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自宅に小さな墓石、「宅墓」(たくぼ)、安くて手軽で新しい「手元供養」だけど・・

余裕がない時はつい、新聞のネタに注目してしまう。お堅い朝刊より、柔らかめの夕刊の方が興味深いことが多い。ブログに書きやすいのだ。

  

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朝日新聞・夕刊(20年10月14日)の1面トップは、大きな見出しで、「自宅に墓石」「遺骨納め 身近にしのぶ」。山中由睦記者。左上の写真だけでインパクトがある。男性高齢者が自宅で、軽く笑みをたたえて、小さな墓石に手をのせてるのだ。

   

仏壇なら普通だけど、そう言えば自宅の墓石という発想は全く無かった。墓石は大きくて重いし、墓地という特殊な場所にあるものだという先入観が強いからか。まあ、先入観と言っても、例外を見たことはないから、正しい現実認識ではある。今までなら。

  

  

     ☆     ☆     ☆

自宅用の墓石、「宅墓」(たくぼ)を販売してるのは、滋賀県の小さな会社「浦部石材工業」。創業140年の伝統を誇る業者で、HPのトップの画像はちょっと頬が緩んでしまう。

  

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社長(代表取締役)の名前、「浦部弘紀」が石に掘られてるからだ。ネット民とかに作られる前に、自分で作ったということか。眼鏡のイラストとローマ字の名前、明るい色合い石の組合せも斬新でオシャレ。

  

本体(石+台座)は税込7万円。1面彫るごとに税込5000円追加。2人というか、2体だと、2室でも1室(夫婦)でも税込14万円。お墓としては、非常に安い。

   

     

     ☆     ☆     ☆

もちろん、本当は100万円~200万円くらいの高価な墓石を売りたいはず。でも、バブル期に年商1億円(月20基)だったのが、今では10分の1というから、年商1000万円。利益が半分として、従業員3人だと非常に苦しい。

  

そこで5年前に販売し始めたのが宅墓。当初は月10個以上、今でも月1~2個の注文。やっぱり、まだまだ数量的には少ないね。今年はそれでも、コロナ禍で増加。都市部の高齢者の予約が多いという話には納得。

  

一方、一般には、自宅などの身近で遺骨の一部を保管する「手元供養」が定着中。2005年頃からの動きだから、「新しい供養様式」とかいうほど新しくもない。葬儀業者などが売る手元供養用品は年10万点ほど売れてるとのこと。こちらはかなりの数だ。

    

それにしては、宅墓の売り上げは少ないけど、滋賀という立地の問題に加えて、価格が中途半端なのかな。ペンダントに遺骨の一部を入れるだけなら、数千円でも済むはずだから。

   

あぁっ! 記事の入力が5段落くらい消えてしまった! 入力文字の突然の他界に、合掌。。 ブロガーにとっての自宅、ブログでの一言供養で気を取り直してと。。

    

  

     ☆     ☆     ☆

実際にはやっぱり、普通のお墓に加えて手元供養もする人が多いのかも。ただ、それだと、お墓参りやお墓掃除の手間は普通にかかることになる。

      

全日本仏教会に取材すると、田舎では寺の後継ぎがいないとか、墓地の管理ができないとかいう問題もあるから、色々な形があってもいいのでは、とかいう模範的な応答。でも、本音はちょっと違うと思う。実際、供養の簡素化の流れへの反発もあるらしい。まあ、ネット炎上する類の話でもないと思うけど、リアルな反発は多少あるはず。

    

社会的に大きな背景としては、少子高齢化、核家族化、地方の衰退など。最近の要因としては、コロナウイルス感染防止。普通のお墓や法事よりは、自宅で個人的に供養する方が安全ではある。

  

とはいえ、コロナもいつまでも続くとは思えないし、ワクチン開発も進展、治療法も向上。第2波が大きい海外と違って、日本では、人々のコロナに対する意識も徐々に平常に戻りつつある。それほど急激な変化にはならないと予想するけど、はたしてどうか。

  

   

     ☆     ☆     ☆

私自身は、お寺やご住職との関係もあるし、故郷への愛着もあるし、田舎の墓参りや供養はできる限り続けたいと思ってる。いつまで出来るかはともかく、たまに大変な手間ひまをかけるのも大切な供養だろう。親や先祖との関係は、やっぱり重いのだ。大きな墓石以上に。

   

遺骨なしに、手元に写真を飾るようなことなら、もっと積極的に行ってもいい。なお、今週は仕事その他が忙しくて、13526字で少なめに終了。ではまた来週。。☆彡

  

  

  

P.S. 10月23日、朝日新聞と同系列、テレビ朝日の『羽鳥慎一モーニングショー』で紹介されたらしい。急に検索アクセスが増えたから、ツイッター検索をかけて気付いた。

  

やっぱり朝日新聞とテレビ朝日の関係は深いね。昨日書いた、全日空CAのいい話もそうだし。

   

P.S.2 この話、着実に広がりを見せてるようだ。福岡市の山野石材では、「うちぼ」(ウチ墓という意味)という名前で販売開始。 (☆追記: 名前は「おくぼ」に変更。下のP.S.3参照)

     

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地元の作家のステンドグラスと組み合わせて、オシャレな写真立てにも出来る。お墓というより、故人とのつながりを保つ自宅のインテリアに近いかも。

  

P.S.3 上の「うちぼ」は、いつの間にか「おくぼ」という名前に変更されてた。「『お』うちに『置く墓』石」、「『屋』内の『墓』石」といった意味だろうか。

           

       (計 1693字)

   (追記356字 ; 合計2049字)

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