整式の除法に関する剰余定理の発展、複素数範囲の因数分解、論理と同値変形~2024年共通テスト・数学ⅡB・第1問〔2〕
共通テストから既に丸1ヶ月も経過してしまったが、数学IAの記事しか書いてなかったので、数学ⅡBの記事も1本だけ簡単にアップしとこう。
この問題の内容は、私には数ⅠAのように感じられるけど、ネットで調べると、整式の割り算も複素数も数ⅡBだった。高校に限らず、学校教育の学習指導要領はよく変更されるので、なかなかフォローしきれない。
問題はいつものように、河合塾HPを経由して、大学入試センターから借用させて頂いた。
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第1問〔2〕(1)解答
S(x)=x²+4x+7=0の解は、1次の係数が偶数の時の解の公式より、
x=-2±(√3)i ・・・コサシの答
また、与えられた場合の割り算を実行すると、
2x³+7x²+10x+5=(x²+4x+7)(2x-1)+12 ・・・スセソタの答
(感想) このくらいの割り算だと、なるべく暗算で済ませる方が時間と労力の節約になる。商の1次の項が2xなのはすぐ分かるから、次の定数項-1まで書いてみて、かけ算で素早く確認。最後に、等式の左右の定数項に着目すれば、余りも暗算で分かる。
☆ ☆ ☆



(2)(i)の解答
仮定より、 P(x)=S(x)T(x)+k
また、S(α)=S(β)=0 だから、
因数定理より、S(x)=(x-α)(x-β)
よって、P(x)=(x-α)(x-β)T(x)+k
∴ P(α)=k, P(β)=k
∴ P(α)=P(β)
したがって、チの答は、選択肢3。ツの答は、選択肢1。
(感想) このチとツの箇所が、この問題の論理=ロジックのポイントだが、選択肢がやや不適切。それを確認するために、上では選択肢まで再掲しておいた。チの答で、既にP(α)=P(β)と書いてしまってるから、次の「したがって」という接続詞が無駄な遊びゴマになってるのだ。
P(α)=P(β)は、次の(ii)で使う重要な式であり、(i)の結論。だから、チではP(α)=k、P(β)=kに留めておいて、次のツで、「したがって」P(α)=P(β)、と結論付けるのが正確な論理展開。残念ながら、そういった細かい事まで配慮した問題・解答・教育は数少ない。
ここが少し変な流れになってることも、河合塾の分析の総評に影響したと思われる。「・・・論理的な思考力が試される設問が多かった。出題者の誘導に乗りづらい設問も多く、また、選択肢に紛らわしいものがあった」。
☆ ☆ ☆

(ii)(解答)
逆に、P(α)=P(β)が成り立つときを考える。
P(x)=S(x)T(x)+mx+n ・・・テの答、選択肢1
また、S(α)=0、S(β)=0だから、
P(α)=mα+n かつ P(β)=mβ+n ・・・トの答、選択肢1
P(α)=P(β)だから、mα+n=mβ+n
∴ m(α-β)=0
α≠βより、 m=0 ・・・ナの答、選択肢3
したがって、余りのmx+nは、nのみになる。つまり、定数になることがわかる。
☆ ☆ ☆

(3)(解答)
S(x)=0の2つの解は、2と-1。
よって、(2)までの考察より、
S(2)=S(-1)
∴ -4p-10=-p+8
∴ 3p=-18 ∴ p=-6 ・・・ニヌの答
余りは、S(2)=-4p-10にp=-6を代入して計算すればよい。
-4×(-6)-10=14 ・・・ネノの答
(感想) (3)は簡単だが、(2)の論理でつまづいてしまうと、大幅に点数を失ってしまう恐れがある。論理的に考えさせたいという出題者の狙いは良いので、選択肢の細部まで正確な配慮が必要だった。
それでは今日はこの辺で。。☆彡
cf. 長距離・マラソン、ベストタイムの統計分析、ベテランと若手の「偏差値」~24年共通テスト・数ⅠA・第2問
(計 1524字)
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