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ボクシングのジャブ(jab)の語源、スコットランド英語のジョブ(job、突き刺す)経由の擬音語か~『未来への10カウント』第1話

素晴らしかった。。 松葉台高校テニス部員の中で、先頭の左側で走るポニーテール女子高生の白スコート美脚が♪ そこか! 細かっ!

      

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そこまで限定すると、細かすぎて伝わらないだろうけど、ボクシングの「ジャブ」の語源を正確に解説してるサイトも今現在、まだ見当たらない。「生きる希望を完全喪失している男」、主人公・桐沢祥吾の部屋にちゃんと「サンドバッグ」があったことも気付かれてない。実はまだボクシングへの情熱を失ってないことが、映像的に暗示されてた。

      

放送から丸2日経った土曜の夜でも、まだ(ほとんど)説明されてない事が色々あるみたいだから、サラッとコネタ系レビューを書いとこう。知らない事があると気が済まない折原葵先生(満島ひかり)のために♪

   

「スパーリングって何?」。初心者の質問を思い切りスルーされ続けて、自分でもウケてた(笑)。真面目そうに見えて、ほとんどツッコミ待ちのボケ役。

   

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     ☆     ☆     ☆

さて、キムタク=木村拓哉の主演ドラマ、テレビ朝日『未来への10カウント』。意味深なタイトルになってる。

    

10カウントというのは、ボクシングでKO負けする時にカウントされる数だけど、日本では、ボクサーやレスラーとのお別れ(死亡、引退)の時にも鳴らされる。要するに、終わりの象徴なのだ(海外の事情は未確認)。

     

ところが、「未来への」と書いてるから、始まりも表してる。だから、「未来への10カウント」とは、「始まりへの終わり」という意味だと解釈できる。過去と決別して、新たな人生に前向きにチャレンジすると。

   

  

     ☆     ☆     ☆

タイトルが具体的に何を表すのかは、ひょっとするとまだ、脚本家の福田靖も決めてないのかも。ただ、桐沢祥吾(木村)の最初が絶望状況だったから、テレビドラマの構図としては、最後は明るいハッピーエンドに持って行くのが基本パターン。

  

例えば、桐沢が終盤、現役の最強チャンピオンとボクシングの試合を行って、惜しくもKO負け。リングで倒れて10カウントを鳴らされた後、ボクサーとしては完全燃焼。亡き妻へのお別れの儀式も改めて行って、正規の教師の道に専念するとか。

   

ちなみに公式サイトのイントロダクションには、明快なメッセージが書かれてた。テレ朝らしいとも言える、分かりやすいメッセージと物語が、今の時代に受けるんだろう。一方では、SNSの大量で素早いつぶやきに対応。他方では、超高齢化社会の視聴者層にも配慮。

  

社会全体に閉塞感が漂い、未来への希望が見出しにくい今の時代。そんな中、つい失ってしまいがちな熱い気持ちを思い出させてくれる…! そんな人生の応援歌ともいえる《青春スポーツ・エンターテインメント》」。

  

国語の教師の葵(あおい)がわざわざ「青春」を「あおはる」と読んでたから、「あお(い)はる」は何か特別な意味が込められてるのか。名前と引っ掛けた軽い言葉遊びかも知れないけど、全く気付かれてない♪

   

   

      ☆     ☆     ☆

さて、ボケ役の葵は、ボクシングの素人だから色々と質問して、スルーされてた。仕方なく、古本屋か図書館で昔の参考書を手に入れてて、桐沢が思い切り視線を送ってる♪ 非常に細かい演出と演技だ。初回の監督は、河合勇人。

   

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この本は、藤野敏彦『ボクシング入門』(ベースボールマガジン社)。そのまんまの分かりやすい書名♪ 1990年の出版だから、ちょうど桐沢が高校1年でボクシングを始めた頃の本。偶然なのか、あるいは当時から部室に置いてあったとか。

  

この次の瞬間のカットでも、桐沢は本に目線を送ってたから、撮影時には何かツッコミを入れてて、編集でカットされたのかも。

   

    

     ☆     ☆     ☆

そんな事より、ボクシングのジャブの意味。斜めに構えた時の前の方の手で軽く真っ直ぐ打つパンチのことで、特に高校生ボクシングで重要だけど、なぜジャブというのか、桐沢もその他大勢も気にしてない。ワクチン「接種」や「注射」という意味もあり。

       

マニアック・ブロガーは当然、40分くらい調べまくってる♪ 暇人か! いや、学術的な検索の練習、遊びながらのトレーニングなのだ。英語版ウィキペディアの「jab」の項目の注からジャンプしたのが「Online Etymology Dictionary」(オンライン語源辞典)。動詞(v.)と名詞(n.)の語源が説明されてた。

   

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直接的には、スコットランド英語「job」(突き刺す、の意)に由来。さらに遡ると、中世の英単語「jobben」(突き刺す、つつく)になるけど、そのさらに前は分からないとのこと。仕事という意味の普通の英単語「job」(ジョブ)とはちょっと違う流れらしい。英語版ウィクショナリーの説明も同様。

   

念のため、日本語の専門書もチェック。寺澤芳雄編『英語語源辞典』(研究社)。「job 2」と「jab」の項目に、ほぼ同じ説明があったけど、中世の擬音語「iobbyn」とのつながりも指摘されてた。

  

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日本語の擬音語(オノマトペ)だと、「ズバッ」という感じか。ジョブとズバッ。よく似てる。いいね。次の国際語源学会で研究発表しよう♪ そんな学会、ないだろ! っていうか、中世の擬音語の発音は「イォビュン」だから似てないだろ! 真面目な話、桐沢の人生という闘いにとっては、母校のボクシング部コーチ就任がジャブみたいなもの。

   

単なる用語ではない言葉にも注目しとくと、甲斐誠一郎(安田顕)が自分のジムでミット打ちする桐沢に対して、「もっと強く!」と叫んでた言葉。これは、パンチの威力を上げろという指示だけでなく、もっと強く生きろよ!と励ます言葉にもなってた。

   

       

     ☆     ☆     ☆

言語=原語にこだわった後は、映像にもこだわってみよう。

   

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あまり収入が多くなさそうな桐沢にしてはキレイで大きい部屋。明らかに、ボクシングのジムやリングを意識したものになってる。上図の右上にわざとらしくハンガーで書けてる衣類は、サンドバッグの象徴。部室のリングの横に吊るされてた、黒いサンドバッグを思い出す所だ。

  

四角い窓と、その外枠みたいな部屋の四角い枠組は、明るいリングとその周囲の暗い通路からなる二重の四角を思い出す。

  

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黒っぽい枕も、サンドバッグの象徴。右に90度回転した画像を見ると、ジムの練習で叩き疲れて倒れ込んでる姿に見える。

    

   

      ☆     ☆     ☆

さらに、映像の中での言語情報を見ると、30年以上前の松高新聞の記事。どれも美術さんが丁寧に作ってたけど、ここでは四冠達成(石川国体、高校選抜、インターハイ、山形国体)の前年、石川国体で初めて全国制覇した時の記事を読んでみよう。1991年(平成3年)、おそらく11月号。月刊の新聞らしい。

        

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桐沢祥吾くん(2年生) ボクシング 国体少年の部 優勝!

・・・誰よりもスタミナがあり、最後のゴングが鳴るまでは決して気持ちを切らすこともなく、粘り強い闘いを魅せてくれました・・・」。

   

これは今後のドラマの展開を示してる文章。いつ死んでもいい、今でもいいとか言ってた状態から、粘り強く反撃していくはず。網膜剥離のレーザー治療とか硝子体手術とかにも期待。「闘いを見せて」と書くのではなく、「闘いを『魅』せて」と書いてる辺りも、細かい配慮で、いいね♪

   

 

      ☆     ☆     ☆

部室の壁に掲げられた言葉もほぼ全て引用しとこう。

 

不撓不屈(読み方:ふとうふくつ)」、決して屈しない。「心技体」、「柔よく剛を制す」、「怠け者は不満を語り 努力する者は希望を語る」、「努力をしても 報われるとは かぎらない 報われるまで (以下、見えず)」。

  

ちなみに私自身も、田舎から首都圏に出て来た当時、格闘技をやってた。部屋の壁には、「不退転」の文字♪ 信念を持ち続けて、決して屈しない。

    

格闘技は早めに止めたけど、屈しない精神は保ってるつもりだ。このブログも16年半、毎日続けてる。ブログの時代が終わってSNS全盛になっても、屈することはない。システムが残されてる限り。

  

  

     ☆     ☆     ☆

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まだ2年の可愛い女子高生、水野あかり(山田杏奈)は「強くなりたいから」と語って、桐沢に注目されてた。今の私なら、強くなりたいというより、強いテンションを保ちたい。

  

っていうか、山田杏奈の実年齢は21歳だけど、童顔で制服とリボンが似合うね♪ 桐沢の奥さんの顔と髪型に似てる。若いわりに場慣れした感じだなと思ったら、芸歴11年☆ 人生の半分以上を業界で過ごしてるベテランのプロフェッショナル。

     

とにかく、女子高生に萌えて、細かいボケに笑って、ボクシングに燃えた初回だった。世帯視聴率は11.8%、個人視聴率6.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。それでは今日はこの辺で。。☆彡

  

  

  

P.S. 伝説のカンフー映画『燃えよドラゴン』で、甲斐お気に入りのジャッキー・チェンが、ブルース・リーに首を折られるシーンは多分これだろう♪ YouTubeのインタビュー動画に挿入されてた

  

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cf. 競技人口が非常に少ないボクシング、高校インターハイ(総体)の女子部門は無い~第2話

 残り字数わずか、軽~い感想(『未来への10カウント』第3話)&涼しい11km 

 必殺技?ダンダダン(左フック・左ボディで崩して右フック)、防御とカウンターに敗北~第4話

      

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奇跡のリターンがもたらす輝き~『ロングバケーション』第1話

 夢見る息子vs現実を見る父~『華麗なる一族』第1話

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 脳科学コメディーの綱渡り~『MR.BRAIN』第1話

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 キムタク=木村拓哉主演ドラマ、視聴率の推移&『月の恋人』第4話   

 

 鉄の悲劇から、犬の感動物語へ~『南極大陸』第1話

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      ~『Priceless』第1話

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         (計 4402字)

    (追記143字 ; 合計4545字)

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