NHK映像の世紀「奇妙な果実」、歌詞の元の黒人リンチ殺人事件が起きた(弁解にはならない)理由・キッカケ(英語版ウィキペディア)
奇妙なタイトルの番組だなと思って試しに見始めた、NHK映像の世紀バタフライ・エフェクト「奇妙な果実 怒りと悲しみのバトン」。奇妙な題名の曲と歌詞、その元になった黒人リンチ殺人事件の写真があまりに強烈なインパクトで、最後まで目が離せなかった。
ボブ・ディランの非常にストレートなプロテスト・ソング『エメット・ティルの死』は胸に響くし、それに触発されたサム・クックの『A Change Is Gonna Come』(変化はいつか起きる)も美しい歌声の名曲。
しかし、ここではやはり、番組の表題の曲『奇妙な果実』(1939年)に目を向けよう。差別から逃れて来たユダヤ系のエイベル・ミーロポル(Abel Meeropol)が作詞・作曲、黒人女性のビリー・ホリデイ(Billie Holiday)が歌ったこの曲は、リンチ殺人で黒人2人が木に吊された実際の事件(1930年)が元になってる。元の詩は「Bitter Fruit」(苦い果実)。
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番組では、おそらく意図的に、なぜそのリンチが起きたのかを伝えなかった。黒人差別の悲惨さと有名な曲を伝えるテレビ番組だから、NHKの編集方針としては間違ってないのかも知れない。
ただ、同じリンチでも、エメット・ティル事件のあまりに些細なキッカケは番組で伝えたのに、2人が木に吊るされた事件の原因・理由・きっかけは番組で伝えないというのは、国営放送のドキュメンタリーとして十分ではない。
しかもリンチを伝える画像には、当時、黒人へのリンチが「遊び半分に日常的に行われていた」という語りまで付けてたのだから、流石にミス・リーディング、誤解を招く表現だろう。
実はそこには、この番組で伝えにくい真実があった。その黒人2人は、「白人に対する強盗殺人の容疑」で逮捕されてたのだ。
あくまで、まだ容疑者の段階だったので、誤解や見落としのないように。裁判の前どころか、逮捕の翌日にすぐ、拘置所(刑務所)から外へ連れ出されてリンチされた。
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AI(ChatGPT 有料サブスクmodel4)も正しいと認めた、英語版ウィキペディアの説明によると、その2人の黒人男性は、白人男性に対する強盗殺人だけでなく、その女友達(ガールフレンド)に対する強姦の容疑もかけられてたらしい。
レイプの容疑は、助かった3人目の容疑者に関しては、取り下げられた(女性自身の証言で)。ただ、殺された2人に関してはどうだったのか、ハッキリしない。おそらく、2人に関してはレイプ容疑も残ってたと思われるが、とりあえず保留しとこう。
今現在の日本でさえ、その辺りは被害女性への配慮であまり触れられない部分だから、100年近く前の事件で情報が足りないのは自然なこと。
それはさておき、ではリンチが無ければどんな判決だったのか? ChatGPT4にたずねると、もし殺人と強姦の容疑が認められれば、死刑か長期の懲役だろうというような話。現在の日本の感覚と同様。ただし、もちろん実際には、陪審員の人種構成(おそらく白人が多数か全員)など、いろんな条件が影響するので不確定。
なお、結果的に助かった3人目の容疑者は、その後長く積極的に活動。その中で、その2人が殺人を行ったことは認めたようだ。と言っても、自分はその前に逃げたという話だから、殺害の現場は直接見てないかも知れないが。。
☆ ☆ ☆
いずれにせよ、群衆によるリンチ殺人や木に吊るす行為が論外なのは、言うまでもない。また、そもそも2人が本当に強盗殺人を行ったと仮定するなら、なぜそのような事を行ったのか。そこにはやはり、黒人差別による生きにくさが影響してた可能性が十分ある。
「バタフライ・エフェクト」、蝶の羽ばたきが回り回ってもたらす効果という言葉を使うのなら、最初のバタフライは、『奇妙な果実』という曲や歌というより、元になったリンチ事件だろう。さらに遡れば、おそらく、当時の悲惨な黒人差別というところまで到達すると思われる。
外国人や、元・外国籍の人、その種の人を親に持つ人が増えて来た日本でも、他人事ではない。まずは事実や歴史を知ることから始めようと思う。それでは今日はこの辺で。。☆彡
(計 1752字)
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