勝者は永瀬王座と解説の渡辺明九段のぶっちゃけトーク♪、藤井七冠が先手番で逆転負け~2023王座戦・第1局
最後までハラハラ、ドキドキ。解説の渡辺明・九段のぶっちゃけトークに(笑)。そこか! いやぁ、前・名人のトップ棋士だから許されるようなものの、新人の若手棋士や女流棋士だったら、スタッフに怒られるか、二度と呼んでもらえないか。
「食べる」ことを、「食う」「食う」と何十回も言うだけでもかなり目立ってるけど、棋士の間の実力差とか、対局後のインタビューへの対応(何も考えず、当たり障りのないように返答)とか、あまりぶっちゃけたトークで、聞いてて本当にヒヤヒヤした (^^ゞ abemaのライブ動画だから、あれくらいは許容範囲なのかね。
極めつけは、激しい終盤の途中。風呂やシャワーなら今、といった感じの発言 (≧▽≦) これ、フツーの民放テレビの世界だと、伝説の干され事件に似たちょっと似た失言だ。
夜遅くの人気番組の途中、人気レポーターがCM直前に、トイレ行くなら今、というような失言をして、一気に仕事を干されてしまったとかいう伝説がある(おそらく事実)。
とはいえ、渡辺の解説はテキパキとしてて、内容も口調も非常に明快。変な話、この鋭い渡辺に勝ちまくってる藤井七冠の凄さを改めて思い知らされた。
☆ ☆ ☆
振り駒で、藤井聡太・七冠が先手番に。得意な角換わりの戦型に持ち込んで、後手の永瀬拓矢・王座は、4一玉の珍しい玉型のまま、7筋・8筋の早繰り銀で攻めて行く。それに先手の藤井が2四歩と反撃したのが上図(35手目)。公式棋譜サイトより。
後手が同歩と取れば、先手は2五歩の継ぎ歩がセオリー。同歩なら同飛の十字飛車で、7五の銀と2一の桂の両取りが決まる。だから後手は2五歩を無視して、8六歩か7六歩と攻める所。2四歩には2二歩の我慢とか。私も何度か、実践の経験があると思う。
ここでは、永瀬は2四同銀と応じたので、大人しい展開になった。
☆ ☆ ☆
その後、攻め合いになって、上の画像は後手・永瀬の46手目、8二飛。abemaライブ動画より。先手の6五角に対して、大人しく引いた局面。AI評価値(期待勝率)は50%vs50%だけど、私は先手の方が指しやすいと思う。
この後、AIの予想通り、8三歩、7二飛、4四歩と進んで、さらに6四歩に5六角。この角が、3四と4五に出れるので、味のいい位置になってる。
この日、対局内容と同じくらいの注目を集めてたのが、会場となった陣屋の名前を冠した「陣屋カレー」、伊勢海老つき☆ 女将によると、一般客もルームサービスで食べれるらしいけど、値段までは話してなかった。
昼間からこのメニューで、藤井七冠はこれだけだったけど、永瀬王座はさらに他の物も注文。ものすごいカロリー♪ 解説の渡辺は、そんなに腹は減らないと言ってた。人によって、頭脳のカロリー消費が大きく違うのかね? 私の頭脳もそんなにカロリー消費しないけど、気分的に甘い物を食べたくはなる。
☆ ☆ ☆
上の画像は、後手の62手目、5五歩の局面。私なら、7二歩成で飛車の効き筋をズラした後、素直に5五同銀と取る。
藤井七冠は、5二角成から4三金の強襲。ちょっとアマチュアっぽい強引な攻めには見えるけど、藤井ならそのまま押し切って楽勝かと思ってしまった。AI評価値的にも、既に藤井が少し有利。
ところがこの後、藤井はイマイチの手を連発し続けて、ズルズルと永瀬の優勢になってしまった。珍しい逆転パターンで、別の角度から見ると、永瀬がまずまずの手を指し続けたことになる。
☆ ☆ ☆
上は、先手の藤井の97手目、9二桂成の局面。飛車を取り合って、後手玉は詰めよの形になってるけど、ここで後手の永瀬は冷静に、1四銀の逃げ道を開ける好手。これで後手玉がなかなか寄らない形になった。攻められても、守り駒を打って粘れる。
先手玉も、入玉を目指すことはできるけど、駒数が足りなくて負けになってしまう。だから普通に、相手玉を詰ますしかない。
この後、1分将棋で永瀬に悪手が2回(112手目と118手目)出て、互角に近い形勢になったけど、藤井も時間切れでチャンスを活かせず。最後は無駄に粘るのを諦めて、あっさりと即詰みを受け入れた。
☆ ☆ ☆
上の投了図は、後手・永瀬の150手目、3五銀まで。4一香がよく効いてるから、先手玉は簡単に詰む。
その気になれば、先手はこの少し前、6二飛の王手から5四銀で、脱出を狙うことは出来たけど、実際にはすぐ捕まってしまう。下の評価値グラフは、元奨励会員アユムの将棋実況より。アベマAIもほぼ同型だった。
先手番でいきなり負けてしまったので、藤井自身も語ってたように、八冠はちょっと苦しくなってしまった。まあでも、次戦からの巻き返しを期待しよう♪ 第2局は9月12日の予定。ではまた。。☆彡
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