宝くじの当選番号を予言して当てる迷惑メールの仕組み、他~2021年・大学入学共通テスト・情報関係基礎
去年のセンター試験で初めて見て、面白いからブログ記事を書いた科目、「情報関係基礎」。数学という教科の一分野という位置づけで、私の関心もかなり数学的なものだ。ちなみに、去年の記事は下の通り。
ひらがな情報の符号化・暗号化(エンコード)、データ量の圧縮~20年センター試験・情報関係基礎
「基礎」と言いつつ、基礎ではない「情報関係」という科目はないし、「関係」という言葉も逆にボヤけて分かりにくくなってると感じる。
まあでも、多数の考えや関係者の妥協の産物なんだろう。例えば、「情報基礎」だと意味が広すぎるとか、「情報処理」だと狭すぎるとか♪
それはさておき、初めての「大学入学共通テスト」の情報関係基礎。去年より簡単になったような気がしたけど、平均点は68点から61点へと、1割も低下。受験生の中身が変わったのか、あるいは、私がこの教科に関して素人だということか♪
とにかく、問題前半の注目の設問だけ、軽い解説&感想記事にまとめとこう。問題・正解のpdfファイルは、いつものように河合塾HPより。どうして大学入試センターの公式サイトに問題を載せずに、予備校やマスメディア経由で情報を流すのか、前から意味不明。
☆ ☆ ☆
設問が目新しくて面白かったのは、宝くじ当選予言問題だけど、それだけだと1本のブログ記事としては内容が少な過ぎるので、先に他の問題もトッピングしとこう。この世界では普通の基礎的内容だろうけど、個人的には初めて、問題として解いた。
第1問(必答問題)、問1・a
数字(0~9)と、アルファベットの大文字(A~Z)、小文字(a~z)の計62種類の文字をすべて区別して符号化するためには、1文字あたり少なくとも [ ア ] ビット必要である。
解答
(2の5乗)=32 ≦ 62 ≦ 64=(2の6乗)
よって、1文字あたり少なくとも、2の6乗通りの情報を扱うので、6ビット必要。 ・・・アの答
(解説&感想)
単純に考えると、2進数の000000から111111まで、64コを区別して、1文字を表せばよい。64-62=2だから、2コ余る計算になる。
コンピューター関連の発祥地である英語圏にとって、英数1文字あたり6ビットが基本なのに、なぜ8ビットを1バイトに決めたのか? 不思議だったから、ネット検索してみた。
上の62種類の文字以外に、よく使う記号が30種類ほどあるから、合計で約92種類。ということは、7ビット(2の7乗通り=128通りの情報)必要だけど、7は奇数で扱いにくいから、8ビットにしたというお話。
東洋英和女学院大学、酒井郷平・助教のpdfファイルより。専門は「教育工学」とのこと。まさに分離融合、初耳の学問名。
☆ ☆ ☆
問1・b
24ビットフルカラーで800×600ピクセルの画像1枚のデータ量は、圧縮をしない場合 [イウエオ] kBとなる。なお、1kBは1000Bである。
また、この条件の画像を用い、30fps(frames per second)で1分間の動画を作った時のデータ量は、同じく圧縮をしない場合 [イウエオ] kBの [カキクケ] 倍になる。
解答
1B(バイト)=8ビットだから、
(この画像1枚のデータ量)
=24×800×600 (ビット)
=24×100×600 (B)
=24×60 (kB)
=1440 (kB) ・・・イウエオの答
(1分間=60秒の動画のデータ量)
=(30×60枚の画像のデータ量)
=(1枚の画像のデータ量)×1800 ・・・カキクケの答
(感想) 昔、この種の計算を実際にやって、画像や動画のデータ量と比べたけど、ほとんど合ってなかったから止めた覚えがある。まあ、デジタル超初心者だったから、色々と誤解や間違いもあったのかも。
試しに今、400×400ピクセルのビットマップ画像を作ってみると、468KBだった。
1KB=1024Bで計算すると、
24×400×400÷8÷1024=468.75(KB)
この小数点以下を切り捨てにしてるわけか? いや、プロパティで調べると、元のバイト数は480054バイトになってる。この細かい54バイトは何?
「ディスク上のサイズ 472KB(483328バイト)」も意味不明。やっぱり、昔の挫折は自然なことだった♪ 今後の研究課題としとこう。
☆ ☆ ☆
実は理論的に一番興味深かったのは、問2のギザギザ画像の説明。
ラスタ(ビットマップ)形式の画像でジャギー(ギザギザ)が出来るのは、画像を「画素(点)の集まりとして」表現するため(ソの答)。一方、ベクタ(ベクトル)形式の画像でギザギザが出来ないのは、「座標や数式を使って」表現するため(タの答)。
これは、調べてみたけど、まだあまり納得できてない。点の集まりでも、数(密度)や視力によってはギザギザにならないし、逆に、座標や数式を使ってもギザギザになることはあり得る。公表された正解は、説明としてかなり弱い。
私がいま考える正解だと、ギザギザが出来る理由は、「画像の斜めの線を、格子状に縦横に並ぶ画素で表現する時、対応する画素が少ないと斜めに隣り合う画素の縦横の段差が大きくなって、目で見えてしまうこともあるから」。
これだと長過ぎて、テストにもクイズ番組にも使えない♪ 雑誌や新聞のパズルでも無理。まあ、このギザギザ&ベクタ形式画像問題も、今後の研究課題ということで。MacのPCを買って、デザインやイラストの勉強をしろということかも。
いや、単にMacが欲しいもんで♪ アップル独自のCPU搭載のiMacがいずれ発売されたら、本当に買うかも。とにかく、最後は宝くじ問題。
☆ ☆ ☆
問3(省略形 前半) 宝くじの6等の当選番号(末尾のケタ)を予言するメールが届いて、本当に当たった。なぜか? また、5等の下2ケタの予言も当たってた。合理的な理由は?
解答 6等の番号の可能性は10通りだから、予言メールを最低限10人に送っていればよい(ツの答)。それぞれ0~9と予言しておけば、誰か1人が必ず当たる。
同じように、5等の番号の可能性は100通りだから、これも最低限100人に送っていればよい(テの答)。それぞれ、00~99と予言しておけば、誰か1人が当たる。
☆ ☆ ☆
問3(省略形 後半) 6等と5等と、2回連続で当たるようにするには、少なくとも何人に予言メールを送ればよいか?
解答 まず、6等の予言メールを少なくとも1000人に送ればよい(トの答)。0番から9番まで、それぞれ100人に送ると、合計1000人。
この内、6等が当たるのは100人だから、今度はその100人に、それぞれ00番から99番まで予言するメールを送れば、誰か1人は6等、5等と連続で当たることになる。
(解説&感想)
結局、メールは少なくとも合計1100通、送信することになる。1000通+100通。
最初から、6等の番号と5等の番号を順に合わせて3ケタの番号でまとめて予言しておくと、000~999まで1000通で済むけど、受け取った人のインパクトがいま一つになる。だから2回に分けて、「当たった」「また当たった! 凄い・・」と感激させる手口。
実際に、誰かをだまして金儲けしようと思ったら、連続当選者の中で引っかかる被害者(ジョンとか♪)が1000人に1人とすると、1100×1000=110万通のメールが必要。もちろん、人力で送ると赤字だろうし間違えてしまうから、機械頼み。
ただ、110万通は多過ぎるから、実際の被害者は100人に1人くらいなのかも。それなら、1100×100=11万通で済む。機械的にやれば何とかなるかも。
実際、ニュースを見てると、もっと悪質な詐欺ようなものに引っかかってる人は大勢いるらしい。オレオレ詐欺とか、母さん助けて詐欺とか、振り込め詐欺の類もいまだに大勢引っかかってるのが現実。太郎みたいな理屈屋も案外、危ないかも。他人事ではないけど。。
☆ ☆ ☆
ちなみに、私の所にも宝くじの当選番号を予測するとかいう商業メールが、ソースネクストから送られて来てる。
今まで全く無視してたけど、いま試しに一つ開いて、リンクをクリックすると、単なる統計理論の応用らしい。
まあ、数字の理屈のお遊びみたいなものであって、それで儲かった人は天文学的に少ないはず。ソフトやアプリ、セミナーや「ウェビナー」に払った費用を上回る儲けは難しい。
☆ ☆ ☆
とはいえ、当たった!と思う人もいるだろうから、「この種のものが無くなることは今後もない」。この予言は100%当たる♪ 少なくとも、ハズレを確信できることはない。
そもそも、この予言は、いつまで経ってもハズレたと実証することができないのだ。最近あまり見かけないだけだとか、いくらでも言い訳可能だから。
なお、今週は計14914字で終了。ではまた来週。。☆彡
(計 3580字)
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