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インドの摩訶不思議な「ヴェーダ数学」、100に近い2つの数の掛け算のやり方、明星学園の中学入試問題(算数)と一般的証明

インドに奇妙な掛け算の方法があるという話は,かなり前から見聞きしてたけど、今まではほぼスルーしてた。

   

以下で扱うような2桁×2桁の掛け算なら、私はすぐに暗算で計算できるから、特別な方法など必要ない。また、インドという国名がいかにもという感じで、実用性のない怪しげな話だろうと思ってたのだ(個人の偏見)。実際、インスタグラムのお勧めを見てると、ちょっと面白いけど間違ってる計算の投稿が少なくない。

   

ところが昨日(24年7月5日)、Yahoo!の記事をあれこれ読み流してたら、朝日新聞関連の中学入試記事にヴェーダ数学というものが登場したという話が載ってて、ついハマってしまったのだ。

   

こんな奇妙な方法が一般的に正しいのか、調べてみると、確かに正しい。入試のネタにするのもいいと思う。ただ、実用性があるかというと、微妙な所。というか、正直、少なくとも大人にとっては、ほとんど実用性は無いと思う。覚えるのが面倒だし、あまり使わないだろうし、今ならスマホのアプリでも一瞬で計算できるから。

   

しかし、数学好き、理屈好きにとっては、実用性が無い話でも、面白くて正しければ十分だろう。では、不思議な掛け算の世界を簡単に解説してみる。

    

    

     ☆   ☆   ☆

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私が最初に見たのは、Yahoo!への配信記事だけど、ここでは元のAERA Kids Plus(アエラ・キッズ・プラス)にリンクを付けとく。子育てサイトの中学受験カテゴリーの記事。

    

明星学園、2019年の算数の問題。「50以上100未満の2つの数をかけ合わせる方法」と書いてるけど、50未満でも一応使える。ただ、50未満の場合だと、普通に掛け算する方が早いから無意味なのだ。

    

問題ではまず、98×93の場合のやり方が書かれてる。

  

 (100-98)×(100-93)

    =2×7=14 ・・・答の下2桁

  

 98+93-10091 ・・・答の上2桁

  

 よって、98×93=9114 ・・・答

     

    

     ☆   ☆   ☆

100にあまり近くない数の場合,最初の掛け算の計算結果が3桁以上になる。その場合、下2桁より上側(左側)の部分は、上2桁の計算結果に加える。

  

 例えば、92×65の場合、

  

 (100-92)×(100-65)=80

   

 92+65-100=57

  

 よって、 92×65=5980

    

   

    ☆   ☆   ☆

説明の後,入試で出された問題は、次の3つ。記述式の解答を求められたのかどうかは不明。

  

 96×97  (100-96)×(100-97)=12

         96+97-100=93

         答 9312

  

 83×92  (100-83)×(100-92)=136

         83+92-100=75

         答 7636

    

 78×89  (100-78)×(100-89)=242

         78+89-100=67

         答 6942

       

    

   ☆   ☆   ☆

さて、私はこの掛け算のやり方が正しいことを証明する時、最初は(10a+b)(10c+d)とおいて計算。各ケタの数字を、a、bと、c、dにした。

     

しかし、あまり上手く行かないような気がしたから、続いて、{10(5+a)+b}{10(5+c)+d}とおき直して、ようやく正しさを証明できた。要するに,50以上という条件を使ってみたということ。aとcは、0~4の自然数。

        

証明できたとはいえ,かなり面倒で、自分でも分かりにくい。今たまたま、手元にパソコンが無い状況だから、タブレットでブログ記事に入力するのもダルいな・・と思って、試しにamazonの電子書籍を検索。

  

すると、私がサブスク契約してるkindle読み放題の電子書籍として、以下の本が見つかった。ケンネット・R・ウィリアス著、プサタピ・シバラム日本語訳、『ヴェーダ数学のマニュアル インドから学ぶ計算法』。

   

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今回の話題の部分に関しては、正しい説明だったし、私より上手いやり方だったから、ここでアイデアだけ使わせて頂こう。他の部分はまだ読んでないけど、かなりしっかりしたテキストのような感じに見えた。

    

  

     ☆   ☆   ☆

今回の100みたいに、基準となるキリのいい数を「ベース」と呼んで、最初からその数を使って2つの数を表す。つまり、100-aと、100-bとの掛け算と考えてた。式変形は、私が考えたもの。

   

 (100-a)(100-b)    

=100(100-a-b)+ab

100{(100-a)+(100-b)-100}+ab

    

よって、基本的には、2つの数を足して100を引いた数(中カッコの中身)が、上2桁。100との差の掛け算が、下2桁。ただし、掛け算の結果が3桁以上なら、下2桁より上の部分は上2桁の方に加えればよい。

     

具体的な数を当てはめると、最初の98×93の場合、次のように示せる。

  

 (100-2)×(100-7)

100×{(100-2)+(100-7)-100}+2×7

  

      

     ☆   ☆   ☆

これならおそらく、普通の日本の筆算みたいな計算法の方が簡単だと感じる人が多いとは思う。つまり、2つ目の数を3+90と分解して、98×3+98×90と計算する方が簡単で自然だから、日本の小学校ではそう教えるのだろうと想像する。分配法則の実地練習にもなる。

   

ただ、上の本を読むと,元の本物のヴェーダ数学というものは、遥かにシンプルで不思議な書き方になってるという話も書かれてた。そうなると、半ば理数系のマニアック・ブロガーとしては、そちらの本物を解読してみたくなるけど、とりあえず時間が無いから、今日はここまでにしとこう。

  

それでは、また明日。。☆彡

    

   (計 2244字)

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