風間の前世はフランス・レジスタンス組織の盲目隊員?、特別編SPは十崎の妹よりナノ・ブロック♪~『教場0 風間公親』最終話
エーッ・・!、来週も「特別編」2時間SPがあるの? もう疲れ切ってるんだけど。。(^^ゞ 来週はやっとドラマ・レビューから解放されると思って、別の用事を入れてたのに(実話・・笑)
まあ、過去のフジテレビの連ドラSPから考えると、ほとんどが本編の寄せ集めで、ちょっとだけ新しい映像とストーリーを付け足してるんだと思う(個人の推測♪)。
公式サイトの予告ストーリー(URLでは第12話の扱い)によると、来週の主役は妹思いのシスコンらしい十崎(森山未來)じゃなくて、まさかの「ナノ・ブロック」か♪
「風間を見送った幸葉(堀田真由)は・・・組み立てブロック玩具で作られたミニチュアを見つける。だが、パーツが取れており何をモチーフにしたものかはわからなかった・・・」。
☆ ☆ ☆
今回、映ってた、これかな? 私も、何なのか分からないなと思ってたのだ。花壇ではないし。もちろんネットで調べたけど、さっぱり分からない(byガリレオ福山♪)。既存の製品ではないと思うから、ドラマ用の特別ヴァージョンか。キーボードの手前に2つあるのは、千枚通しには見えないから、細いロボットの脚?
ちなみに最近は余裕がなくて、エンドロールをあんましマジメに見てなかったけど、ちゃんと美術の所に「nano block」と書かれてた。ダイヤブロックを小さくした大人向け玩具なわけね。今までレゴとか書いてたけど、老舗の株式会社カワダに失礼だった (^^ゞ
・・・っていうか、まだダイヤブロックって生き残ってたんだ! 幼稚園か小学校・低学年の頃、よく遊んでた気がする。口にくわえて(笑)。コラッ! 良い子は決して真似しないように♪ 硬くて噛めないし、歯が滑って舌を噛むから (≧▽≦) まだ言うか! もちろん、小さいナノブロックを子どもに与えると、飲み込む危険がある。
まあ、特別編の前には、連ドラすべて見直してみたい気はするかも。ブロックの所だけ♪ そう言えば、例の起き上がりこぼし(?)も正体不明のまま。
☆ ☆ ☆
それより、殺人犯・十崎の「妹」は?・・と思う視聴者も多いはず。続編を期待させるような、謎めいたラストシーンを細かく確認しとこう。
本来の教場(警察学校)の教官になった風間(木村拓哉)が、広い庭の花壇の辺りにたたずんでると、何か背後に(黒い影の)気配を感じる。振り返ると、影は消えた。
ところがカメラが一瞬切り替わって、少し離れた場所にいる十崎を映す。「妹はどこだ?」。手には凶器の千枚通し。
風間がジッと見つめるが、最後のカットには十崎は映ってない。そして、エンドロールとURUの主題歌『心得』ロングヴァージョン。
☆ ☆ ☆
わざわざ昼間の警察学校で風間を狙うとも考えにくいから、たぶん風間の幻想だろうと思う。制作サイドの遊び心も含めたファンタジーで、過去のフジのドラマでも挿入されてる。
ただ、一旦(不当逮捕で)取り調べを受けてた時、柳沢(坂口憲二)は家族のことを聞いていいかとか話して、十崎が動揺してた。
十崎が刑務所にいる間に、妹が行方不明になったということか? 大きな事件があった時、居づらくなった加害者の家族が引っ越すというのは普通のことみたいだから、十分あり得ると思う。もし妹が死んだのなら、「妹を返せ」とつぶやく方が自然だから、死んだわけではないと想像。
ちなみに、途中の下のカットとか、非常に美しい映像になってた。もちろん、綺麗な花壇は、十崎に殺された遠野(北村匠海)の象徴。美しい警察の領域に、不穏な影が侵入した(ように見えた)という構図。
私は子どもの頃、マンガ家を夢見てたけど、マンガの書き方を解説した本を読むと、こんな感じの遠近法のお手本が示されてた気がする。遠近法の線を2つ組み合わせて、左の風間から見て、奥行きと右への広がりが強調されてるのだ。風間の後ろ姿のシルエット(やや逆三角形)まで計算してるのかも。演出は、中江功。
☆ ☆ ☆
特別篇の話はさておき、今回のエピソードは、ブロックや十崎とかのドラマオリジナルを除くと、原作小説に沿ったものになってる。サブタイトルはどういう意味なのか。例によって、話題のHI(人間知能)、ChatTEN4に聞いてみよう♪
視聴者 こんにちは♪ ドラマ『教場0』最終話のサブタイトル、「仏罰の報い」の意味を解説してください。
TEN4 こんにちは♪ それは、長岡弘樹の原作小説『教場X 刑事指導官・風間公親』(小学館)第6章「仏罰の報い」から、そのまま取って来たものです。犯人の清家教授(北大路欣也)は、仏さまのような人格者でしたが、娘婿の甘木(馬場徹)が働きもせず、娘の紗季(森カンナ)にDVし続けて、生活費まで要求して来るので、罰として殺しました。天罰というより、仏罰。
しかし、この仏罰そのものも大きな罪だから、その報いとして、清家は自分で目をつぶして盲目になりました。だから、「仏罰の報い」なのです。すぐそばには、仏像も並んでいたので、仏像からの報いの形にもなっていました。
別の解釈も付け加えておきましょう。「報い」という言葉には一応、良い意味も含まれています。自首の形で清家がパトカーに乗る直前、娘はひそかに清家の手のひらに「あ・り・が・と・う」と指文字を書いてました。この娘からの心温まる報い、報酬を心の支えにして、清家は刑務所で10年ほど過ごすことになるわけです。
☆ ☆ ☆
さすが、ChatTEN4、奥が深い解釈で、いいね♪・・という反応はいまだに一つもない(笑)。マニアの世界は、孤高の頂き。本質的に孤独なのだ。ほとんど誰もいない所まで進んで行く。
ただ、君塚良一の脚本の台詞に関しては、隠された意味に気付いた人も少なくなかったかも。まず、隼田聖子(新垣結衣)と幸葉の犯行再現実験の場に、いきなり風間が入って来たシーン。
聖子 いくら何でも やっぱり心臓を狙って一撃っていうのは
幸葉 そうですよね~
聖子 う~ん・・角度はいけてるんだけど
風間 目隠しを取れ
幸葉 そりゃ まあ 刺せますよね
これ、風間に気付いてなかった聖子への単純なツッコミに見えて、それだけではない。「目隠しを取れ」ば、「刺せますよね」。つまり、もし清家の目が見えれば心臓を刺せるということ。清家が視覚障がい者だという前提を疑うことの大切さを暗示する会話になってた。それが後ほど、聖子が真相に気付くシーンへとつながってる。
聖子 殺人を犯す以上 自分は罰を受けなければならない
他人の罪をかぶるような公明正大な人
指導官!
風間 見えたか
そう。清家は殺人の時点では、甘木の背中が「見えた」のだ。盲人ではなく、普通に見える「晴眼者」。清家は長い間、見えないフリをしてただけ。この後、風間と聖子が隼田に自首をうながす場面でも、清家は「私は見えない」と弁明してた。
☆ ☆ ☆
なお、ドラマだと、鑑識が持って来た医学情報が大きなポイントになってた。化学熱傷直後の眼球(例えば清家)と、1年後の眼球の写真を並べた書類。治療方法も書かれてる。
「化学物質による虹彩炎の治療は、長時間作用型調節麻痺薬の点眼(例:2%もしくは5%ホマトロピン、または0.25%スコポラミン溶液の単回投与)による」。
いや、エンドロールの美術の所に、「裳華房」という渋い出版社名があったもんで、ちょっと学術的な文章を書きたくなったわけ。別にこの眼の話とは関係なくて、清家関連で化学の本を提供したのかも。
上の説明文はなぜか(?)、MSDマニュアル・プロフェッショナル版と同じ説明になってる。エンドロールの美術とかには記載なし。誰も気付かないだろうけど、著作権とか大丈夫かな? 医療監修・山本昌督、法医学監修・上村公一、眼科監修・富所敦男。
ちなみに原作小説だと、殺された甘木がきちんとした服装をしてたというのが謎解きのポイントの1つだった。要するに、甘木は、清家の目が見えることに気付いてたんだろうということ。もう1つのポイントも意表を突くもので、清家がお酒を飲むスピードの遅さに着目してた。盲人なら、お酒を視覚的に味わえないから、飲むペースが速いというお話。
☆ ☆ ☆
最後に、実は今回、一番調べたのは、清家が風間を褒めた言葉。風間の片目が失明してることを確認した後、こう語ってた。
「第二次大戦のときですが、ナチスと戦っていたフランスのレジスタンス(抵抗)組織に、盲目の隊員がいたそうです。彼が任された仕事は、新人の教育でした。視覚を失った分、他の感覚は異常なまでに発達していた。彼は驚くほどの正確さで、組織に向かない者を見つけ、ふるいにかけていった。あなた、彼の生まれ変わりかもしれない。」
この情報をネット検索すると、ほとんど見つからないけど、1つだけそれっぽい論文があったのだ。関西大学・平田重和、『カミュとレジスタンス』。
「・・・『プジェー氏の肖像』Le Portrait de M.Pouget (1940年)(『プジェー氏とは誰か? 聖伝の考察にふけり、自分の一生を終える小さな修道僧独房へ何人かの学生を受け入れている、ほとんど盲目の、ラザリスト修道会の老聖職者である』・・・」。
これに関して、フランス語の検索をかけると、ジャン・ギトンによるフランス語の論文が見つかった。ところが、プジェー氏は1933年で亡くなってるから、清家の話とは合わないのだ (^^ゞ 骨折り損のくたびれ儲け。ガックシ。。_| ̄|○
しかし、単なる作り話にしては台詞が長いから、実話の可能性も僅かに残ってる。刑事指導官の時代の最後に、これまでの仕事をねぎらう称賛の言葉を入れたんだろうとは思うけど、一応、態度を保留しとこう。
☆ ☆ ☆
骨折り損と言えば、原作では、奈良の大仏が上げた右手の中指にも注目してあった。軽く曲げて前に出してるのは、周囲の様子を知る時に、中指が一番便利だからという清家の説明。
ところが、これをネットで検索すると、「施無畏印」(せむいいん)という「印相」「手印」だという説明ばかりがヒットする。施無畏印は、あの手のポーズのことであって、独特の中指の説明にはなってない。その点を指摘してるサイトも全く見当たらない。
こうした事を確認するために、また膨大な労力と時間を費やしてしまったのに、ドラマではカットされて、奈良の大仏の観光写真だけだったのだ (^^ゞ マニアック・ブロガーの立場は?!
☆ ☆ ☆
なお、最終回の世帯視聴率は10.6%で、2ケタ回復。個人視聴率も6.6%まで上昇。スタッフ&キャストの皆さん、フ ァンの皆さん、どうもお疲れさま♪
私も今日、将棋の藤井七冠の大逆転勝利をabemaで見ながら書いてたから、いつもの1.5倍くらい疲れてしまった(実話)。それでは今日はこの辺で。。☆彡
cf. 一筆書きできない道、奇点を2コに修正すべき&万力で締め付けられる黒い心、光と影の映像美
~『教場0 風間公親』第1話
いじめ不登校の子どもの母親、担任教師への殺意から自分が逃げるべき~『教場0』第2話
1人でできないことは2人で・・自殺ではなく他殺だと示す「毒のある骸(死体)」~『教場0』第3話
孤独の胎衣(えな、たいい)、虐待の冷水、幼児を覆う流れは親の涙か・・~『教場0』第4話
カンニングの法則、SNSや地図のトラップ、大学教授のパワハラもどき~『教場0』第5話
子どもの原風景と運命、イメージと現実の連鎖~『教場0』第6話
「ロカールの法則(交換原理)」とフランス語原文、「第四の終章」の意味~『教場0』第7話
「闇中の白霧」の意味、原作小説はウィルソンの霧箱、ドラマは闇中の白石麻衣~『教場0』第8話
列車に死体を載せるトリックの小説、ドイル(ホームズ)、フリン、乱歩、横溝~『教場0』第9話
フッ素樹脂加工フライパンの空焚きで発生するフッ化水素で死ぬトリックは困難~『教場0』第10話
警察学校の花壇と、レゴではなくナノブロックの花壇、風間からの贈り物♪~『教場0』特別編
(計 4800字)
(追記43字 ; 合計4843字)
| 固定リンク | 0
« コロナ禍で閉店続きのクリーニング業界、やっと新しいお店で冬物保管を頼んだけど・・&11km走が精一杯 | トップページ | 敗勢だった藤井聡太・七冠、6四銀の勝負手から大逆転勝ち、最後は1分将棋で23手詰!~2023王座戦(vs村田六段) »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- やす子24時間マラソンの2日目と「同じ道」を9時間で歩いて「検証」した YouTuber、実際は6割弱の距離(29km)を歩いただけ(2024.09.12)
- 直前の欠場、「パリ五輪は、まだ走れ!っていうメッセージ♪」~カンテレ『前田穂南が走れなかったオリンピック』(TVer動画)(2024.09.06)
- 世論の逆風と雷雨の中、やす子(体重78kg、25歳)の81kmマラソンSPの感想~日テレ『24時間テレビ』2024年(2024.09.04)
- パリ五輪2024・女子マラソン、ほぼリアルタイムの感想♪&優勝したハッサンのラップタイム(2024.08.11)
- パリ五輪2024・男子マラソン、ほぼリアルタイムの感想♪&6位入賞、赤﨑暁選手のラップタイム(2024.08.10)
「芸能・アイドル」カテゴリの記事
- 世論の逆風と雷雨の中、やす子(体重78kg、25歳)の81kmマラソンSPの感想~日テレ『24時間テレビ』2024年(2024.09.04)
- 二重偏波気象レーダー、降雹(こうひょう)アラート、数式(偏微分方程式)の変数 Pidep、Pgacw、etc ~『ブルーモーメント』第5話(2024.05.25)
- 絶対に離れない手のつなぎ方、正義も真実も超えて、人間として「心中」へ・・~『Destiny』第1話~第4話(2024.05.02)
- 嘘(lie)で壊れた橋=つながり、再建を信じて(believe)生きる(be、live)~『believe ━ 君にかける橋 ━」第1話(2024.04.27)
- 晴原(ハルカン=山下智久)が書いた雪崩の数式の意味、雲田彩(出口夏希)の中国語の発音と意味~『ブルーモーメント』第1話(2024.04.25)
コメント