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ノーベル化学賞の金属有機構造体(多孔性金属錯体、多孔性配位高分子)、複数の名前とCGの簡単な説明

ノーベル化学賞2025、生理学・医学賞の坂口氏に続いて、またしても関西の日本人が受賞☆ これも万博のパワーか。

   

京都大学の北川進教授が発見・発明したのは、可愛いカプセルホテルらしい♪ ノーベル賞公式サイトに飾られた Johan Jarnestad氏のイラスト。宿泊者の分子たちは、本を読んだり、コーヒーを飲んだりしてる。

   

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色分けから考えると、左斜め前から白い光が当てられて、正面方向の斜め上から赤い光が当てられた様子。これもCGの利用なのかも。

    

規則正しく直方体が並んだ様子は、バウハウスやミース・ファン・デル・ローエらのモダニズム建築を思い出すけど、もっと身近なものだと、カプセルホテルの外観に似てる。Travel Book のサイトより。どこのホテルかは未確認。

    

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カプセルホテルの場合、人間の大きさがほぼ一定だし、料金設定がどこも5000円〜10000円前後だから、穴、つまり室内の大きさはどこでもほぼ同じくらいになってる。

   

しかし、ノーベル賞の物質だと、自由に大きさを変えることが出来て、しなやからしい。まあ、カプセルホテルがグニャッと曲がっても嬉しくないけど、ジャングルジムが柔軟な素材なら子供たちも喜ぶ。安全なだけじゃなくて、遊び方のバリエーションが増えるはず。

  

     

        ☆   ☆   ☆

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さて、毎度お馴染み、受賞者のイラスト。よく似てるし、シンプルな色使いで、味わい深さもある。担当者はずっと、Niklas Elmehed 氏。

   

その下の英語の説明に、「metal-organic frameworks」という言葉が書かれてる。略語はMOF。日本語に直訳すると、「金属有機構造体」。もっとそのままわかりやすく訳すなら、金属と有機物でできた枠組。

    

別の訳語(意訳?)「多孔性金属錯体」も、NHKとかで使われてたけど、AI(ChatGPT5)に確認すると、やはり金属有機構造体が今では普通らしい。

    

ただ、同じ物質を示す別の言葉「porous coordination polymer」(略号PCP)もあって、この直訳の「多孔性配位高分子」も使われるから、非常に分かりにくい。

  

結局、英語で2種類、略号も2種類、日本語だと3種類もあって、1つ1つだけでも分かりにくい。これなら、生理学・医学賞の「制御性T細胞」の方が遥かに簡単だろう。

   

   

     ☆   ☆   ☆

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可愛いイラストを描いてた Johan は、上のような理論的なイラストもきっちり書いてた。高校の化学で一応お馴染み、左上の構造式が、その右のイラストみたいな枠組として機能する。それを複数の種類で多数組み合わせて行くと、右下のカラーの枠組みたいに機能すると。空洞は Channel と呼ばれてる。水路、通信路。

    

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上も Johan のイラストで、柔軟性のある金属有機構造体にガスの丸い分子が閉じ込められてるけど、構造体の形が歪むと、ガスが解放される。出し入れ自由と言いたいんだろう。

    

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上は今朝のNHKニュースのCG。大きい穴の構造体には大きい分子、小さい穴の構造体には小さい分子が保存されてる。構造体だけ見ると、小さい球が金属原子で、それをつないでる棒の部分が有機分子。

    

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大きさだけでなく、性質も自在に変えれると。上は、電気的なプラスの性質を構造体に持たせて、マイナスの分子をしっかり含み込んで貯蔵・回収してる様子。

  

     

       ☆   ☆   ☆

多孔性の物質は、単なる有機物質でも作れるけど、金属を加えることで、構造がしっかりするし、電気的性質も持たせやすいらしい。

    

一方、単なる金属だけだと、穴が小さ過ぎるし、大きさを変更することも出来ない。だから、金属と有機物を組み合わせるのが重要とされる。

   

ただ、これも実用化は難しそうで、研究開発の動きは世界で盛んだけど、今現在でもごく一部が実用化され始めてるだけらしい。

  

つい先ほどのNHKニュースウォッチ9で、ごく簡単に紹介されてた実用化の試みは、atomis(アトミス)というスタートアップ企業のcubitan(キュビタン)という商品&システム。会社は2015年の設立で、代表の浅利大介氏が出演。

     

テレビでは天然ガスの話をしてたけど、HPでは、次世代高圧ガス容器でCO2を回収した後、他の物に変えることも提案。科学顧問の北川氏との繋がりもかなりあるみたいだけど、ビジネスとしてはまだこれからの段階に見える。受賞を機に、一気に成功できるか、今後も注目しとこう。

    

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    ☆   ☆   ☆

こうしてみると、今回の2つの日本人受賞は、功績を讃えるだけでなく、強力な応援のようにも見える。画期的な研究成果なのに、あるいは、だからこそ、実用化は苦労してるけど、我々も応援するから、皆さんも応援してください、といった感じか。

    

素晴らしいとか、同じ日本人として誇らしいとか言うより、みんな大変な努力を続けてるんだろうな・・というのが私の印象だった。それでは今日はこの辺で。。☆彡

    

     (計 2006字)

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