敗勢だった藤井聡太・七冠、6四銀の勝負手から大逆転勝ち、最後は1分将棋で23手詰!~2023王座戦(vs村田六段)
長編のドラマ・レビュー執筆に追われつつ、abema動画でチラ見してた王座戦。見て良かった。感動で、目がウルウルしたほど♪
八冠を目指す藤井七冠。劣勢というより敗勢だったけど、まだ逆転の可能性はあるなと思ってたのだ。相手の村田顕弘も時間が無くなってたから。1分将棋で秒読みに追われる中、後手の藤井が長い即詰みを読み切って8八龍と指した途端、私は「アーーッ!」と声を上げた。
やっぱり、AIの評価値は、将棋の終盤だとそれほど当てにならない。人間はミスをするし、特に時間に追われると大悪手を指してしまうから。囲碁だと、なかなか大逆転は起きないけど、将棋の終盤は一瞬で逆転するのだ。評価値の推移グラフは、フォークボールみたいに鋭く落ちてた♪
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では、棋譜の後半の一部を再現しながら、簡単に解説してみよう。中盤までは、先手の村田が優勢。角道を開けない新・村田システムが功を奏した形になってた。
上図は、後手・藤井の76手目、6四銀の局面。6三にあった銀を前に進めて、玉の逃げ道を開けると共に、先手の7五香を取ろうとする手。一見、タダ捨てに見えるけど、先手が6四角と取ってしまうと、5九金ですぐ詰んでしまう。
abemaのAIの評価値は、まだ97vs3で、先手の村田顕弘・六段が勝勢。先手玉に即詰みはないから、4二金から詰めよで攻撃すれば良かった。
しかし、村田は動揺してしまったのか、僅かな持ち時間をほぼ使い果たして、6八銀と指す。そこでAIは、後手5二玉の早逃げを最善手としてたけど、藤井は5六香の攻めで勝負。7九玉にも、5九金で追撃。
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上の局面でも、まだAIの形勢判断は、91vs9くらいで先手・村田の勝勢。しかし村田は、AIが候補手に挙げてなかった同銀と指してしまう。
これで一気に逆転。20vs80くらいになった。解説陣も興奮♪ 藤井は僅か30秒くらいで、7五銀。村田はそこでまた、AIが候補手に挙げてなかった悪手を指してしまう。7七桂。
一見、玉頭の歩を取って安全にする自然な手に見えるけど、AIは直ちに25手詰と表示。その後すぐ、23手詰に訂正。こちらが正しい・・と私が正確に理解したのはしばらく後 (^^ゞ 解説陣も、その時点では分かってなかった。
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ただ、本田小百合・女流三段が、興奮で笑いながら指摘した。藤井の指が動いてると♪ 数十年に1人の天才児でも、逆転勝ちの即詰みを読む時には、右手の人差し指を動かして考えると。目線は明らかに、相手玉の周囲を睨んでる。
そして、後手・藤井の84手目は、AIの最善手となってた8八龍☆ 私は思わず、声を上げてしまった。龍を切ってしまったのだから、もう、詰みを読み切ったということ。この土壇場で、恐ろしく速くて正確な読み。解説の千葉幸生・七段も、ひたすら感心、感動。
村田の応手は、一番手数が長いものではなかったけど、23手詰の手順は例えば次の通り。8八龍、同玉、7七桂成、同玉、8七飛成(!)、同玉、8五香、7八玉、7七歩、同玉、8六銀、6八玉、5七金、同角、同桂成、7九玉、8八角、8九玉、7七桂、8八玉、8七銀成、7九玉、8八成銀。
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5七金の後はいくつか変化があるから、AIも最初の10秒ほどは手数を間違えてた。実際の村田は、8五香に7七玉と逃げたから、21手詰になる。5七金と打たれた所で、潔く投了。村田も詰将棋が得意らしいけど、小学生時代(!)の藤井に詰将棋選手権で大敗してるらしいから、あっさり諦めた。村田は16歳年上で、当時すでにプロだったのに♪
さあ、これで次のベスト4は、藤井七冠vs羽生・元七冠☆ 日程はまだ決まってないけど、大注目の一番になる。夢の八冠制覇へと、また一歩近づけるよう、私も本気で応援するとしよう♪ ではまた。。☆彡
(計 1624字)
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