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里見香奈・女流五冠、棋士編入試験3連敗で不合格、「多分、今後考えることはないのかなと思うんですけれども・・」

終局後、里見の記者会見の言葉を正確に聴き取ってるメディアが1つも無さそうだから、最初に私が書いとこう。一番マシなスポーツ報知の記事でも、真意が正確には伝わってない。

   

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どのメディアも、これで挑戦は終わりだと里見が言ったような書き方になってしまってる。かなりズレた省略になってるのだ。しかし実際の記者会見の動画を見ると、まず、「多分、今後考えることはないのかなと思うんですけれども・・」という表現に注目。「多分」、「かなと思う」という、かなりボカした曖昧な表現にしてある。

       

さらに重要なのは、「けれども・・」という逆接の接続語の後のつながり方。要するに、今回はたまたま非常に良い成績で試験の受験資格を取れたけど、今後は地力をつけて普通に勝てるようになりたいという話だった。

   

その先までは言わなかったし、流石にすぐには言えないだろうけど、要するに、普通にコンスタントに男性棋士に勝てるようになったら、その時はまた・・というニュアンスを含んでるのだ。

     

いずれにせよ、しばらくは里見の再挑戦はないとしても、勇気を持って記念すべき一歩は踏み出した。記者会見では拍手はなかったけど、私が拍手しとこう♪ パチパチパチ。ナイス・チャレンジ!

   

   

     ☆     ☆     ☆

では、2022年10月13日に行われた棋士編入試験、五番勝負の第3局について、軽く棋譜や盤面、対局風景を見てみよう。

   

下は終局後の感想戦のアベマ無料動画で、「里見0勝3敗 編入試験不合格」と書かれてる。背景には「負」の大きな文字。事実とはいえ、厳しい世界。スポーツの世界だと、これほどハッキリしたネガティブ表現ではないはず。

     

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相手はまだ20歳の狩山幹生・四段。棋士になって1年だし、人間関係とか社会的には、里見より遥か後輩の立場だ。しかし、実力と棋界のポジションは、狩山の方が遥か上。

    

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上図は後手の24手目。後手の里見はお得意の戦法。中央の位取りから、角道も止めずに強気で指す、「ゴキゲン中飛車」。先手で居飛車の狩山は、オーソドックスに受け止めようとしてる。基本的に、受け将棋の気風らしい。

  

上図の歩の交換から、里見は7六の歩を取ったけど、その後、空中に浮いてる飛車を上手くさばけなかった。簡単に取られてしまって、駒の損得にせよ、働きにせよ、代わりの何かも獲得できず。

    

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上は59手目、先手が8六銀と上がって、端攻めに備えた局面。これは地味で普通の手に見えて、実は悪手。里見が8六同角と取って、4八銀と渋い打ち込みをすれば有利だったらしい。単純な5七銀ではなく、4八銀と溜めて打って、その後の5七歩成や4七飛成を狙う。AI的な正解で、人間にはちょっとボンヤリした銀は打ちにくい。里見の実際の指し手は、7四歩だった。

     

  

     ☆     ☆     ☆

私がabema動画にチラッとアクセスしたのは、上図から少し進んだ後。既に形勢も持ち時間も差が開いてた。里見の残り時間は僅か18分。狩山は1時間28分もある。

    

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上図は79手目。先手が8八銀で、一旦、受けに回った局面。8四香に備えると共に、9七角成の強引な攻め筋も消してる。

  

2六の歩で桂馬を取れそうだし、相手の飛車は手駒にしてるし、形勢判断は明らかに後手不利。21%vs79%の評価値よりも、もっと差が開いてると思う。手数はかかるとしても、先手はゆっくり攻めるだけで、怖くない形。逆転のリスクは小さい。

    

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上図は98手目。先手が6五金で桂馬を取ったから、後手が同銀とした局面。既に、6%vs94%の大差で、評価値のグラフもずっと右上がり。つまり、一方的に先手が勝利に向かって進んでる流れ。

     

   

     ☆     ☆     ☆

いつ投了しても不思議はない局面になっても、里見は投げない。たぶん、残り11分くらいの時、時間を使い果たすまで指そうと決めたんだと想像する。記録係に、残り5分から秒読みしてくれと頼んだ感じだった。

     

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残り5分。1%vs99%の敗勢というか、必敗の状況。上を見上げて、まばたきを繰り返してた。思わずこみ上げて来た、悔し涙をこらえてるようにも見える。負けるにせよ、不合格にせよ、もう少し良い内容の将棋にしたかったはず。

   

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最後は、残り8秒くらいまで待って、里見がペコリと軽く頭を下げた。「負けました」。あれが、里見の投了のクセか。103手にて、先手・狩山の勝利。目下の新人の彼は、勝ったのに深々と頭を下げてる。まるで負けて土下座するような姿勢。向こう側の記録係も深くお辞儀してた。

   

   

      ☆     ☆     ☆

私は・・と言うか、私「も」里見を応援してたけど、狩山も意地を見せたのは立派! ハッキリ言って、解説者も棋界も社会も、大部分は里見の勝ちを期待してるはずだし、自分が勝っても単なる試験監督だからあまり得にならない。

  

しかし、妙な温情は入れずに、全力で持ち味の受け将棋を展開。最後まで緩めず、見事に勝ち切ったのは実に素晴らしい。里見はもちろん、狩山も記録と記憶に残るだろう。

     

里見はまだ30歳。これからの3~5年くらいでパワーアップして、再挑戦を狙って欲しい所だ。制度的にもチャンスはまだ十分ある。とりあえず、どうもお疲れさま♪ それでは今日はこの辺で。。☆彡

    

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