・冨岡。「鬼斬り様」(おにぎりさま)とか呼ばれてたのは、彼ら鬼殺隊のことかな? 刀の柄の近くには、「悪鬼滅殺」と彫られてた。さすがに、フリガナはなし♪

  

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     ☆     ☆     ☆

そして、禰豆子をめぐって炭治郎と冨岡まで争う中、鬼と化した禰豆子が倒れた兄をかばうような仕草を見せたのが、第1話の象徴となってた。鬼だけど、家族を愛する人間でもある、境界線上の少女。

  

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もちろん、この両義的な姿は、人間一般のものでもある。温厚で寛容なブロガーでさえ、たまには武闘派に豹変しそうになることもあるのだ♪

  

そう考えると、天皇陛下(特に平成、令和)が常に穏やかな表情をされてるのは興味深い。やっぱり、普通の人間を超えた神の域を表してるわけか。人間でありつつ、政治的な実権も持たず。

   

禰豆子の人間的な一面や、炭治郎の非凡な斧攻撃を見て、冨岡も、この2人は只者じゃないと認める。禰豆子を切り捨てるのも止めて、炭治郎が気を失ってる間に、竹製の口枷をはめたらしい。実際にやると、すぐ外れるはず(笑)。猿轡(さるぐつわ)とか、筒状の部分を口に縦に突っ込むタイプの方が実用的(細かっ・・♪)。

     

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第1話で私が気になったのは、炭治郎が冨岡に向けて必死に話す台詞で1ヶ所、音声を消されてたこと。なぜか、検索しても誰もつぶやいてない。「みんなを殺す・・・」の直後、短い単語を削除してるように聞こえた。古い差別語かな? まさか4文字の放送禁止用語ではないはず。。

   

      

     ☆     ☆     ☆

もう時間も字数も残ってないから省略するけど、第2話では冨岡の指示に従って、育手(そだて)と呼ばれる鱗滝左近次の元で修行する。完全に「スポ根」少年漫画のノリで、笑う所なのかも。

  

と言っても、炭治郎が過酷な修行をしてる頃、左近次は天狗のお面をかぶったまま、カワイイ禰豆子と2人きりで家にいるのだ。たぶん、長く伸びた鼻を使って遊ぶはず♪ どうやって?!

   

第2話では、完全なギャグも入ってた。冒頭、炭治郎が農民からカゴを譲ってもらう時、無理やりお金を払って、「頭が固い」と言われる。これ、後で鬼と闘う時の頭突きにつながる伏線なのだ。やられた鬼は思わず、「頭が硬い」とつぶやいてた(笑)。

  

ちなみに私も小学生の頃、ケンカでは頭突きをよく使ってた♪ 接近戦では一番効果的で強力な技。相手はすぐ泣き出す(コラッ!)。だから、印象に残ったわけ。

   

   

     ☆     ☆     ☆

未熟な少年が「頑張る」(何度も出た言葉)ことで成長して、悪を倒して幸せになる(多分♪)。典型的な少年少女向けの成長物語で、私も男の子の頃は大好きだったけど、流石に大人になった今はストーリー的にハマリにくい。

   

せっかくアマゾンが無料公開してくれてるけど、少なくともしばらくは続きを見ないと思う。あるいは、禰豆子その他、美少女や美魔女の映像だけ飛ばし見するとか♪ ネットで二次創作を探す方が凄いかも(笑)。何が?!

  

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なお、映画の素晴らしい出足には、450万名への入場者特典『煉獄零巻』も大きく関わってるはず。84ページの立派なノベルティ冊子。

     

転売禁止の非売品とされてるけど、今現在のメルカリの価格を見ると1200円前後だから、利益が900円としても映画料金が半額になるようなもの。売らない普通のファンにとっては、映画をタダで見るようなもので、AKB商法に似てるかも。

     

あぁ、短い感想記事の予定だったのに、やっぱり長いレビューになってしまった。5000字弱 (^^ゞ それでは今日はこの辺で。。☆彡

   

       (計 4577字)

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