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孤独の胎衣(えな、たいい)、虐待の冷水、幼児を覆う流れは親の涙か・・~『教場0 風間公親』第4話

ゆかり 思い出した パパにされたこと

    その時 ママ 何してたの?

聖子  知らなかったのよ ママ 仕事してたから

    今日は一緒に(寝よ・・)

ゆかり でも ウチにいたことあったよ

    お風呂場に連れて行かれた時

聖子  本当に 何も知らなかったの・・

          (脚本 君塚良一)

    

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      ☆     ☆     ☆

今日は、ゴールデンウイークの個人的な初日。時間もないし、いきなり重い虐待(疑惑)エピソードを書き始めるのも気が引けるので、まずは前回・第3話の補足から入ろう。

   

事件解決の1つの鍵だった、毒を飲まされて死ぬ寸前の被害者の山登り。あの長くて険しい山道を登ってまで県境を越えて死のうとするのは、あまりに不自然すぎるから、私としては、単に他殺を示したかったのだと解釈した。自殺なら、わざわざそんな苦しい動きをする必要はない・・と、警察が疑惑を持ってくれることを期待して。

  

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1人でできない(不自然な)死は、2人で。つまり、自殺ではなく他殺のはず。聖子(新垣結衣)の決まり文句を読み替えて組み合わせた、独自の解釈だった。

      

ただ、おそらく、山道を登ろうとしたのは元の小説に書かれてる事だろうと思って、長岡弘樹の原作『教場0』(小学館)をチェック。すると、原作では、県境まで僅かな距離(70mほど)の設定になってた。それならギリギリで納得できなくもない。普段から、県境はすぐ近くという意識も持ってるから。

      

ドラマは、適当なロケ地が見つからなかったのか、あるいは演出的に険しい道を映したかったのか、若手の男性刑事2人がハーハー言うような道のりだったから、毒で死ぬ直前の人間が登ろうとするはずはない。ちなみに、「1人でできない事は2人で」というのも、原作のこのエピソードには見当たらない台詞だった。

  

やはり、原作小説とドラマは似て非なるものだ。別に、どちらが正しいというわけでもなく。

   

    

     ☆     ☆     ☆

続いて、また対話型HI(人間知能)ChatTEN4と遊んでみよう♪

  

視聴者  こんにちは😊 幸葉(堀田真由)が最後

     辺りに、1人で変なダンスをしてたのは、

     遠い世界に行ってしまったのですか?♪

    

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TEN4 こんにちは。遠い世界に行ったのは、

     幸葉でなく、聖子ですね😊

     指導を終えて、もとの少年係に戻ったので、

     幸葉は餞別(せんべつ)として、踊る花の

     オモチャ(フラワーロック)を贈りました。

     聖子も踊る花もいなくなって淋しいから、

     幸葉は自分で踊って明るく振舞ったのです。

     映像的には、美しいセピア色に統一されて、

     別れの淋しさ、切なさも表してました。

   

視聴者  でも幸葉は、オモチャのブロックで作った

     目玉焼き(?)も食べてましたよ?

     オモチャのフォークで。ヤバイでしょ♪

    

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TEN4 演出家の中江功が、対比、コントラストを

     意識した映像ですね。

     まず、手前の呑気な幸葉を映した時、

     左奥に聖子の後ろ姿を小さく映す。

     次に聖子を映せば、深刻さが際立ちます。

     あと、幸葉は鉄オタの鉄女、鉄子かも。

     デスクの右にある鉄道路線図の駅の白丸を

     見てる内に、ブロック遊びを思いついたと

     思われます。食べたのは駅弁のつもりとか。

   

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     ☆     ☆     ☆

遊んでる間に日付けが変わりそうになって来たから、本題に入ろう。ドラマ第4話のサブタイトルは、コスプレのえなこ・・じゃなくて、「孤独の胎衣」(えな)♪ 似てないだろ!

   

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Windowsの漢字変換だと「胞」衣(えな、ほうい)しか出ないし、原作『教場X』(小学館)でも「胞」衣。でも、ドラマの「胎」衣(えな、たいい)と同じ意味らしい。デジタル大辞泉の説明によると、「胎児を包んでいた膜や胎盤など。後産として対外に排出される」。

        

孤独に出産しようとしてた千寿留(ちづる:生見愛瑠=ぬくみめる)が、急に現われて親権を主張した工芸家の浦真(淵上泰史)を殺害。その場で、工芸品の大皿で受けるようにして出産した後、大皿を洗ってた。胎衣はそのまま流せたのか、こっそり生ゴミとして捨てたのか、不明。

   

ドラマがその孤独な作業に重ねてたのは、聖子の元・夫が3歳のゆかり(諏訪結衣)に数時間も浴びせてた冷水。どちらの行動も、幼児を覆う液状の流れを作ること。それは、子ども達の涙でもあるし、孤独な親の涙でもある。千寿留はもちろん、聖子の元・夫も孤独で追い詰められてたのだ。

    

    

      ☆     ☆     ☆

それは差し当たりフィクションの話だけど、私の現実とも重なる。

    

ゴールデンウィークの今日。たまたまと言うか、当然と言うか、幼児の泣き声をしばらく聞くことになった。「大人しく」じっと我慢しながら、ドラマ記事の内容を考えてると、ふと、自分自身の幼い頃も色々と思い出して来た。

    

今まで何度か書いてるように、私が体罰を行ったことは一度もない(と思う)けど、私自身は家でも学校でも体罰を受けて育って来た。特に、母親と、小学校5、6年生の担任だったH先生。父親は穏やかで大人しかったから、関知せず。

    

単なる言葉や表情(叱りつけ、睨みつけ、etc)を除くと、体罰の大部分は平手打ちだけど、家では真っ暗な倉庫に閉じ込められたことも何度かあるし、幼稚園以下の頃にはたまに灸(やいと)もあった(体罰でなく治療のつもりかも)。現代の都会なら、誰かが警察か児童相談所に通報しても不思議はない。

      

でも、それなりに筋が通ってることが多かったし、変な恨みや逆恨みのようなものはほとんど無い。僅かにあったとしても、その1万倍くらいは感謝してるから、何の問題もないのだ。そもそも私は、体罰賛成とも言わないけど、体罰反対派でもない。人には何らかの罰が必要だし、やさしい言葉や評価という形の罰が体罰より良いとも限らないから。

    

     

      ☆     ☆     ☆

ただ、大人になってから一度(または二度)、母親に話しかけたことがある。テレビか何かで体罰が話題になった時、私もよく叩かれてたというようなことを呟いてみたのだ。嫌味とか非難というより、今の時点での反応が見たかった。

      

母親は、目をそらしたまま、軽い苦笑みたいな表情で、それは私が言うことを聞かないからだ、とか答えた。それでその話題はすぐ終了。まあ、そんなに反抗したつもりもないけど、怒られて言い返すことが少なくなかったのは事実だと思う。あと、私が子どもの頃から理屈屋だったのも、母親から見れば、腹が立つ点だったはず。

   

今の世の中、体罰や虐待を非難する声が溢れ返ってるし、明らかに犯罪レベルのものも一部にはある。ただ、根本的に分かっとくべきなのは、親も人間だということ。聖人君子でも神や仏でもない、不完全な生身の存在。

  

単なる人間が、多少、良くないことをしたとしても、それを非難する資格のある人間はほとんどいないと思う。資格がないのに、弱い市民に対して非難や指導を行ってた警察官の1人が、聖子(新垣結衣)らしい。過去の自分の罪を償うため、罪滅ぼしという理由で。「聖」子というのは、皮肉な名前。

       

ただ、俗物の聖子を非難する資格のある人間も、ほとんどいない。疲れ切ってる時に、幼児に泣かれたり起こされたりすると、黙れ!と思うのは自然なことだ。数時間の冷水は論外として。

      

だから風間教官(木村拓哉)も、聖子の弱音、懺悔の告白に対して、一言も怒らなかった。娘さんと時間をかけてよく話し合うよう、軽くアドバイスしただけだった。まあ、顔と声は、体罰より怖いけど♪

   

    

     ☆     ☆     ☆

あぁ、もう日付けが変わるから、終わりにしよう。10年くらいの(?)懲役の間、実の親から離れて暮らすことになりそうな赤ちゃんの脚。ストーブで熱くなった大皿と接触して出来た、浦真幹夫(URAMA MIKIO)の烙印が痛々しい。

  

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上の写真は、静止画キャプチャーを回転して、左右反転して、トリミング(部分カット)したもの。名前の途中の「AMA M」がハッキリ分かるけど、ドラマの映像だけだと分かりにくかったはず。字体は筆記体じゃなく、ゴシックとかにした方が良かった。

     

これがハッキリ読み取れないと、あの瞬間の千寿留の一言、「ママ・・」の意味も重さも分からないだろう。左右反転しなければ、「M AMA」、ママ、となってたのだ。

  

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    ☆     ☆     ☆

形成手術か何かで消す前に、写真くらいは大切に保存しとくべきだと思う。これを見せるのは、本人が受け止めれる30年後くらいだとしても。子どもも親も、生きるのは大変なのであった。

     

なお、聖子が最後に風間と握手しなかったのは、まだ風間の勧める少年係への復帰について迷ってたから。風間が差し出した手をすぐ握ってたら、退職の決意を撤回する形になってしまうから、躊躇(ちゅうちょ)。代わりにすぐ後、「ありがとうございました」と感謝してた。

   

第4話の世帯視聴率は9.6%。個人視聴率は5.8%。連休の谷間の健闘と言うべきかも。ではまた。。☆彡

   

   

   

cf. 一筆書きできない道、奇点を2コに修正すべき&万力で締め付けられる黒い心、光と影の映像美

    ~『教場0 風間公親』第1話

 いじめ不登校の子どもの母親、担任教師への殺意から自分が逃げるべき~『教場0』第2話

 1人でできないことは2人で・・自殺ではなく他殺だと示す「毒のある骸(死体)」~『教場0』第3話

 カンニングの法則、SNSや地図のトラップ、大学教授のパワハラもどき~『教場0』第5話

 子どもの原風景と運命、イメージと現実の連鎖~『教場0』第6話

 「ロカールの法則」とフランス語原文、サブタイトル「第四の終章」の意味~『教場0』第7話

 「闇中の白霧」の意味、原作はウィルソンの霧箱、ドラマは闇中の白石麻衣~『教場0』第8話

 列車に死体を載せる懐かしい小説、ドイル(ホームズ)、フリン、乱歩、横溝~『教場0』第9話

 フライパン空焚きで発生するフッ化水素で死ぬトリックは困難&エモーショナル映像~『教場0』第10話

 風間の前世はフランス・レジスタンス組織の盲目隊員、特別編はナノ・ブロック♪~『教場0』最終話

 警察学校の花壇と、レゴではなくナノブロックの花壇、風間からの贈り物♪~『教場0』特別編

   

       (計 3665字)

   (追記339字 ; 合計4004字)

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