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60周年を迎えた日本初の深夜アニメ『仙人部落』(エイケン、1963年)、映像も脚本も完成度が高い大人向けコメディ♪

先日、今年(2023年)1月の朝日新聞を片付けながらチラ見してたら、「日本初の深夜アニメをYouTubeで」という見出しが目に留まった。1月22日の朝刊。

  

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小島功による原作は、1956年から2014年まで長期連載された4コマ漫画。それをCM制作会社のTCJ(現在のエイケン)が各話15分のモノクロ(白黒)テレビアニメにして、当初は深夜23時40分から放送。

    

今年は60周年だから、youTubeで少しずつ期間限定公開してくれてるらしい。エイケン公式チャンネルを参照。アニメは全23話で、DVDも販売されてた。

  

    

      ☆     ☆     ☆

60年前に深夜アニメを見る大人がどれだけいたのか知らないけど、あまり期待せずにアクセス。予想より遥かに完成度が高くて驚いたので、遅まきながらレビュー記事にしとこう。ネタバレになるので、ご注意あれ。あらすじは最初から最後までまとめる。

    

映像作品の形がシンプルに隅々まで出来上がってるという意味では、現在の複雑なカラーアニメや映画より上だと思う。見事な完成度☆

   

ちなみに、小島功というと、日本酒の黄桜のCMや広告が昔から有名。公式サイトには特設ページまで作られてた。鳥獣戯画とか江戸の浮世絵みたいな独特の趣がある。子どもたちの描き方もカワイイ♪

   

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『仙人部落』の原作(4コマ漫画)の単行本(徳間書店)はこんな感じらしい。amazonより。やはり美女が中心なのかも♪ 裏表紙を見ると、若い仙人が主役ということか?

         

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      ☆     ☆     ☆

私がじっくり拝見した第1話では、若い仙人は脇役というかチョイ役で、もっぱら年配の仙人がメインになってた。

    

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冒頭は巻物を開いていく形になってる。要するに、この物語全体が古い巻物に書かれてるお話だということ。古典的で神秘的、東洋的なBGMの合間に、若い女性の官能的な溜息が入る♪ これ、家族持ちの男性視聴者はイヤホンで聞いてたのか、それともテレビに毛布や布団をかけてたのか(笑)

      

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靄に覆われて、奇妙に鋭い山が並ぶ中、階段や建物が見える。登った所に「仙人部落」があるという設定か。

  

ちなみにこの山々の形はおそらく、中国の有名な景勝地・桂林(グイリン)を意識したものだと思う。下はJTBのサイトより。

   

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私がここを知ったのは、確か、新宿あたりの(?)絵画展だった気がする。感動して、画集まで買って、バイト先で友人I君に見せたら彼も「凄い!」と気に入ってくれて、貸すことになったほど。

    

そう言えば、展覧会の類にもしばらく行ってない (^^ゞ 仕事が忙しくなったし、スポーツとブログを始めたから、時間の余裕が無くなったのだ・・ということにしとこうか♪ それだけじゃないけど。。

   

   

      ☆     ☆     ☆

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第1話、「スタミナアンプルの巻」。少しも仙人っぽくないタイトル♪ 60年前に、アンプル剤とか栄養ドリンクはもう一般的だったのか。私も昔は飲んでたけど、その後、コカコーラがメインになって、今はコーヒーのカフェイン中毒。家の食料が無くなることはあっても、コーヒーが切れることはない(笑)

     

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美女(若い仙女?)が川か湖か池みたいな所の脇に座って、服を脱いで飛び込む。いわゆる、ツカミ♪ それを最初に見つけたのは、キジみたいな鳥だけど、仙人の化身だったのかも。仙人はみんな変身できるらしい。それなら、アンプル剤は要らないと思うけど(笑)

        

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それを見た太った仙人は、ちょびヒゲを生やした魚に変身してのぞき見しようとする。ところが、メガネを忘れて見えず♪ メガネを取りに岩の上へ帰って、また水の中に入ると、既に美女は水浴びを終えて服を着てしまった(笑)

   

   

      ☆     ☆     ☆

おまけにそこへ、若くてノリの軽いイケメンが登場。ラジオの音楽を聴きながら、美女とラブラブに。さらに、別の天女みたいな美女も加わる。仙人(せんにん)だから、3人(さんにん)だと♪ ダジャレか!

      

年配の仙人がその様子を見て、俺だって・・と言うから、3Pに加わろうと頑張るのかと思ったら、向かった先はキャバレーみたいな店♪ しかも、その場に全く溶け込めず、落ち込んで家に帰ると、「巨大な」妻に怒鳴られる。どこ行ってた? 浮気? 毎晩毎晩! いい年して飲み歩いてばかり!

   

小人になった仙人は、「男のプライドを傷つけ」られて、トボトボと林道へ。するといきなり、知らない男が現れて、怪しいお店に勧誘。急に浮かび出たダイヤル式電話をかけた後、地下にエレベーターで降りると、大勢の男女が「酒池肉林」状態。

   

ところが、仙人はすぐ酒に酔ったのか、それとも編集でカットされたのか、いきなり画面が切り替わって、俺はダメだな・・とか言いつつ、またトボトボ。すると、道端の花が美女に変わって、誘ってくる。抱き合って楽しもうとした途端、美女はすぐに老婆の姿に。老婆の胸まで透けて見える (^^ゞ

   

老婆の仙女が、冥途への土産にしたかったらしい。そのまま死んだのか、しおれた花になってしまった。花の命は短ぇなあ。。 っていうか、仙人も死ぬわけね。

   

       

     ☆     ☆     ☆ 

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このままではダメだと思った仙人は、老師を訪ねて、不老不死の薬の作り方を書いてる秘伝の書を授かる。ミキサーにヘビとか色々と入れて混ぜて、アンプル剤が完成。半分だけ飲めば、十分効くらしい。飲んだ途端に、画面には宇宙ロケット(笑)。当時から元気な男のメタファー、比喩だったと。

    

ちなみに初の宇宙ロケットは、1957年のスプートニク。初の有人宇宙飛行は1961年。いずれもロシアで、ライバルの米国もアポロ計画を急ぐことになった。

          

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半分飲めば十分効くらしい。不老不死だから、上から物が落ちて来ても、ピストル(短銃)でこめかみを打っても大丈夫。水中でクジラに飲み込まれても、潮吹きと共に脱出♪ 雷さまの電撃を受けてもビクともしない。

    

驚いた雷神が、美しい娘(?)を下界に送り込んで、ウインクの色仕掛けを試すと、不老不死の仙人も興奮しすぎたのか失神♪

   

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そこへ、残り半分のアンプル剤を飲んだ巨大な妻がやって来て、興奮しながら夫を抱っこして帰る。色々と家の仕事を命令してるけど、全部終わったら、夜は凄いことになりそう。。♡ 最後はキレイに、2人が画面の左端へと小さくなっていくのだ。周囲には何もなし。

   

     

      ☆     ☆     ☆

こうゆうシンプルなエンディングの形は、映画でもかなり珍しいかも(未確認)。古い映画だと結構あるのかな。西部劇『シェーン』(1953年)の最後とか♪ amazonのprime videoより。今後の研究課題としとこう。

     

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とにかく、良いアニメだなと素直に感心した。サザエさんもそうだけど、シンプルな絵というのはもっと評価されていい。また長くなって来たので、今日はそろそろこの辺で。。☆彡

    

       (計 2728字)

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