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眞子さまの診断名「複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)」と、国際的な分類基準(ICD11英語版、DSM Ⅳ・5)

2021年10月1日、宮内庁は、秋篠宮家の長女・眞子さま(29歳)と小室圭さん(29歳)の結婚を発表。その際、眞子さまが複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されていたことも明らかにされた。下は朝日新聞デジタルより

   

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会見に同席した、精神科医の秋山剛・NTT東日本関東病院品質保証室長が中心となった診断ということだろうか。そもそも、PTSD(Post Traumatic Stress Disorder)は昔から有名な病名だけど、複雑性PTSDという言葉は聞き覚えがない。

   

  

     ☆     ☆     ☆

この診断名は、英語の Complex PTSD の訳語。略すと、C-PTSD。この場合のコンプレックスとは、複合的な状態を表す英単語で、日本語でありがちな劣等感という意味ではない。

    

2018年に発表されたICD11(国際疾病分類・第11版)で導入された新しい診断名で、まだICD11は(2022年頃まで)日本で正式採用されてないはずだから、ちょっと踏み込んだ診断と言える。

  

さらに調べてみると、WHO(世界保健機関)が発表するICDの該当箇所と並ぶ、もう一つの精神疾患(心の病)の診断基準、DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル、米国精神医学会)では、この診断名は見送られてるようだ(後述の英語版Wikipediaより)。したがって、世界の専門家の間でも、この診断に関する合意は十分には形成されてないことになる。

   

ということは、やはり担当する主治医の個人的見解が大きく働いてるのだろう。そこから確認してみよう。   

  

   

     ☆     ☆     ☆

複雑性PTSDの診断に関する発表全文は、以下の通り(朝日新聞デジタルより引用)。

  

 眞子内親王殿下は、ご結婚に関する、ご自身とご家族及びお相手とお相手のご家族に対する誹謗中傷と感じられるできごとを、長期にわたり反復的に体験された結果、「複雑性PTSD」(複雑性心的外傷後ストレス障害)と診断される状態になっておられます。

 PTSDでは、強い恐怖を感じるトラウマの体験のために、トラウマを想起させる出来事の回避、何らかのきっかけによるトラウマの再体験、些細な刺激で強い脅威を感じるといった症状が起こります。

 「複雑性PTSD」は、ICDの第11版で、2018年に新しく導入された診断名です。この診断名は、PTSDと診断されていた方の中で、長期的に反復する、逃れることが難しい人為的なトラウマを体験していて、「自分には価値がないと思い込む」「感情が不安定になる」「他の人との関係を避けてしまう」といった持続的な症状のみられる方を特徴づけるために導入されたものです。「複雑性PTSD」は新しい診断名ですので、現在PTSDと診断されている方の中にも、実際には、「複雑性PTSD」の診断に該当する方がかなりおられると思います。

 「複雑性PTSD」は、言葉の暴力、例えば、ネット上の攻撃、いじめ、ハラスメントなどでも起こります。こういったトラウマを体験すると、どなたでも「複雑性PTSD」になる可能性があります。ネット上の攻撃、いじめ、ハラスメントなどのために、尊い生命が失われていることは、みなさまよくご存じの通りです。

 (引用、終了。赤色の強調は引用者による。)

    

   

     ☆     ☆     ☆

続いて、ICD11の英語原文を見てみよう。数字とアルファベットによる分類記号は、6B41。つまり、心・行動・神経の障害の中で(6)、心理・社会的な神経症的側面が強いものの内(B)、41番目。直前の6B40が、普通のPTSDとなってる。

   

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普通のPTSDに加えて、次の特徴があると書かれてる。改行は引用者によるもの。

   

In addition, Complex PTSD is characterised by severe and persistent

 1) problems in affect regulation;

 2) beliefs about oneself as diminished, defeated or worthless, accompanied by feelings of shame, guilt or failure related to the traumatic event; and

  3) difficulties in sustaining relationships and in feeling close to others.

   

   

大まかに日本語訳を書くなら、(1)感情表現の調節の問題、(2)自分はもう打ちのめされてダメだ、恥ずかしいという信念、(3)対人関係の維持における困難、が重く執拗に続いてるということ。

  

前述の秋山剛医師の、「自分には価値がないと思い込む」「感情が不安定になる」「他の人との関係を避けてしまう」という説明は、ICD11の説明の順番を変えて、(2)(1)(3)の順に平たく説明してることが分かる。

    

   

     ☆     ☆     ☆

最後に、すべての病気を扱うICDよりも専門的な、米国精神医学会の診断基準DSMについて。英語版ウィキペディアのC-PTSDの項目には、次のように説明されてた

   

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つまり、DSM第4版への採用が考えられてたけど、実際には1994年に不採用。続く2013年の第5版でも不採用のままで、結局、PTSDという診断は1つにまとまったまま掲載されてる。下の英語版原書の目次でも確認可能。

   

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とにかく、要するに、深刻な病気だからもっと配慮して欲しいという要請。当サイトでは、これまでもかなり控えめに書いて来たが、より一層注意深く見守ることにしよう。

   

とりあえず、ご結婚おめでとうございます。ではまた。。☆彡

    

       (計 2294字)

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