亀梨お気に入りの80年代カラーコミック『ハートカクテル』と、名作「思い出ワンクッション」(Eテレ『スイッチ インタビュー』)
(☆3日後の追記: 新作アニメ『ハートカクテル カラフル』のレビューを新たにアップした。
『ハートカクテル カラフル』全5話、軽~いレビュー )
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先週、NHKで放送延期になった時にたまたま知ったアニメ番組、『ハートカクテル』。亀梨和也が声優を務めるということで、昨日の夜のEテレではPR番組が放送された。前の週に続くエピソード2だけど、私はエピソード1は気付かなかった。2話とも、去年の番組の再放送。
これまた全く知らなかった、『スイッチ インタビュー』。インタビュアーが固定されてなくて、色々な有名人の間でスイッチ(交代)されるというのが基本的に意味らしい。
ただ、今回の番組と英単語 switch の意味から考えると、インタビュアーとインタビューされる人との役割の交替も意味してるのだと思う。上の画面では、礼儀正しい亀梨が深々と挨拶♪
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基本的には、亀梨が原作者・わたせせいぞうにインタビューする形だけど、その中で、亀梨の思いもかなり表現されてた。個人的に原作コミックがお気に入りみたいで、仕事が忙しくて大変だった頃、先輩俳優の北村一輝から紹介されたらしい。ピッタシのアドバイスで、いいね。
今、2人の共演を検索すると、すぐにヒットしたのは2011年のテレビドラマ『妖怪人間ベム』。なるほど。懐かしい。。♪
私事だけど、あの頃はまだSNSが流行ってなくて、個人ブログにも需要がかあったから、ウチのレビューにも大勢の読者が集まってたのだ(過去形・・笑)。特に第1話のレビューはヒット。掲示板や東アジア(韓国・台湾・中国)のブログで褒めてくれてるのを見た時は嬉しかった。当時は、アジアのファンとのやり取りまで時々あったのだ。
一方、ウチのブログ内で「ハートカクテル」を検索してみたら、2つの記事がヒット。先週の一言つぶやきと、11年前の山下智久『ルート66』レビュー♪ これまた懐かしいね。
ここで山Pが出るのは偶然ではない。私が17年半前にブログを始めて、最初に本格的に連載したレビューが『野ブタ』だから、修二と彰は特別扱いなのだ。野ブタだけでも、数年前の再放送でわざわざ新たにレビューし直したほど。
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話を『ハートカクテル』に戻そう。番組では冒頭、「心優しい大人のラブストーリー」とまとめてた。題名をそのまま読むと、ハート(心)のカクテル。カクテルというのは、数あるお酒の中で、3つの特徴を持ってる。
まず、色がキレイ。次に、量が少なくてショートのものが象徴的。マティーニもそうだし、絵文字で使われがちなのもショートカクテル。そして、男性よりも女性が好むようなイメージがある。
これら3つの特徴を備えてるのが、カラフルで短い4ページのコミック、『ハートカクテル』。元々は男性誌『モーニング』の連載だけど、今、検索してみたら、コミック・シーモアだと、新しい傑作集の分類が「女性マンガ」になってて驚いた。ちなみに、電子書籍の無料試し読みも可能♪ 登録も不要。
主人公もほとんど男性だし、実際に読むのはたぶん、7割以上が男性だと思うけど、確認はしてない。リバイバルの展示会やイベントの客層はまた別の話。上は書店の企画コーナーか。78歳の大ベテランだけに、作品がズラッと並んでる。表紙のイラストを見渡すだけでも楽しい♪
番組のインタビュー(の半分?)が行われた、わたせせいぞうギャラリー白金台を訪れる客にも、かなりの女性がいるのかも。オシャレだし、無料だし、私も行ってみようかな。で、うっかり数万円の版画を買ってしまうとか♪
実は昔、ちょっとしたアルバイトで白金台あたりに行ってたのだ。自転車で荒川や湾岸に行った後の帰り道の1つにもなってる。ということは、私は現地在住のシロガネーゼ(死語♪)ではない(笑)。男だろ! 古っ。。
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こんな感じで30分の番組全体について感想を書いてたら、すぐ5000字くらいになってしまうから、焦点を絞ろう。数ある作品の中から、亀梨がお気に入りとして挙げたストーリー、「思い出クッション」。
実はこれ、例のシーモアのサイトで無料で読めてしまった♪ かなり新しい傑作集『ハートカクテル ルネサンス』の最初の辺りに掲載されてるから、お試しの範囲なのだ。といっても、テレビ番組の中だけで7割~8割は紹介されてた。
以下、私の軽いレビューはネタバレになるので、原作を自分で読みたい方はあちらへどうぞ。以下、縮小引用してるのは、テレビ画面の静止画キャプチャー。本からの直接の引用は避けた。
「もし、もし 仮にョ、別れちゃった後 町で出会ったら どうする?」
「もちろん 知らない顔ですれ違うだけサ 君は?」
「そうネ じゃァ 私も そうするワ」
hotな時期のカノジョの軽いジョークが、現実になってしまった。青い空と海、白い雲。わたせワールドの主役♪ 車がよく出るのは、アメコミ(アメリカのカラフルな漫画)の影響もあるはず。もともと自宅のわりと近くに、米軍の駐留基地があったらしい。
別れちゃった2人は、ファミレスみたいなレストランで偶然、再会する。まぶしいくらい美しくなってた彼女は、陽当たりのいいコーナーで、新しい彼氏と仲良く。「ボク」は1人で暗い席に座って、英字新聞と英和辞典♪ 光と影、キレイな対比=コントラスト。
彼女も当然、ボクに気付いてるはずなのに、全くこっちを見ない。ボクも無理して英字新聞を読もうとするけど、頭に入らず♪ ここまでの展開が、四コマ漫画の基本なら、起承転結の起と承。
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ここで、起承転結の「転」が起きる。彼女の新しい彼氏が精算に行ったから、彼女は1人でお化粧直し。
そういえばボクは彼女に、ハート型のコンパクト(小型ミラー)をプレゼントしたんだった。あれを使ってくれてるのかな? 気になって仕方ないから、新聞を広げて視界を無理やりさえぎるボク。すると。。
春の陽射しが鏡にワンクッション。ボクが広げた新聞(ニューヨーク・タイムズ)を照らす。すると、ボクの目には、新聞に映ったハート型の光が見えたはずだけど、絵には直接、描かれてない。その代わりに、ボクは思い出した。「カノジョがいたずら好きだったことを」♪
彼女のクリーム・イエローのジャケットが、水色のスカーフと合ってて、綺麗だね。ボクの服装も爽やかなのだ。おそらく、彼女のスカーフと合わせた水色のスーツを着てて、淡いパープルのネクタイにはイエローの柄も入ってる。
イエローと水色。彼女とボクの服装の色を合わせてるのは、意図的ではなく無意識かも知れないけど、単なる偶然とも思えないのだ。
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ラストの1コマで、起承転結の「結」。ボクが新聞をおろして、右目をつむって彼女(の鏡)にウインク♪ 絵では、その目の辺りにハート型の光が重ねられてた。最後の可愛いオチだからこそ、ここでは引用しないけど、テレビでは映ってた。NHKプラスの動画でも見れるはず。
ボクのウインクは、彼女の鏡にワンクッションして、彼女の目に届いてるはず。途中にワンクッション、跳ね返りがある再会なのだ。光の屈折もあるし、直接的には目を合わせないという意味でも屈折した再会になってる。
ちなみに、日本語でクッションというと、跳ね返りという意味もあるけど、英語の cushion にはその意味は(ほとんど)無い。英語だと、何かに当たる衝撃をやわらげるもの(座布団とか)を指すのが普通。
ここでの「ワンクッション」にも、偶然の再会の衝撃を和らげる意味がある。たぶん、彼女は最後までボクを見ないはず。直接的には。
でもそれは、昔のボクとの約束を守ることでもある。もともと、ボクの方が「知らない顔ですれ違うだけ」と言ったわけで、それが今のボクに跳ね返った形にもなってる。
というわけで、「ワンクッション」には何重もの意味が重ねられてるのだ・・・というような独自の解説や理屈は、軽くて短いSNS時代には流行らないのであった(笑)
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元々、わたせの頭には、鏡を使ってチラチラさせるイタズラがあったようで、ストーリーは一瞬で思いついたらしい。亀梨もそのイタズラには心当たりがあるようで、はいはいって感じで笑ってた。
私も小学校時代にやった記憶があるけど、確か、先生に怒られたような気がする。どうしても、友達の目に当てたくなるから、学校や親から注意されるのは当然だろう。まあ、最近の一部マニアが悪用してる、レーザーポインターに比べれば、鏡なんてカワイイものだけど。
なお、亀梨は、ユーミンや山下達郎の曲を聴きながらハートカクテルを読んでるらしい。ユーミンの地味な名曲の1つに、『よそゆき顔で』という曲がある。これも、別れた後の微妙な遭遇をめぐって、揺れる女心を語る歌詞。
「よそゆき顔で すれちがったら すきなだけ笑って」。歌詞、松任谷由実。私はまだ、偶然会った時にどんな顔をすればいいのか分からないけど、よそゆき顔で吹っ切りたいのに、吹っ切れないのだ。あなたは知らないだろうけど。「you never know」。その点、「思い出クッション」の彼女のすれ違い方は絶妙♪
というわけで、日付変わって今夜放送される『ハートカクテル』も見る予定。78歳の大御所の若さに驚きつつ、それでは今日はこの辺で。。☆彡
(計 3780字)
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