半世紀前(1967~70年)のミニスカート大流行、ツイッギー来日、マリー・クワント、日航制服~NHK『アナザーストーリーズ』
昨日(2023年3月17日)の夜、家で雑用しながら、NHKプラスの動画でも見ようかと思ってチェック。目についたのが、『アナザーストーリーズ』だった。
朝日新聞のテレビ欄では、ちょっとだけ短めのタイトルで、「ミニスカートブーム! ツイッギー来日の衝撃」。実際の放送番組だと、「ミニスカートがやってきた! ~ツイッギー旋風とその時代」。
ここ数年、何度か見聞きしてる話題だけど、テレビで見たことはない。試しに見たら、面白かったので、ごく短い感想記事にまとめとこう。マニアックな男性ブロガーの視点で♪
ちなみに、番組のディレクターやプロデューサーは女性。登場人物も含め、全体の内容もかなり女性的に作ってたと思う。もし男性目線で、女性のミニスカのドキュメンタリー番組を作ると、かなり違う内容になるはず。性・エロス・セクシュアリティの観点も重要なのだ。
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基本的に、番組の進行に合わせて、縮小キャプチャー画像と一口感想をつなげて行く。
「今から半世紀前に日本の女性たちの間で」。番組の中心は、1967年~1970年の日本。海外(欧米)だと、この10年前くらいに流行り始めてたようだ。当時は情報源も限られてるし、極東の島国ではかなり遅れてしまう。
進行役は、長谷川理恵(笑)・・じゃなくて、松嶋菜々子。彼女も、身長が高いこともあって、昔の美脚タレントの代表の1人だろう。「視点1」は、英国の十代の華奢な女の子、ツイッギー。
美脚といっても、女性はかなり細めのものを好むけど、男性はそれほどでもない。ツイッギー(twiggy:小枝のような)という愛称で知られるレズリー・ホーンビーは、体質的に極端にスレンダーで、折れそうな脚。細すぎると感じるのは私だけじゃなくて、本人もかなり食べる努力をしてたようだ。ちなみに、名詞形の twig なら、小枝・細い枝という英単語。
上は、番組で映された令和の(?)若い女の子。折れそうには見えない太さのふくらはぎと太腿、膝を、厚底ショートブーツと膝上20cmの超ミニでコーディネート。私には、こちらの方が遥かに魅力的な美脚。
☆ ☆ ☆
女性誌の競争で苦戦する中、『女性自身』の編集長・櫻井秀勲がヨーロッパ視察。ツイッギー人気を偶然、知った後、全面的にブームを仕掛けて成功。部数は50万から、150万へ。
その年にすぐ、「ミニルック」ブームが話題に。下の東レ(東洋レーヨン)が『女性自身』に注目。他に、自動車メーカー(トヨタ)と製菓会社(森永)も参加して、日本に呼び寄せたらしい。3週間で、15万ドル。現在の価値なら、3億円! 期間が大幅に違うけど、前年のビートルズの2倍以上の金額。
ツイッギーという愛称は、3年後に発売された森永の人気チョコ『小枝』の名前にも影響したようだ。
東レは翌年、アツギと組んでパンスト(パンティストッキング)を売り出そうとしてた。ミニスカが流行れば、それまで普通だった太腿までのストッキングだと留め具(ガーター)が見えてしまうから、パンストが売れるだろうと。
APS(アツギ・パンティ・ストッキングの略)。当時の素材技術で17デニールの薄さの化学繊維だと、耐久性が気になる。というか、素材メーカーにとっては、ミニスカ+パンストより、袖や裾が長いロングの洋服の方が、利益が上がるような気もする所。
ちなみにパッケージ写真だと、パンストの下には下着をはいてないように見える。パンティ+ストッキングだから、下着なしが本来の姿か。
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1967年10月18日の「ミニの女王」来日の際、ツイッギーはミニスカじゃなかった♪ これはPRとしてはちょっと甘かったかも。おまけに、マネージャーでもある彼氏と2人きりで、周囲は不安だったらしい。当時、より正しい発音で、「トゥイギー」とも報道されてた。
ところが、流石はトップモデル。多数のショー、イベントは大成功。ミニスカ、ミニワンピース以外に、ロングドレスやパンツスタイル、着物姿も披露。上の写真は、『女性自身』が読者1000人を招待したファッションショーか。
同じ年、前年発表の曲『こまっちゃうナ』で、山本リンダが紅白歌合戦に出場。和製ツイッギーとも呼ばれたそうで、国営放送の看板番組でも極端なミニが許されてる。ツイッギーとの共演もあった。
今から見ても、山本はハイレベルなアイドルだと思う。実際、半世紀以上経った今でも、まだ現役。一方、ツイッギーの現在の姿は映されなかった。
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「視点2」は、ツイッギーらにミニスカをはかせて世界に発信・アピールした、英国のマリー・クワント。若者目線の新しいデザイナーだったらしい。可愛いお花のシンボルマークだけは、私でも知ってた。
オートクチュール(高級仕立服)の大御所、ココ・シャネルに嫌われてた様子が強調されてたけど、当時のシャネルは既に80歳くらいで、死の直前の高齢女性。新しいミニスカブームを批判するのは、自然な保守かも。
視点3は、森英恵(もり・はなえ)による日本航空(JAL)5代目の制服。これはあまりに有名で、説明不要なほどだけど、画像・映像には目新しいものも多かった。
上は、ドラマ『アテンションプリーズ』(1970年)の撮影風景(笑)・・じゃなくて、本物のスチュワーデス達みたいだ。ちなみに日本では、80~90年代まで、スチュワーデスという昭和の呼び名が残ってた。小説・ドラマの『スチュワーデス物語』は1983年。
しかし、その後はキャビン・アテンダント(CA)、フライトアテンダント、客室乗務員などに変わってる。さすがに平成後半~令和になると、「スッチー」という略語も全く聞かなくなった。番組には、各種制服と共に、50年後のスッチー3人も登場、皆さん、今でもお綺麗だった。
そう言えば、平成で話題になったスカイマークのミニスカ制服はどうなったのか。そう思って調べると、そもそも、その後の情報が非常に少ない。
ただ、あれだけの批判を浴びるとさすがに僅か2年で変更されてた・・と書いた後で調べてみたら、当初から短期間のキャンペーンの予定で、しかも20代の客室乗務員が対象とのこと。ミニスカは2014年から2016年まで。aviation wire より縮小引用。
☆ ☆ ☆
番組の最後は、多様なファッションの中、かなり短いミニスカの女性を真ん中に小さめに映してた。上手い演出。
上からのカメラでこの映りだと、下から映したら超ミニフレア(プリーツ)。ヘッドフォンして、1人でスタスタ前に歩く姿は、非常に現代的でもある。これも、「小枝みたいな」折れそうな細さではない、しっかりした美脚。
☆ ☆ ☆
なお、番組では、ミニスカがウーマンリブ(女性解放運動)につながったような説明もあったけど、それは単純すぎるから保留しとこう。
むしろ、女性も含めて、抑圧されて来た人々に関する自由・平等の大きな流れがあって、その表れの2つがミニスカとウーマンリブだと思う。令和の今では、逆に、スカートは履かないという姿勢として表れてるとか。
まだ土曜なのに、既にブログの週間制限字数を超えてしまったから、今日はそろそろこの辺で。。☆彡
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(追記46字 ; 合計2945字)
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