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削除された菊池真理子のマンガ『「神様」のいる家で育ちました~宗教2世な私たち~』、全5話の感想

2022年7月8日、安倍晋三・元首相の銃撃殺人事件から、今日で6日目。裁判前でも「犯人」と言ってよいほど明らかな容疑者、山上徹也の動機・背景・理由に関する報道・情報が次々と公開されてる。

    

当初から、政治的信条によるものではなく、宗教団体への恨みや憎悪を安部元首相と結び付けたものだろうと言われてたが、マスメディアは宗教の名前を出してなかった。一部のネットメディアや個人が、団体名を出してただけだから、半信半疑の状態だった。

    

   

     ☆     ☆     ☆

ところが7月12日に、世界平和統一家庭連合(旧・統一教会)が記者会見。平成10年(1998年)ごろから今現在まで、容疑者の母親が信者であることを認めた。途中、10年近くは離れてたようだが、数年前からまた1ヶ月に1回ほど行事に参加してるとの事。

  

家庭の経済的破綻は把握していたそうだが、寄付との関連や金額などの詳細は語らず。今現在は、「高額な献金が要求されることはない」。

   

宗教団体と元首相の間に、直接の関係はないが、友好団体「UPF」(天宙平和連合)が主催する行事に元首相がメッセージを送ったことがあるようで、マスメディアもすぐに確認して報道。

   

さらに、容疑者は別の宗教的な(?)団体とも関連があって、そこが反安倍的な姿勢だったという報道も出てるが、その辺りについてはまだ、今後の情報を待つべきだろう。

   

   

      ☆     ☆     ☆

韓国系の統一教会という団体名がこれほど大きな話題になったのは久々だろうが、そこには名称変更の影響もあったのかも知れない。日本では2015年に、統一家庭連合へと改称。

    

その辺りをネットで調べてると、宗教と家庭の問題を扱うマンガが抗議で削除されたという情報が目に留まった。父がアルコール依存症、母が新興宗教信者だったという、菊池真理子のマンガ。『「神様」のいる家で育ちました~宗教2世な私たち~』。

    

集英社の「よみタイ」というサイトで、2021年9月から月1回の連載がスタート。ところが22年1月の第5回が公開された後、急に連載は中止。公開されてたマンガ5回分は全て削除となった。詳細については、著者も口止めされてるそうで、多くは語らない。

  

ただ、第5回の内容は明らかに、有名な教団を扱った内容だから、強い抗議が来たのだろう。それなら第5回だけ撤回すればよいと思うが、色々と複雑な大人の事情や思いがあるようだ。下は、FLASHの記事より。教団名はカットしておいた。

  

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     ☆     ☆     ☆

削除されたマンガは、ネット上のコンテンツなので、今でもいわゆる「魚拓」として、すべての情報が保存されてる。ほんの少し調べれば、直ちに無料で閲覧可能。あえてここにリンクは付けないが、怪しいサイトでもないし、登録も不要。

    

以下、私の個人的な感想を簡単に書いとこう。ネタバレになるので、ご注意あれ。

  

最初に、誤解を避けるために書いておくと、私は宗教との特別な関わりは全く持ってない。日本人によくある、単なる「葬式仏教」と関わる一般人だが、別に宗教を全体的に批判する立場でもないし、新興宗教の怪しさや問題点だけを強調したいわけでもない。

      

個人的に法事その他でお世話になってるお寺やご住職との関係も良好で、イメージは良い。お葬式を除けば、高額な献金みたいなものも無し。常識的なお布施を、お礼として定期的に渡すだけだ。

    

ただ、削除されてしまった宗教マンガを見ると、興味深い内容で絵も可愛かったので、ブロガーとして軽くまとめて感想を書くだけのこと。もちろん、そのマンガが描いた内容がどの程度、真実なのかも、注意が必要だろう。第三者的に確認できる客観的な根拠を挙げないまま、ネガティブな内容を中心としてるので。

   

  

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21年9月22日の第1話は、「学校行事にイベント、恋愛……すべては『破滅への道』と禁じられた俺の15年間」。マンガの前に、「本作は、取材対象者ご自身の体験をもとに事実を再構成したものですが、人物名は全て仮名です」という注意書きがある。

  

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「生まれてまもない俺」が、「王国会館」で「証人たち」にのぞきこまれるシーンから始まる。これだけでもう、どの宗教かは特定されるが、あくまで名前は出してない。私も書かないことにしよう。

    

「禁止事項だらけで 娯楽ダメ 争いダメ 恋愛ダメ 輸血ダメ 誕生日も正月もクリスマスも祝っちゃダメ」。逆らうと、破滅という考えも刷り込まれてる。この宗派で有名な禁止事項は輸血で、何度もニュースになって来た。

      

母親が強固な信者だったから、幼い頃から布教活動や集会に連れ出されて、(因果関係はともかく)吃音にもなってしまったし、体罰(激しいお尻叩き)も経験。父親は信者ではなさそうだが、妻のやる事に反対はしてない。

   

中学2年でバプテスマ(洗礼)を受けたものの、15歳の時、宗教を止めると宣言。その後、独立して結婚もしたが、母親は自分の妻を勧誘して来たらしい。

  

最後に母親が妻に手渡す小冊子は、私も過去、合計5回くらいは受け取ってる。マンガだと、恐ろしい顔つきの女性として描かれてるが、実際に私が受け取った相手はどれも普通のおだやかな女性(1人か2人)で、しつこい勧誘も金銭の要求も全く無し。書かれてる内容も宗教としては普通。だから、別に擁護するわけではないが、個人的な印象は別に悪くない。

   

   

     ☆     ☆     ☆

10月28日の第2話は、「『手かざし』すれば薬は不要? 苦しみ続けた僕が選んだ生き方」。アトピー性皮膚炎や喘息で苦しんでるのに、薬を使えなくて悲惨だったという話だ。「御み霊」という言葉も出てるから、どの宗教か、ほぼ確定する。

  

これも、母親が熱心な信者で、流産が続いたのがキッカケとのこと。父親も一応、信者だが、医者なので薬の重要性はよく知ってる。迷いとストレスの蓄積が原因なのか、父はやがて「急性心不全」で突然死。自殺をほのめかすような描写になってた。

  

この教団の特徴の一つは、あまり厳しくないことで、男性が大学の「薬」学部に進むと話すとあっさり賛成♪ この辺りから、男性の疑問も広がってた。薬も使ってみると、よく効く。結局、宗教を止めると話した時も、母親はそれほど止めず、悲しい顔を見せただけ。

   

この教団については、かなり前にこのブログで遠回しに書いたはずだが、16年間も毎日書いて来たので、どこに書いたかまだ発見できてない。私のバイト先にこの教団の幹部と自称する人がいて、私も手かざしを受けてるし、その人の家に泊まったこともある。

  

手かざしは全く効果が無くて、1回か2回で終了したが、その人はちょっと淋しそうな顔をするだけ。しつこい勧誘も全くなし。もちろん、仕事は普通に真面目にやってたし、会話も通じるし、普通に感じのいい人だった。だから個人的には、この教団もあまり悪いイメージを持ってない。多少、変わってるなという程度の印象。

     

   

     ☆     ☆     ☆

続いて、11月24日の第3話は、「『お前はサタンだ!』 優しかった両親が豹変……恋愛すると家族全員が地獄に落ちると育てられた『神の子』」。

  

「真のお父様に配偶者を決めてもらい」、神の子が生まれる。芸能人の合同結婚式の話も出てるので、今話題の旧・統一教会だろう。今回は、両親ともに熱心な信者で、神の子である女性が男性とキスしたことがバレた途端、態度が豹変。

  

大学の学生相談室で「あなたはあなたの人生を生きなさい」とアドバイスされたが、一般論であって心に響かず。その後、同じ境遇で育って来て独立した弟から、似た話をされて、こちらは心に響いた。「重みと輝きは 灰とダイヤほど」。相談室のカウンセラーが気の毒になるが、その種のことはいくらでもある。同じ内容でも、話す人によって効果が激変するのだ。

   

私は統一教会そのものとは全く無縁だが、その関連団体みたいなものと1度だけ意図的に接触したことがある。若気の至りで、潜入捜査みたいな感覚だった。今回、それを多少細かく書こうかと迷ったが、とりあえず止めとこう。

     

ハッキリしてるのは、ここでも強い勧誘も金銭要求も全くなしで、宗教に関わる突っ込んだ話も「ほぼ」普通に出来たということ。文字通りの「冒険」みたいなものから生還した後は、何の関わりもない。

   

   

      ☆     ☆     ☆

12月22日の第4話は、「神様は信じてる、でも……厳格なプロテスタント一派の教えに感じた『違和感』」。普通のキリスト教の話だ。

  

女性は、バプテスマ(洗礼)も受けたけど、日曜の礼拝は大変だし、男尊女卑や同性愛否定の考えには違和感を抱く。そして、教会から遠ざかるが、今でも神様は信じてるし、また戻るかも知れない。

  

「子どもができたら神様のことはたぶん教えるだろう だけど信じなくたってかまわない 神様を信じるか どんなふうにつきあうか すべては自分が決めることだから」。

  

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これも、かなり前にこのブログで一言だけ書いた気がする。私も子どもの頃、一度か二度か、近所のキリスト教の集まりに参加したことがあるのだ。子どもたちが集まって、絵本か何かを見ながらお話を聞いて、軽食でくつろいで、おしまい。宗教的なカードみたいな物を見せられた気もするが、よく覚えてない。

    

狭くて暗めの部屋でちょっと妙な雰囲気はあったけど、怖いというほどでもないし、別に何かされたわけでもない。これまた、強い勧誘など一切なし。その後、仲間内で話題になることも無かった。

  

聖書は普通に興味深い書物だし、クリスマスは普通に好きだし、結婚式にも教会が使われる。悪い印象は持ってないというより、むしろ印象はいい。本気で信じる気はないにせよ。。

   

   

     ☆     ☆     ☆

そして最終回となってしまった、22年1月26日の第5話。「母の期待に応えたい……宗教高校一期生として過ごした女性の告白」。

  

スピリチュアル好きの母親が、例の教団の教祖の本にハマって、それが原因か(?)、両親は離婚。でも、シングルマザーの母は、仕事せずに3人の子育て。「母は美人だったんです」。当然、布教には有利で、お金も自然に入って来たらしい。

   

その後、娘は教団の高校に入学。宗教学園の栄えある一期生。閉鎖的な寮生活で、言われるままに東大を目指すものの失敗。他の大学に入ったものの、突然、不安定になって退学届。その後、教祖の長男による暴露も開始。友達はいない。

  

やがて睡眠薬か向精神薬かで自殺未遂。そこからは、周囲の人達がみんなで助けてくれて、生活保護も受給。27歳の今は母と連絡を絶ってる。

 

「なのに今も時々 全部終わりにしたくなるんですよ

 この先 いいことがあるなんて 信じられないんですよ」

  

履歴書の最終学歴その他、自分と教団との関係はどうしても周囲に分かってしまう。「ずっと変な目で見られる」。

  

これは、履歴書にウソを書く手もあるし、それが嫌なら、新たに別の高校の卒業を目指すことも出来なくはないはず。制度的には一応、可能らしい。通信制の私立とか、定時制の公立とかが狙い目か。他に、そのままで受け入れてくれる所を探すことも出来るし、中卒の履歴で通すことも不可能ではない。要するに、生きることは十分可能なのだ。

  

   

      ☆     ☆     ☆

ちなみに、あの教団については、私自身も含めて、周囲で話を聞いたことはない。たまに本の広告を見かけるとか、選挙関連で情報が目に入るとか。

    

それにしても、第5話に強く抗議が入ったらしいのは、女性本人の自殺と、教祖の長男の暴露がらみだったからだろうと思う。しかも、長男の主張は複数の裁判ともつながってるから、教団側も気になるはず。その他の第5話の内容は、それほどインパクトのある批判にはなってない。むしろ、第1話や第3話の方が強烈だった。

     

信者を一人取材しただけでは不十分という、集英社側の主張そのものは妥当だろう。それなら、もう少し取材した上で、あくまでほんの一例だという点を強調して、再び作品を世に問う手はあるはず。現役信者による反論・異論を併記するという、朝日新聞とかがよく使うやり方もある。

  

とにかく、世の中には宗教も信者も溢れてるわけだが、別にその関連での銃撃や殺人が溢れてるわけではない。その辺りは注意しつつ、適度に適切な関心は持ち続けたいと思ってる。

  

予想外に長くなってしまったので、今日はそろそろこの辺で。。☆彡

   

   

P.S. 22年8月17日、このマンガが文芸春秋から出版されるという報道が出た(ねとらぼ)。連載中の原稿に加え、未発表作・描き下ろし計45ページを収録とのこと。

        

        (計 4932字)

  (追記79字 ; 合計5011字)

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