天才・藤井聡太王位・叡王・棋聖、最年少19歳で将棋タイトル三冠達成☆~叡王戦・最終第5局
やはり、この天才少年・藤井聡太だけ、ブログで特別扱いして来たのは正解だった♪ 最年少、19歳1ヶ月ちょっとで三冠達成!
これまでの最年少三冠記録は、1993年に達成した羽生善治の22歳3ヶ月だから、大幅な更新。まだ高校卒業・・ではなく中退から1年も経ってない。卒業間際の高校を自分から中退するというのも、飛び抜けた偉業♪
インタビューとかだと、あくまで控えめで謙虚な姿勢を示し続けてるし、対局終了直後の頭の下げ方も非常に低いけど、遥か上しか見てないだろう。自分がどこまで強くなれるか。彼にとっては、全タイトル8冠制覇も単なる通過点に過ぎないはず。
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こうなるともう、出来れば最新・最強のAIに勝って欲しい♪ 2017年5月に、当時の名人・佐藤天彦が電王戦で人工知能に連敗して以降、人間はAIに頭が上がらなくなってしまってる。
Abema動画でも、常にAIが示す最善手が画面に映されてる。まるで、棋士を「採点」するための「正解」みたいに。
この淋しい状況を逆転できる可能性が少しでもあるのは、彼しかいない。AIに挑戦するなら、ここ数年が最後のチャンスだろう。いずれAIは、最終的な「答」とか「正解」を求めて、すべての手順を記憶してしまうだろうから。。
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では、2021年9月13日の叡王戦・最終第5局を振り返って、解説をまじえた感想を書いてみよう。まずは緩いコネタから♪
叡王獲得後の記者会見で、ペコちゃんの巨大なぬいぐるみを渡されたのはサプライズだったようで、マスク姿の藤井三冠も明らかに笑ってた。
正直、これをもらっても置き場や処理に困るだろうけど、今期(第6期)から不二家がスポンサーになってるから、この程度は当然だろう。
不二家は、CMでも藤井三冠を起用したくらいだから、よほど将棋に理解があるということか。まあ、フジイとフジヤは、音も似てるし♪ 上は叡王戦限定のペコちゃんお菓子BOX♪ 可愛くて、いいね。不二家の特設サイトより。
あるいは、ビジネスとして冷静に、巨額の投資に値すると判断したとか。実際、後ろのパネルには投資関連会社の名前が2つ並んでる。ひふみ投信とSBI証券。
まあ、圧倒的に優れた知性の象徴でもある。投資の世界でもAIが優勢らしいけど、もちろん、まだAIだけでは仕事にならない。30年後ならともかく。
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では、対局内容。私がアベマ動画をチラ見し始めたのは、終局近くの18時頃だから、公式の棋譜サイトを参照。
先手・藤井vs後手・豊島将之叡王・竜王。互いに居飛車の相掛かりの戦型から、豊島が新しい局面に誘い込んだ。指し手が非常に早いので、おそらく研究して来た手順。
上図で、後手の豊島は、普通は守りの駒の左銀を4三から5四に進めた。2枚の銀と飛車で左側を攻撃する狙いで、人間的には後手の守りが薄くなるから少し疑問も感じるけど、AI的には普通の選択肢の1つらしい。まだ形勢判断の差はハッキリとはついてない。
どうして銀を2枚使うかというと、先手の飛車が2五に浮いてることも関係してる。後手は、銀1枚だけだと、普通の7五銀の「棒銀」攻めが出来ないのだ。かと言って、3三桂で飛車を追い払うと、自分の角の通り道をふさいでしまう。
先手の藤井は、飛車を2九に引いて、後手の攻めに身構える。6五銀、7七金、7五歩、同歩、同銀に、藤井は9七角と強気の応戦。見覚えのない、独特の力将棋になって来た。2人とも、短い持ち時間(4時間)を使って考え始めてる。
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上図は、藤井の9七角に豊島が6四銀と下がった局面。ここで下がるようでは、ちょっと辛い。局後の感想戦では当然、8六歩の変化にも触れられた。同金、同銀、同角、4五歩、同桂、9九角成。
藤井にとっても「やられたら嫌なんですけど」、豊島は自信が無かったらしくて、ジッと我慢。この辺りではもう、AI的に少し差がついてる。その後の形勢判断の折れ線グラフを見ると、序盤まで遡って分かるのだ。
ちなみに、ここで昼食休憩。2人とも、ウナギが有名な渋谷・松川に注文してるけど、藤井は海老天重(2500円)。去年、初めてのタイトル獲得になった棋聖戦の第2局でも食べた縁起物らしい♪ 勝負メシ、将棋メシ。公式ブログより。
豊島は、うな重・桜(4000円)。夜のNHKニュースウォッチ9では、店主が藤井の選択に驚きつつ、本当はうなぎの方に勝って欲しいんですけど♪、とか微笑んでた。
その後の攻め合いの中で、また豊島の銀2枚が迫って来た時、藤井は5六の腰掛け銀を6七に引いて構えた。最近見なくなってる矢倉囲いの金と銀を3枚とも逆にした珍しい構え。ここではまだ、先手の飛車が7筋や8筋に回って来る筋もある。
ちなみにここではもう、3時のおやつも終了。藤井は不二家のプレミアム・ミルキー・バターサンド。私が好きな、北海道・六花亭のマルセイバターサンドに似た感じ・・とだけ書いとこうか♪ お皿もペコちゃんの柄。豊島は国産フルーツロール。
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私が動画のチラ見を始めたのは、上の局面(88手)。中盤から終盤に向かう辺りで、既に75%vs25%で先手の藤井が優勢になってるけど、人間的にはまだまだ逆転の余地がある。どちらも飛車が使えない状況だし、持ち駒も歩のみ。
先手は右辺で飛車を金と交換してるけど、左の金が4五歩から攻め込んで、上図(101手)ではもう勝ちと言っていい。持ち駒が金2枚に歩が5枚。角も4四や5五に飛び出せるし、4五桂もある。そして実は、AIも気付いてない他の攻めゴマも用意されてた。
上の103手目、9七桂は、AIの候補手だと4番目くらいの手で、指した瞬間は一気に互角くらいの形勢判断になってた。しかしすぐ、40%vs60%くらいまで回復。左の銀を取ると、攻めゴマにして、後手玉を詰ますことが可能になるのだ。
直前にAIが最善手として示してたのは、4四角(など)。ちなみに、AIの判断は秒単位で刻々と変化するから、本当はどれがAI的な最善手かという話は非常に複雑になる。同じ1つのプログラムでもそうだし、プログラムが複数ならさらに複雑。
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そもそも既に両者1分将棋だから、考える時間はほとんど無い。豊島も最善手の5六歩は指せず、悪手らしい3六歩を指してしまった。その後の形勢判断はもう大差になって、まもなく即詰み。
111手、先手の6一銀を見て、後手の豊島が頭を下げた。投了図以下、8二玉、7一角成、9二玉、8二金で、バラして飛車を取って、6二飛とか打てば詰み。
いつの間にかAbemaのデータ表示が詳しくなってて、BEST率というものも出てた。たぶん、その瞬間にAIが最善手としてた手を差した率のことで、序盤はあまり意味がないけど、中盤は63%vs56%、終盤は61%vs50%。中終盤の藤井の強さが数字に表れてた。
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さあ、これで次は、名人戦と並ぶ最高峰のタイトル、竜王戦で4冠への挑戦! 相手はまた豊島で、どうも今年は調子が悪いみたいだし、既に藤井との対戦成績も9勝8敗まで追いつかれてるから、藤井有利だと思う。
4冠になれば、棋界の席次も渡辺明3冠を抜いて、トップに躍り出る♪ 竜王戦・第1局は10月8日・9日の予定。今からワクワクしつつ、ではまた明日。。☆彡
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