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NHK『新プロジェクトX』で大ヒット扱いされた初のカメラ付き携帯J-SH04、販売台数は多くない、成功は翌年の「写メール」

誤解を避けるために、最初に書いとこう。私のスマホ2台はSHARP(シャープ)の製品。その前のAndroid携帯も、そのまた前のガラ携も、シャープ。そして、ソフトバンク(元をたどるとJ-PHONE)とずっと契約し続けてる。おまけに、液晶テレビまでシャープだ。

    

先日の『新プロジェクトX』第2回も面白かったし、ちょっと感動もした。あの番組に限らず、NHKは受信料を払ってよく見てる(ほぼ動画で)。

  

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ただ、あちこちに違和感もあったので、見終わった後にすぐネット中の情報・データを調べ上げた。するとやはり、情報バラエティ的な誇張や脚色があることが判明した。

   

焦点を絞り込むと、次の2行になる。

  

 番組の主役となってた初のカメラ付き携帯J-SH04自体は、実際にはそれほど売れてない。

 成功の立役者はおそらく、翌年の夏の「写メール」キャンペーン。

   

  

    ☆   ☆   ☆

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SH04はあくまで、最初の道を切り開いた先駆的な製品ということ。むしろ、シャープとJ-PHONEを逆転・成功に導いたのは、翌年の初夏からの「写メール」だろう。新製品や画期的な技術・サービスの問題というより、マーケティングの勝利に近い。

   

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ちなみに、カメラ付き「PHS」なら1999年に京セラから発売されてる。VP-210。これが世界初のカメラ付き「モバイル」。ただ、あまり売れなくて、失敗例として業界のトラウマになってたらしい。

 

理由は多数あった。値段が高い、大きい、重い、カメラのレンズが自分の側を向いてる、テレビ電話は同じ機種同士でないとできない、「携帯」ではない、etc。

    

   

    ☆   ☆   ☆

私が最初にちょっと変だと思ったのは、2000年11月、遂にSH04が発売された直後の映像とナレーション(田口トモロヲの語り)だった。

   

カメラ付き携帯は 若者から火がつき 僅か1年で300万台を売り上げた

    

この直後の映像で、SH04は見当たらない。街中の若者や一般の人々がカメラ付き携帯を使う映像が流れたけど、誰もSH04を使ってなかったと思う。それよりも少し後、2つ折の携帯(パカパカ)の映像だったのだ。

   

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家電量販店(オノデン)の店頭に並ぶ携帯も映し出されたけど、docomo(ドコモ)とauの製品ばかり。しかも、おそらく全て、カメラ付きではない携帯だった。2000年の夏くらいまでの携帯が並んだ映像を、まるでカメラ付き携帯J-SH04が大ヒットしたかのように流してたのだ。直接、関係ないのだから、単なる「イメージ映像」とか説明を入れた方が適切。

    

「僅か1年で300万台を売り上げた」というのも、令和の今ならともかく、当時としてはそれほどの数字でもない。当時の携帯電話の年間販売台数は、4000万台~5000万台(MM総研の調査レポート、00年、01年)。

   

その中で、業界3位のシャープの主力商品が1年で300万台というのは、せいぜい「小ヒット」程度、あるいは「普通」のはずだ。この1年間のカメラ付き製品は、SH04、SH06、SH07の3つ。単純平均で、1機種100万台。実際、SH04の販売台数はこれくらいらしい。日本の国内市場全体の50分の1くらいということになる。

    

    

     ☆   ☆   ☆

この辺りの正確な情報は、日本語や英語のウィキペディアにも書かれてない。一番、役に立ったのは、やはり日経新聞グループの各種の報道だった。

  

特に、2002年10月1日の日経MJ(流通新聞)が役に立つ。

  

「思惑超えた力働く ━━ 写メール、わかりやすさヒット(ブランドが生まれる時)

 カメラ付き携帯電話の魅力をどう打ち出すか ━━ 2001年春、J-フォンのマーケティング担当者新型ケータイのコンセプト作りに呻吟(しんぎん)していた。

 半年前にカメラ内蔵型の「J-SH04」は投入済みだったが、販売台数約100万台の「そこそこのヒット商品」。 (以下、略)

    

この「そこそこのヒット」を大ヒットに結びつけたのが、「写メール」という分かりやすい名前、キャッチコピーを付けたキャンペーンだったということだ。2001年6月だから、SH04の発売の翌年で、7ヶ月後ということになる。当時、人気だった藤原紀香らを使ったCM、宣伝が功を奏した形。下は朝日新聞、20年10月28日・夕刊より。

     

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     ☆   ☆   ☆

この回の放送で非常に良い味を出してた技術者(エンジニア)、宮内裕正(やすまさ)氏については、信頼できる情報が見当たらない。今回のテレビ放送を受けた記事ばかりがヒットする。

  

私としては、紹介映像で一瞬、洋書の専門書の表紙が映されてたが、彼の当時のノートに記されてた数式と説明は基本的な物だったことを指摘しとこう。あの洋書も、単なるイメージ映像の可能性がある。

  

それに対して、2012年7月11日の日経産業新聞は、シャープの開発担当として、藤田直哉氏を写真付きインタビューで紹介してた。この2人の天才的な能力と努力で出来上がったということか。今のところ、より詳しい話は発見できてない。

   

というわけで、物にせよ人にせよ、プロジェクトXがヒーローとして注目する「地上の星」は、半ば物語的なヒーローだという感覚は必要だろう。物語は面白いし印象的だけど、現実社会と同じではない。

   

それでは今日はこの辺で。。☆彡

   

     (計 2173字)

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