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原作小説や現実との比較、なぜ日本や関東の沈没を信じるのか、理由とプロセス~新ドラマ『日本沈没』第2話

最近、テレビドラマをほとんど見なくなってる私が、TBSの『日本沈没』を見るようになったキッカケの1つに、朝日新聞・夕刊の記事があった(21年9月22日)。

   

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「生まれては消え 100年の島」、「小笠原の海底火山『福徳岡ノ場』」。その後、10月17日の朝刊にも写真が掲載されたけど、世間的にはほとんど話題になってないというか、全く注目されてない話だろう。だからこそ興味深いのだ。

  

人も社会も、知らない小さな無人島が1つ沈んだくらいでは、何とも思わない。やっぱり、騒がれるためには、人が住んでて、わりと知られてる島が沈む必要があるのだ。そして、「大」騒動になるためには、人がかなり住んでる島がいくつか続けて沈む必要があるだろう。前の沈没が忘れられない内に。

   

    

     ☆     ☆     ☆

そうした観点から考えると、今回の作品の脚本(橋本裕志)はドラマに徹してる。あるいは、娯楽ドラマの代表としての日曜劇場に徹したと言うべきか。要するに、誰にでも分かりやすい極端な展開にしてるのだ。『華麗なる一族』とは違って、あまり必要性のないナレーション(ホラン千秋)もそう。

      

誰も知らないような日之島(日本列島の象徴、伊豆沖)が沈んだだけでも、東山首相(仲村トオル)の記者会見がテレビ中継されてる。首相官邸で、手話までついて、マイクも数本。ライトを浴びながら。

     

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ちなみに、今日(10月20日)たまたま、誰でも知ってて人もいた阿蘇山がかなり激しく噴火。私も観光旅行で火口まで行ってる。迫力あるライブ映像も流れたが、首相の記者会見はまだ無い(選挙で多忙)。官房長官と気象庁の会見があっただけだ。朝日新聞デジタルより

  

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     ☆     ☆     ☆

一方、潜水艇による伊豆沖の海底調査のデータ。直接的には、国土交通省の安藤(高橋努)が改ざんしたようで、折れ線グラフが平坦なまま横に伸びてた。

   

疑問に思った天海(小栗旬)は、複雑な人脈を利用して、海上保安庁がバックアップしてた元のデータを入手。日本未来推進会議の場で、改ざん・偽装の事実を訴えて、本物の折れ線グラフを提示した。途中で沈んでる場所が、スロー・スリップを示すもので、関東沈没につながる証拠らしい。

   

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まだ安藤が自白してない時点で、会議の(悪役みたいな)メンバー達は大げさに驚いてた。ほとんどコメディかバラエティのコントみたいな反応になってる。目を背けたままでうつ向いてる安藤を除けば。効果音や音楽(菅野祐悟)も「ドラマチック」になってた。

   

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     ☆     ☆     ☆

上の反応の時点で、まだ安藤は自白してないから、謹慎処分を受けた天海が1人で独自の説を示しただけ。それで重要な会議の全体がこの反応になるのは、あり得ない。演技派と言われる松山ケンイチも同様で、抑制のきいた演技は悪役・世良教授(國村隼)のみ。演出は平野俊一。

      

そもそも、現実の日本で専門家が正式に唱えてる日本沈没の説でさえ、ほとんど相手にされてないのだ。静岡大学の新妻信明が日本地質学会で2015年に講演。要旨もネットで公開されてる

   

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もちろん、世帯視聴率を見ると、初回が15.8%、第2話が15.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だから、商業的にはここまで成功してる。NETFLIXでの動画配信も成功するのかも知れない。

  

ただ、私はむしろ、小松左京の原作小説(1973年)だとどうなってるのかが気になった。小松は本格派のSF作家だから、ドラマみたいな話にはなってないはず。そう思って、amazonのキンドル読み放題でチェックすると、やはり全然違ってた。

   

   

     ☆     ☆     ☆

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上が、文春『日本沈没 決定版』(電子書籍)の表紙。おそろしく分かりやすいイラストは、この2017年の決定版に合わせて息子の小松実盛が選んだらしい。ただ、小松左京本人も、生頼範義の絵はお気に入りだったようだ。

   

しかし、小説の中身は、ドラマともこの表紙とも全く違ってて、遥かに硬派。専門用語や難しい表現、深い考えが散りばめられてて、ベストセラー&ロングセラーになってるのが不思議なほど。

    

私もまだ少ししか読んでないけど、電子版だと書籍内で検索ができて、スピードも速い。味気ないのは確かだけど、調べる際には非常に便利だ。

   

   

     ☆     ☆     ☆

結果的に分かったのは、そもそも小説だと、日本沈没とか関東沈没のような言葉がしばらく出ないこと。全体の2割くらい進んだ箇所(第二章)でようやく「日本が沈む」という表現が出るものの、田所博士もまだそれほど確信できてないのだ。

   

それが徐々に確信に変わったのは、続けざまに地震関連の出来事が発生したから。大きなものだけ箇条書きにしてみよう。

 

 197X年7月中旬か下旬 小笠原諸島の近くの無人島が沈没

      7月27日   伊豆あたりで大規模な地震と噴火(天城山・三原山など)

      7月28日   浅間山が噴火(長野県・群馬県の境界)

      8月中旬    京都大地震、死者4200人、重軽傷者13000人

   

たった1ヶ月の間にこれだけの事が連続して、おまけに他にも多数の地震(有感)が発生。だから、田所やその周囲は確信を持ち始めて、日本全体もザワついて来たのだ。ちなみにこの辺りが、第二章の最後で、全体は六章+エピローグという構成。

   

   

      ☆     ☆     ☆

さて、あらためて現実の首都圏や日本を見ると、単発のものなら巨大な東日本大震災があったけど、これほどの全国的な連続にはならなかった。阪神大震災と東日本大震災の間も16年ある。

   

というわけで、好調なドラマを受けても、現実の日本には全く動揺がないのだ。先日の「首都直下」の地震はかなり大きかったけど、もうみんな忘れてるだろう。我が家で崩れた荷物は、まだ一部がそのままだったりするけど♪

   

首都圏ではかなり前から、首都直下地震の話があって、数十年以内に数十%で起きるとか言われ続けてる。ところが、首都圏の人口の推移を見ると、ほとんど減ってない。ドラマの「1割」とかいう確率だけなら、ほとんど相手にされないだろう。

   

下の赤い折れ線が東京圏で、コロナに揺れた2020年まで見てもほぼ同様。国土交通省のデータだけど、改ざんはされてないと信じよう♪

  

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      ☆     ☆     ☆

なお、1973年版の映画も、アマゾンのprime videoで無料だったから、前半だけ見た。これもドラマとは全く違うし、小説ともかなり違ってる。全部見た後、映画のレビューも書くかも。

   

ドラマレビューとしてはやや短めだけど、時間はかなりかかってる。今日はそろそろ、この辺で。。☆彡

    

       (計 2629字)

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