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かけ算の九九の表で、長方形で囲まれた数を足して315になる場合~灘中学校2025年入試、算数1・問題6の解き方

今日は久しぶりに、関西の超難関、灘中学校の算数の入試問題を解説してみます。1日目の算数の時間は、年によって、50分の時と60分の時があるようですが、今年(2025年)はどうも60分だったようです(ネットの能開センターの情報)。

  

いずれにせよ、短い時間で難問を12問も解くのは大変なこと。全体はこんな感じでした。四谷大塚HPで公開されてるので、縮小して引用します。たぶん大学生でも、1問も解けない人がかなりいるでしょう。学校のサイトによると、受験者の平均点は60.7点。合格者の平均点は72.7点。最高は100点! みんな、素晴らしく賢い小学生ですね。

  

250207e

   

この中で私の目に留まったのは、6番。かけ算の基本、九九の表。難しくて面白くて珍しい問題なので、これを説明します。

    

    

      ☆   ☆   ☆

250207a

   

250207b

    

上図の太線の長方形を見ると、すべての数の和は、確かに315になってます。

 42+48+49+56+56+64=315

   

長方形が全部で2025個あるという点は、後で説明します。高校の数学の基本問題なのです。

   

その2025個の長方形の中で、数の和が315であるものがいくつあるか? 一つ一つ数える時間は無いし、多すぎてほとんど無理。だから、何か上手い計算方法があるはず。

  

それを見つけるために、和が315になる他の長方形を少し探してみるのは良いことです。

   

   

     ☆   ☆   ☆

250207c

    

例えば、上の赤・青・緑の長方形は、数の和が315になります。ただ、それぞれの長方形の中身の数はバラバラに違ってるので、単純な足し算で調べていくのは無理。そこで、この表がそもそも掛け算の九九だということに注目します。かけ算が使えるのではないか、と。

       

250207d

   

上図を見てください。例えば、問題で与えられた太線の長方形の場合、数の和は、

 (6+7+8)×(7+8)=21×15=315

と計算できます。

  

その理由を式で示すと、次のように書けます。分配法則を二重に使って、まとめ直すのです。

 42+48+49+56+56+64

=6×(7+8)+7×(7+8)+8×(7+8)

(6+7+8)×(7+8)

    

実際の試験場ではこんな理由など気にせず、答だけ素早く出すことになります。

   

   

    ☆   ☆   ☆

というわけで、長方形を探す代わりに、上のようなかけ算で315になるものを探せばよいのです。

  

ただし、1+2+3+4+5+6+7+8+9=45だから、45以下の数しか使えません。

  

ところで、 315=3×3×5×7

  

この式を参考にしながら、左側の数が小さいかけ算を書き並べると、次の通り。

 

 7×45, 9×35, 15×21

  

左右の数の中身(連続する数の和)まで考えると、以下の14通りになります。

  

 7×(1+2+3+4+5+6+7+8+9),

 (3+4)×(1+2+・・・+9)

   

 9×(5+6+7+8+9),

 9×(2+3+4+5+6+7+8)

 (4+5)×(4+6+7+8+9),

 (4+5)×(2+3+・・・8)

 (2+3+4)×(4+6+7+8+9),

 (2+3+4)×(2+3+・・・8)

 

 (7+8)×(6+7+8),

 (7+8)×(1+2+3+4+5+6)

 (4+5+6)×(6+7+8),

 (4+5+6)×(1+2+3+4+5+6)

 (1+2+3+4+5)×(6+7+8), 

 (1+2+3+4+5)×(1+2+3+4+5+6)

   

どれも、かけ合わせる左右の数は違うので、左右の入れ替えも考えて、

 14×2=28(通り)

  

したがって、求める長方形の数は、28個 ・・・答

   

   

 

     ☆   ☆   ☆

最後に、すべての長方形が2025個であることの説明もしましょう。

 

高校の数学では、10C2 × 10C2 という式(Cは「組合せ」の記号)でスパッと解きますが、ここでは小学生でも分かる解き方を使います。

  

九九の表は、縦線10本と横線10本で出来てます。そして長方形は、縦線2本と横線2本で決まります

 

まず、縦線2本の選び方を考えます。

  

2本の内、左側の縦線が、表の左端の時、右側の縦線の選び方は残りの9通り。

次に、左側の縦線が、表の左端から2本目の時、右側の縦線の選び方は残りの8通り。

同じように考えていけば、縦線2本の選び方は、

 9+8+7+6+5+4+3+2+1=45(通り)

  

また、横線2本の選び方も同じく、45通り。

  

よって、縦線2本と横線2本の選び方は、45×45=2025(通り)

  

というわけで、今日はそろそろこの辺で。。☆彡

   

    (計 1812字)

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コメント

これはいい問題ですね。合計が315だけでなく、1~2025すべての個数を求めました。

投稿: gauss | 2025年2月 8日 (土) 00時45分

> gauss さん
   
コメント、ありがとうございます。
僕は瀬戸内海の出身なので、いまだに
兵庫県の灘がトップという感覚があります。
開成よりも、個人的イメージだと上。
漢字も難しそうだし♪
   
これ、ちゃんと2025年を意識してる
問題なのも凄いですね。
あらかじめ多数の問題のストックを作ってて、
ちょうど合う年になったら使ってるとか。

60分で100点を取った小学生が解く様子と、
脳内の動きを見てみたいものです♪☆彡

投稿: テンメイ | 2025年2月 8日 (土) 23時55分

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