スマホ依存症の風刺画、携帯に顔が吸い込まれる加工写真、元ネタ作品は若手写真家アントワーヌ・ガイガー(Antoine Geiger)
昨日(2025年8月9日)たまたま、Yahoo!に配信されてたMerkmal(メルクマール:目印、特徴)の記事が目に留まった。
"「駅でスマホをいじる」ってそんな悪いの? 風刺画が巻き起こしたSNS論争、97%普及の現実を考える"

ごく簡単にまとめるなら、X(旧 twitter)では、駅のスマホは悪くないと言われてるし、自分もそう思う、といった感じの内容だ。執筆はフリーライター、猫柳蓮。
かなり力の入った理屈系の記事だけど(orだから)、ネット民のリアクションが恐ろしく少ない。丸1日以上経った今現在でも、「学びがある」が1、「わかりやすい」が1、「新しい視点」が4。
ただ、そのわりにコメントは59件ついてる。要するに、ごく一部の人に注目されてるということ。私は、その風刺画を見たくなったので、ちょっと懐かしい投稿まとめサイトTogetter(トゥギャッター)をチェックしてみた。
☆ ☆ ☆

駅のホームで、4人がスマホを見てて、手前のわりと若そうな3人の顔と髪の毛が、スマホまでビヨーンと伸びて融合してる。それに対して、一番手前のやや年配の男性だけは、空を見上げてる。
単なる生成AI作品ではなくて、本物の写真を加工したものらしい。一応、被写体5人のプライバシーとか肖像権も考慮した形になってる。
この画像の投稿に対して、ある人が批判的に返信。「電車の待ち時間という人間が持て余す傾向にある時間を、便利な道具使って連絡や情報にあててるだけなのに、現代を風刺すれば知的な人間を装うことが出来ると勘違いした変な人に変な加工して晒されるこの人達可哀想すぎて涙が止まらない」。
内容も文体も、いかにもSNS的な文章で、多少の賛同が集まってる。そして、元の元のオリジナル作品までたどって語る人が(ほとんど)いない辺りも、SNS的な傾向。
実際、今、私がYahoo!のリアルタイム検索で「Antoine Geiger」と入力すると、投稿は一つもヒットしなかった。外国語まで遡る投稿が極端に少ないのも、日本の(?)SNSの特徴と言える。今回と同様、ゼロのことが多いのだ。

カタカナで検索しても、わずか3つのヒットで、今回の話と関連する2つはどちらも日本のサイトの過去記事を引用。
☆ ☆ ☆
では、SNS以前から続くマニアック・ブログが、作品のルーツをフランスまで辿ってみよう。
まず、上の写真それ自体は、日本の写真家がインスタグラムで2020年に投稿したもの。それが最近、他人によってXに転載されたということ(おそらく無断で)。
「smartphone addiction」(スマホ依存症)、「Tokyo tower」と書かれてて、他の投稿より遥かに多い2.2万のいいねが付いてる。ちなみにアカウント名は、私が加工で消しておいた。東京タワーも見ずに、多くの人が手元のスマホばかりを注視してる様子。

このコメント382件のほとんどは、海外からのものだから、海外に拡散したようだ。それは、この写真が有名な東京タワーのそばのものだし、元ネタであるオリジナル作品が既に海外で流通してたことも影響してるはず。
実際、コメント欄には、盗作を批判するような内容もかなり入ってた。それらのコメントは削除されてないけど、管理人はそれらに対して返信せずにスルー。好意的なコメントにはかなり返信してるので、管理人が批判を意識してるのは確実。
おそらく、確信犯というか、信念を持った行為・反応だと思う。芸術作品というものの要素は、この程度なら自分の作品に使用してもよいものだし、わざわざ元の作者の名前を挙げる必要もない、ということか。相手はまだ若手で海外の芸術家みたいだし。
☆ ☆ ☆
で、元ネタは、フランスの写真家 Antoine Geigerの作品。「Sur-Fake」と題する、10年ほど前のシリーズらしい。以前は、個人サイトを運営してたけど、今は削除してるのか、インスタグラムが目立つ程度。

上の2020年の投稿は、ドイツの建築雑誌「Arch+」(英語版の特集号)に自分の作品がいくつも大きく掲載されたことを、喜んで告知するもの。それなりの雑誌にかなり掲載されたのに、いいねは154に留まってる。

日本の類似投稿の100分の1もついてない辺りも、何ともSNS的な現象。少なくとも、日本の投稿から元ネタまで遡った人がほとんどいないことを表してる。
☆ ☆ ☆
最後に、スマホ依存症について。最初のトゥギャッターの反応を見てると、本や新聞と同じだろうとか書かれてたけど、全く違ってる。
歩きスマホや運転スマホは大勢いるけど、歩き読書や運転新聞はほとんど無い。一晩中、スマホに夢中になる若者は多くても、読書や新聞で一晩中、夢中になる若者はほぼゼロ。
あえて言うなら、例えば昭和後半のラジオが少しだけ似てるけど、ラジオは視線を奪わないし、夢中さの度合いも人数もかなり違ってる。
場所も状況も踏まえず、非常に多くの人が、手元の小さな画面だけに夢中になってしまう所が問題なのだ。特に、実際にはゲームをする人も多いから、両手もスマホに取られてしまう。
ちなみに私自身は、電車の座席でタブレットを見ることは多いけど、駅のホームで立ったままスマホやタブレットを見ることはほとんど無い。たとえ、ホームドアが設置されてるとしても。歩きスマホや運転スマホは全くやらない。
ゲームもほとんどやらない。わりと好きだけど、あるいは好きだからこそ、意識的に避けてる。マイナスが大き過ぎるし、別に時間を持て余すこともほとんど無いから。
☆ ☆ ☆
なお、国際的な精神疾患の診断基準だと、ICD11(国際疾病分類)でゲーム障害が採用されたけど、スマホ依存症はまだ無し。米国精神医学会のDSM(精神疾患の診断統計マニュアル)にもまだ採用されてない。
ただ、ネット検索すると、日本の医療関連サイトでスマホ依存症に触れてる所は少なくない。世界的にスマホの見直しの動きが出て来てるし、スマホの功罪や長所・短所についてはあらためて考え直す余地が大きいと思う。各ユーザーの使い方次第という考えで済ませて良いのかどうか。
とりあえず、運転中のスマホはもっと厳しく取り締まるべきだろう。自転車も含めて。実際には、今でもよく見かけるし、非常に危険なので。
なお、今週は計15109字で終了。それでは、また来週。。☆彡
(計 2635字)
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