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ジョン・レノン殺害から40年、「ライ麦畑」の射殺犯の動機・理由・背景(英語版ウィキペディアの解説)

なぜ、ビートルズの中心メンバーが解散後に射殺されたのか? 私は別にジョン・レノン(John Lennon)のファンというわけでもないけど、ビートルズのヒット曲は普通に好きだから、ちょっと引っかかったままになってた。

   

今まで、詳しく聞いたことはないし、自分で調べたこともない。ただ、朝日新聞の夕刊(20年12月7日)が大きく取り上げてたから、試しにネット検索してみた。

   

ちょうど40年経つ今日とか、もっと報道があっても良さそうなものだが、意外なほど少ない気もする。ひょっとすると、日本の場合は、たまたま歴史的に重大な真珠湾攻撃の日と重なるし、今年はコロナ禍が圧倒的な話題だからかも。

    

そう思って、英語でも検索をかけてみると、世界中でニュースにはなってるけど、やはり超大物セレブのわりに少なめに感じる。

  

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ちなみに40年前の事件直後は、凄まじい数のファンが現場に集まってたそうだ。英国BBCの記事より。自宅アパートのダコタ・ハウス前。この辺りが犯行現場だった。1980年12月8日、22時50分(米国東部の標準時)。妻のオノ・ヨーコの目の前で。

     

   

     ☆     ☆     ☆

レノンは、反戦平和運動の象徴となってる左翼活動家でもあるから、陰謀説も当然ある。反体制派のリベラルとか、政治的理由で組織的に暗殺されたとか。

  

しかし、日本で耳にする機会はほとんど無いし、英語版ウィキペディアの記事でも小さく下の方に掲載されてるだけ。ここでは普通に、屈折した男性ファンみたいな単独犯の犯行=反抗と考えとこう。

  

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レノンにカメラマンが付き添ってたこともあって、犯人と一緒の写真が残されてる。右端に小さく写ってるのが、現在も服役中のマーク・チャップマン(Mark Chapman)。犯行の6時間前、レノンのアルバム『ダブル・ファンタジー』にサインしてもらう様子。この6時間後、わざわざ親切にサインしてくれたレノンに、銃弾4発を浴びせた。

  

ちなみにチャップマンの妻は日系の米国人(グロリア・アベ)で、今でも離婚してないらしい。犯行前から気付いてたとかいう話もあるけど、その辺りは触れないのが基本的マナーだろう。

   

   

     ☆     ☆     ☆ 

さて、英語版ウィキには、レノン殺害の項目以外にも、犯人チャップマンの項目があって、個人的事情や背景が詳しく書かれてる。

  

ありがちな事に、高校まではかなり目立つ活躍をしてた生徒だったらしい。ただ、その高校時代に出会ったサリンジャー(Salinger)の名作小説『ライ麦畑でつかまえて』(The Catcher in the Rye)に大きな影響を受けて、犯行直後も現場で読んだりしてたとのこと。

  

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私は読んだことがなくて、日本語のタイトルから爽やかな青春小説のイメージを持ってた。実際、代表的な訳書(白水社)の表紙はシンプルで、字体もむしろ丸みを帯びてて可愛い。最初は、少女が主人公だろうと思ってたほど。

  

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ところが、英語版ウィキで原書の初版本の表紙を見ると、全く違って、不気味なイラストが描かれてる。ドロドロの怨念を漂わせた怪物か。レノン殺害との関連を知った後だと、この赤色が血に見えてしまうほど。

   

  

     ☆     ☆     ☆

もちろん、だからといってこの小説にネガティブな印象を持ったわけではなくて、むしろ逆に興味が増す。

   

残念ながら、著作権の管理が厳しいようで、執筆から70年ほど経つのに、英語で検索しても原文は見当たらない。英語の古典だと、もっと短い期間で一部が読めることがよくあるのだ。Google Booksとか、amazonとか。ところが、英語でも日本語でも、キンドル読み放題にさえ入ってない。

  

ただ、ポイントの1つは、青少年がしばしば持つ、大人の社会への反抗、反発だろう。特に、20世紀中盤から後半にかけては典型的だったはず。学生運動、カウンター・カルチャー、校内暴力、etc。

       

私自身はそれほど否定的な思いを抱いてなかったと思うけど、最近も身近で、大人への強烈な批判を目にする機会があった。現代日本だと珍しいほど。

   

  

     ☆     ☆     ☆

17歳の主人公、ホールデン・コールフィールド(Holden Caulfield)は、一方で大人をインチキ呼ばわりしつつ、他方では、「ライ麦畑のキャッチャー」(原題)になりたいとも思ってた。

    

端の崖から落ちそうになる子どもたちを、自分が捕まえて助けたいという、やさしく温かい思い。英語版ウィキ・クォートから引用してみよう

   

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I'm standing on the edge of some crazy cliff. What I have to do, I have to catch everybody if they start to go over the cliff — I mean if they're running and they don't look where they're going I have to come out from somewhere and catch them. That's all I'd do all day...

  

僕は、切り立った断崖の端に立ってるんだ。僕がやるべきこと、僕は、もし彼ら(注.子ども達)が崖から飛び出しそうになったら、全員をつかまえる必要がある。つまり、彼らが走ってて、どこに向かってるか分かってないなら、どこかから現れて彼らをつかまえなきゃいけない。それだけをずっとやるんだ。。

   

   

     ☆     ☆     ☆

この小説の大ファンで、主人公ホールデンに自分を同一化してるのなら、犯人チャップマンがつかまえるべきだったのは、自分自身だったはず。崖から転落しそうな自分の激しい衝動・感情を、最低限の理性で制止すること。

   

しかし残念ながら、犯人は大人たちへの反抗、特に成功したセレブ達の「インチキへの反発」(anti-phoniness)だけを募らせてしまう。

  

レノンの何が、インチキなのか。例えば、代表曲『イマジン』の綺麗事。何も所有せず、みんなで平和に暮らそうとか理想論を唱えつつ、実際は優雅に大金持ちの生活を送ってる(ように見える)。

  

あるいは、『God』という曲では、神なんて一つの観念にすぎない、聖書もイエスもビートルズも信じない、私が信じるのは自分だけ、と歌詞に書いてる。犯人チャップマンはもともと宗教との関わりも強かったようだから、こうした言葉も許せなかったらしい。レノン自身が神になったようにも見えたかも。

   

   

     ☆     ☆     ☆

といっても、ほとんどの「少年」は射殺までは行かない。そんな崖は遥か遠くにあるはずだし、近くに行けば自分で分かるはず。走り出す「子ども」にも、目はある。全身で危険を感じるはずだし、良心や常識の歯止めもある。

    

チャップマンの場合は、高校卒業後に学業も仕事も人間関係も上手くいかなくて、不満やストレスが溜まってたらしい。その中で、酒の量も増え、精神疾患みたいな強迫にもとりつかれる。

  

ただし、この心の病、精神障害の問題は、裁判や刑罰と深く関わるので、激しい論争となった。当然、弁護側の精神科医などは、重い精神病だったとか主張することになる。結局、本人の希望もあって、あまり重視されず、仮釈放のある長期刑(20年)が決定。

  

   

    ☆     ☆     ☆

ところが、この仮釈放は今までずっと認められないまま、既に刑期の2倍、40年が経過。オノ・ヨーコが不安を訴えてるとか、彼自身がレノンのファンに殺害される恐れがあるとか言われてる。

    

まあ、日本と米国では司法制度も文化も大幅に違うから、何とも言えない。そもそも米国はいまだに銃社会で、規制が進まないままなのだ。全米ライフル協会はしばしば、最強のロビイスト(政治活動家)と言われてるし、自分は自分(の銃)で守るという考えも根強い。

   

そろそろ時間が来たので、この辺にしとこう。私としては、小説『ライ麦畑でつかまえて』に興味を持ったから、いずれ英語原文で読んでレビューしたい。これは半永久的な先延ばしにはならないと思う。

   

それでは、レノンの安らかな眠りを祈りつつ、合掌。。☆彡

   

         (計 3223字)

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