藤井聡太六冠、AI超えの23手詰で防衛、千日手2回(2千日手♪)の後の指し直し局で~2023(第8期)叡王戦・第4局
朝日新聞のtwitterが「2千日手」と書いてるのを見て、ウケてしまった♪ 同じ手順を3回連続で繰り返して、同一局面が4回現れる「千日手」(せんにちて)は、そもそも珍しいけど、1日に2回連続というのは初耳かも。過去のプロ棋士の記録上はどうなのかな?
私自身はたぶん一度も経験してないと思う。そんな感じになったことなら、あったと思うけど、先手と後手を入れ替えて最初から指し直すのは面倒だし、そこまで指した手が無駄になってバカバカしいから、適当に妥協して千日手は回避する。
昨日の対局の後、菅井竜也八段は、負けた3局目についても、また千日手を考えるべきだったかも・・というような事を言ってた。それを無理して自分から回避した後、徐々に形勢が悪くなってしまったのだ。いわゆる「藤井曲線」。評価値の推移グラフが一方的に藤井の側に振れて行った。
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さて、東日本大震災の被災地の一つ、岩手県宮古市で2023年5月28日に開催された、叡王戦・第4局。ここまでは藤井叡王が2勝1敗でリード。
天才・藤井聡太六冠の将棋については、今までも「AI超え」という言葉が何度か使われて来た。でも、本当にハッキリとAIを上回ったのは、今回が最初のような気がする。
正解がハッキリとある即詰み、つまり実戦の詰将棋で、藤井が上回ったのだ。AI(abemaと水匠最新版)が読めてない詰みを、藤井は数分くらいで読み切って、本当に指して勝った。
☆ ☆ ☆
でも、その前に、まずは珍しい2回連続の千日手を確認しとこう。
上は公式ブログより。8八角、8二飛、7七角、7二飛の順が3回連続で繰り返されて、同一局面4回となり、44手で千日手。10時51分。藤井の囲いは、昭和レトロにも見えるけど、ちょっと工夫が入ってる。
続いて、差し直しの2局目。公式棋譜サイトより。7一銀、7三銀打、8二銀成、同銀の順が、連続3回繰り返されて、同一局面4回で、再び千日手。116手、18時32分。
これは藤井が終盤、苦しくなった後だったから、藤井ファンはホッとしたかも。ただ、序盤から中盤にかけては、互角か藤井やや有利の展開だった。
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そして、夜の19時15分から開始された、2回目の指し直し局。これがまたまた千日手になりそうだったのだ。
相穴熊で、後手(居飛車)の藤井が、7二飛。ここで先手の菅井が8八角なら、1局目と同じ手順で千日手に向かってしまう。
しかし、菅井は少し考えた後、5八飛。AIの評価値は互角のままだったけど、局後の菅井はちょっと後悔するような感想を漏らしてた。むしろ、「失敗したか・・」という心理の方が悪影響をもたらしたかも。
どんどん藤井優勢になって行って、終盤。
既に評価値(勝利の可能性)は、92% vs 8%で、藤井が勝勢。先手が1八歩と端を受けた所で、AIの読み筋は、後手78手目から、4八と、同銀、3九金。私もこの3九金で、後手が勝ちだと思ってた。後手玉は「絶対に詰まない」。この状態を解説では「Z」(ゼット)と呼んでた♪
☆ ☆ ☆
上が、4八と、同銀の局面。後手・藤井が80手目に、2九竜(!)と指した時、ライブを見てた私は「エッ!?」と驚いた。AIの評価値も一気に逆転したから、大悪手かと思ったら、評価値はすぐ元に戻った。AIも、同玉から読み直して、すぐに詰みに気付いたのだ。
2九竜、同玉、3七桂(!)、同銀、1八成香、同玉、1七歩、同玉、1六歩、同玉、1五銀、同玉、1四香、2五玉、2四金、2六玉、1五金、1七玉、1六金、2八玉、1七金、2九玉、1八金まで。
実に素晴らしい!☆ 菅井八段は1五銀を見て、90手で投了。
YouTubeで元奨励会員アユムの将棋実況を確認しても、藤井が80手目の2九竜を指した瞬間、AIは先手優勢になってた。水匠最新版。
3七桂は読めてたけど、その次の平凡な1八成香が読めてなかったようだ。というより、その後の1五銀を見落としてたのかも。もちろん、こちらのAIもすぐに後手優勢へと変わってた。
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こうなるともう、藤井が八冠王になった後、久々にAIとの対局があっても不思議はない。持ち時間にハンデを付けてもいいと思う。藤井は9時間、AIは9分とか♪ あるいは、詰将棋の勝負もアリ。
ともあれ、1日にタイトル戦3局というのは大変なはず。2人とも本当にお疲れさま♪ それでは今日はこの辺で。。☆彡
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