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戦場の男性(彼)への思いをのせた乙女の軍歌『カチューシャ』、ロシア語から英語への直訳で意味を解釈

一昨日(2023年2月23日)、NHK『ニュースウォッチ9』を流し見しながらPCをいじってると、冒頭から聞き覚えのあるメロディーが流れて来た。有名なロシア民謡だろうとは思うけど、曲名は分からない。

    

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ウクライナ侵攻1周年を前に、ロシアのモスクワでイベントが開かれて、「全員で戦地にいる兵士を思うロシアの有名な楽曲を合唱しました」。最後はプーチン大統領も登場、祖国と家族を守ろうと、檄を飛ばしたと。

  

産経新聞によると、このイベントは「祖国防衛の日」2月23日(祝日)の前日、22日にモスクワ中心部に近いルジニキ競技場で開催されたもので、若者向けのコンサートみたいな催しとのこと。

   

   

     ☆     ☆     ☆

有名なら曲名くらい出せばいいのに、西側の国営放送NHKとしては、悲惨な戦争と曲名を結び付けたくないということか。

   

マニアック・ブロガーとしては直ちに検索開始。Youtube動画で『カチューシャ』だと突き止めた後、歌詞の意味とか、髪飾り(ヘアバンド)のカチューシャとの関係とか、色々と調べることになった。

    

先に、ファッション用語としてのカチューシャについて簡単にまとめると、そもそも歌とは関係ないらしい。トルストイの小説『復活』のヒロイン、カチューシャの名前が、日本の舞台で演じた女優・松井須磨子の髪飾りと結びついたとかいうお話。

   

日本語のウィキペディアも含め、少ない情報が錯綜する中、最も信頼できそうなのは東京新聞の記事だろうか。とりあえず、今はこだわらないことにしよう。

    

    

      ☆     ☆     ☆

一方、歌詞の意味について。日本語のウィキは、もともと2番までしかなくて、ハッキリ戦争との関係を語る言葉はなかったと説明してるけど、何を根拠にしてるのか出典がついてないし、英語版ウィキにもフランス語、ドイツ語ウィキにも、そのような説明は見当たらない。

   

ここでは、4番までのロシア語を英語に直訳した(ように感じられる)歌詞の一種(ヴァージョン2)を参考に、私が日本語訳と感想を書いてみよう。世界中のサイトに各国語の歌詞が溢れてる100年近く前(1938年)の曲なので、著作権はあまり気にしなくていいと考える。

    

ちなみに、わりと有名な日本語の歌詞(関鑑子;り~んご~の花ほころ~び~・・)は、かなり意訳や省略が入ってるように思われる。特に、戦争とか兵士を思わせる言葉を全てカットしてるようだ。ある意味、非常に上手い和訳ではある。

    

   

      ☆     ☆     ☆

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 リンゴと梨の花が咲いた

 川には靄が立ち込めて来た

 彼女は川辺にやって来た カチューシャ!

 高い土手、険しい川岸に

   

 美しい故郷の姿と、霞(もや・かすみ)や高く険しい土手の対比が鮮明。もちろん、靄や土手は、遠くの厳しい状況を暗示する詩的表現。ちなみに、リンゴや梨の花が咲くのは春。桜の後くらいの時期らしい。

    

 彼女は歌いに来た

 若い友人 草原の青みがかった鷲のことを

 唯一 彼女が心から愛する人

 もらった手紙を大切な宝物にしてる相手

   

 2行目がちょっと変わった歌詞だけど、ロシア語で3行目に合わせて韻を踏んでるような気がする。青という色は、赤と共に国を表す色かも知れない。この記事冒頭のNHKの映像を参照。ロシアの国旗は、白・青・赤。青色は、名誉と純潔性を表すとのこと。

    

    

     ☆     ☆     ☆

 おぉ 少女の歌よ

 輝く太陽まで飛んで行け

 彼方の戦地にいる戦士を見つけて

 ずっと待ってるカチューシャの言葉を届けて

  

 4行目のカチューシャと訳した言葉は、カーチャ。どちらも、同じエカテリーナという名前を元にした愛称らしい。日本語なら例えば、まさこという名前を、まちゃこ、まこ、と略すようなもんだろう。

   

 彼が 若き乙女のことを思い出すように

 彼女がいま歌ってる声を届けて

 彼に 母国をしっかり守らせて

 愛は カチューシャが守るから

    

3番と4番は、この英訳で読む限り、いわゆる擬人法だろう。空高く飛んでいく歌声を、メッセンジャーみたいにとらえたもの。

  

手紙とかメールの類と違って、歌声は本人とつながったまま遠くに拡散する所が特徴的。短時間で消えてなくなる所も、人間的で切ない。。

  

   

      ☆     ☆     ☆

カチューシャの曲のウィキペディアは、世界51ヶ国の言語で書かれてる。それだけ普遍的な思いを乗せた名曲ということ。恋人や家族への思い、祖国への愛。政治・社会の態勢も、時代や人種も無関係。

       

いつ、どこでも、カチャーシャや彼が無数に存在してることは忘れないようにしたい。それでは今日はこの辺で。。☆彡

     

     (計 1827字)

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