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1~7の数字を並べた整数A、Bの和が9723になるのは何通りか(高校・場合の数)~開成中2023年入試、算数・問題5の解き方

今年(令和5年)も、開成中学の入学試験が終了。算数の問題だと、最後の問題5が面白そうに見えましたが、解いてみると、ここ最近の面白問題の中では最も簡単だと感じました。元々、例年のような難問ではない上に、親切で分かりやすい誘導がついてます。解き方を教えてくれてるのです。

      

ただ、それは私が高校数学を知ってる大人だからかも知れません。問題文の中で丁寧に解き方が説明されてますが、それは高校1年の数学の「場合の数」と呼ばれる所で本格的に扱われる話で、高校1年生にとっては教科書の章末問題くらいのレベルです。

   

しかし、それを優秀な小学生がどう感じるのかはよく分かりません。確かに、もし自分が小学6年生の時なら、かなり難しく感じるでしょう。そもそも問題文も長いし、時間も短いので。

   

   

     ☆     ☆     ☆

それでは、問題5の(1)から、解法や考え方を解説して行きます。問題文はいつものように、四谷大塚HPから引用させて頂きます。

   

[5] 1、2、3、4、5、6、7 の7種類の数字のみを並べてつくられる整数 A、B を考えます。例えば、5、73、1422 は整数 A、B としてふさわしいですが、8、939、4016 は 8、9、0 の数字をふくむので整数 A、B としてふさわしくありません。

 整数 A、B の和で新たな数をつくることを考えます。例えば、A + B = 20 になる A、B の組は、次の表のように 10通り考えられます。

   

230204a

  

次の空らんア~キにあてはまる数をそれぞれ答えなさい。

      

(1) A + B = 96 になる A、B の組について考えます。A、Bの一の位の数字は、その和が6になるので、次の表のように5通り考えられます。

 

230204b

    

このうち、Aの一の位の数字が 5、B の一の位の数字が1であるものを調べると、A、B の十の位の数字は,その和が9になるので、次の表のように6通り考えられます。

   

230204c

   

このことから、A + B=96 になる A、B の組のうち、Aの一の位の数字が5、Bの一の位の数字が1であるものは、6通りあることがわかります。

これを参考にして考えると、A + B=96 になるA、Bの組は [ア] 通りあることがわかります。

    

  

(解答) 同じように考えると、「A の一の位の数字が 4、Bの一の位の数字が2であるもの」も6通り。「Aの一の位の数字が 5、B の一の位の数字が1であるもの」も、「Aの一の位の数字が 5、B の一の位の数字が1であるもの」も、「Aの一の位の数字が 5、B の一の位の数字が1」であるものも、それぞれ6通り。

よって、全部で、6×5=30(通り) ・・・アの答

   

   

     ☆     ☆     ☆

(2) A + B=971 になるA、Bの組について考えます。

971=960 + 11 に着目して考えると、A、Bの一の位の数字は、その和が11になるので、次の表のように4通り考えられます。

  

230204d

     

また、(1) の結果を参考にして考えると、A + B = 971 になる A、B の組のうち、A の一の位の数字が7、B の一の位の数字が4であるものは、[イ] 通りあることがわかります。
これを参考にして考えると、A + B = 971 になる A、B の組は [ウ] 通りあることがわかります。

   

  

(解答) A、Bの十の位と百の位だけで考えると、A+B=960となる組合せは(1)より30通り。

よって、A の一の位の数字が7、B の一の位の数字が4であるものは、30通り。 ・・・イの答

   

一の位の数字の組は4通りあって、どれも同様なので、

A、Bの組の全部は、30×4=120(通り) ・・・ウの答

   

   

    ☆     ☆     ☆

(3) A + B = 972 になる A、B の組について考えます。

A、B の一の位の数字は、その和が12と2のどちらかになるので、次の表のように4通り考えられます。

   

230204e

      

● A + B = 972 になる A、B の組のうち、A の一の位の数字が 7、B の一の位の数字が5であるものは、[エ] 通りあります。

● A + B = 972 になる A、B の組のうち、 A の一の位の数字が 1、Bの一の位の数字が1であるものは、[オ] 通りあります。

これらを参考にして考えると、A + B = 972 になる A、B の組は [力] 通りあることがわかります。

   

  

(解答) A の一の位の数字が 7、B の一の位の数字が5であるものは、十の位と百の位だけで考えるとA+B=960だから、(1)(2)より、30通り。 ・・・エの答

同じく、A の一の位の数字が 6、B の一の位の数字が6であるものも、30通り。A の一の位の数字が 5、B の一の位の数字が7であるものも、30通り。

  

次に、 A の一の位の数字が 1、Bの一の位の数字が1であるものについて考える。十の位と百の位だけで考えると、A+B=97。(見方を変えると、970。)

よって、十の位だけの和なら7だから、A+Bの十の位は、6+1、5+2、4+3、3+4、2+5、1+6の6通り。

また、百の位だけの和なら9だから、A+Bの百の位は、7+2、6+3、5+4、4+5、3+6、2+7の6通り。

したがって、A の一の位の数字が 1、Bの一の位の数字が1であるものは、6×6=36(通り) ・・・オの答

  

以上より、A + B = 972 になる A、B の組は全部で、30×3+36=126(通り) ・・・カの答

 

      

     ☆     ☆     ☆

(4) A + B = 9723 になる A, B の組は [キ] 通りあります。

    

(解答) まず、A+Bの一の位は、7+6、6+7、2+1、1+2の4通りある。

A+Bの一の位が7+6か6+7の場合、十の位以上だけで見ると、A+B=971。

よって(2)より、それぞれ120通りある。

  

次に、A+Bの一の位が2+1か1+2の場合、十の位以上だけで見ると、A+B=972。

よって(3)より、それぞれ126通りある。

  

以上より、A+B=9723になるA、Bの組は、

 (120×2)+(126×2)=492(通り) ・・・キの答

   

   

     ☆     ☆     ☆

この問題には、何か隠された意味とか背景があるような気もしますが、今のところ分かりません。サイコロの目(1~6)に、7を加えてヒネっただけかも知れません。1~6だけだと、最後の7+6とか6+7という話が使えないので、もっと簡単になってしまいます。

    

ちなみに高校ではよく、A、Bを作る数字に0を入れた問題が出ます。その場合、左端(先頭)の数だけは0が使えないから、ちょっと面倒になります。左端だけ別扱いにするわけです。この問題の最後の(4)なら、左端の千の位だけは数え方をちょっと変えるということです。

   

ともあれ、受験生やご家族、学習塾などの皆さん、どうもお疲れさまでした。それでは今日はこの辺で。。☆彡

    

     

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