藤井五冠、簡単な15手詰を逃して渡辺名人に敗北、六冠はお預けで大きく溜息・・~棋王戦・第3局(2023年)
アーーーッ?! 最後、abemaのLIVE動画を見ながら、思わずホントに声をあげて叫んでしまった。少し後、何と、藤井聡太五冠も大きな溜息をついて、集音マイクに拾われてたほど♪
既に時間がない1分将棋になってたのに、おしぼりかウェットティッシュで顔を拭いて、天井を見上げたり、ガクッとうなだれたり。女性ファンにとっては大サービス、萌え萌えシーン(笑)
大逆転勝ちで最年少六冠。ニュース的にはインパクトがあったのに、苦しい将棋の終盤でたった一度だけ訪れた大チャンスを逃してしまった。しかも、絶対の自信と実力を持つ、終盤の詰将棋でのミス。
今日は将棋の記事を書く予定はなかったけど、形勢判断を示すAI評価値が、99vs1 → 1vs99 → 99vs1 と2回、大逆転するのは珍しいので、その美味しい部分だけまとめとこう。もし結局、棋王位を取れなかったら、歴史的な痛恨のミスとして語り継がれるはず。
つい先日、朝日杯の準決勝で豊島九段が即詰みを逃したおかげで、藤井は優勝できたばかり。やっぱり、将棋の終盤は怖いのだ。囲碁と違って、たった1手のミスで優劣がひっくり返ってしまうから。。
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上図は、147手目、先手(手前)の藤井五冠が4二角成とした所。これは当然、即詰みでの大逆転を狙ってたはず。AI評価値は、渡辺99vs藤井1。
後手の渡辺は、4八金とか3七桂打とか、攻めて勝つ手は色々あった。攻防の2六金でも勝ち。ただ、先手玉に詰みはないし、両者1分将棋で考える時間もない。
渡辺が実際に指したのは、AIが示す候補手5つに入ってなかった、2六桂。評価値は一気に、64vs36くらいまで接近。
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さらに、藤井の4八金に対して、1七金と打ったのが致命的な悪手(上図)。同香、同桂成で、評価値は大逆転。1vs99になってしまった。後手玉は15手詰めだから、先手必勝・・のはずだった。藤井の詰将棋の実力は、昔からNo.1として有名。誰よりも速くて正確。
AIが示してた手順は、2四馬、同玉、2五歩、同玉、3七桂、2四玉、2六飛、2五角、同飛、1三玉、2二銀、1二玉まで。以下、1一銀成、同玉、2二金打で計15手。これは、たかがアマチュアの中級者レベルの詰将棋だろう。
藤井の153手目(上図)は、確かに2四馬。同歩ならすぐ詰むから、後手の渡辺は同玉の一手。
六冠誕生☆・・と私が思ってたら何と、藤井の155手目は2六飛! アーーッ! といっても、私はその瞬間、変化を読み切ってたわけじゃない。ただ、AIの終盤の評価値はほぼ正しいということを経験的に知ってるだけ。
推移のグラフは、下図のように、大きく上から下に振れ戻してしまった。これ以降はもう逆転なし。
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2六飛に対して、2五香、同飛、同玉、3七桂、1六玉、2五銀、1五玉と進んで、詰まないことはハッキリした。大量の駒を渡してしまったから、先手玉はもう守りようがない。
では、例の15手詰に戻って、3七桂に1六玉と逃げたらどうなるのか? 実は、1分将棋だとちょっとうっかりしそうな手順になる。
1六玉、2六飛、同玉、3八桂、2七玉の時、1六銀と打てば詰む。同玉なら2六金。同成桂なら2八金。1八玉なら2九金。この手順だと13手詰になるから、AIとしては長い15手詰の方を正解として表示してたと。
はたして、藤井は1六銀を見落としたのか、あるいは、2六飛でも詰むと誤解したのか。対局後の藤井は、(表面的には)大人のサバサバした態度で、ずっと苦しい将棋だったから仕方ないとか語ってた。10年前の泣き虫少年も、立派に成長♪
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その後、大盤解説場に顔を見せた時は、可愛いエリリン(山口恵梨子・女流二段)が「皆さん、どうでしたか~♪」とか語りかけて、割れんばかりの拍手が続くことになった。
案外、あらかじめ練習してたとか(笑)。観客入りのバラエティ番組ではよくあること。・・っていうか、日本将棋連盟もまもなくルール変更するし、マスク姿もこれから急激に減るのかね?
第3局の全体は、名局というよりむしろ、長手数の乱戦。とはいえ、面白いといえば面白い、すごく人間味のある大熱戦だった。いずれAIも、わざとこんな将棋を指し始めるのかも♪ 勝利よりも、人間ウケを狙って。
人間世界では、人間の感情による評価値も重要だから。まあ、人間が消えた後なら、あるいは、現在の人間的な感情が消えた後なら、話は別♪ それでは今日はこの辺で。。☆彡
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