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地球の半径の求め方、cos θ は不要、三角形の相似と辺の比による解き方~NHK『笑わない数学』三角関数

たまたまNHK ONEの動画配信で目に留まった、情報バラエティ番組『笑わない数学』の新作、三角関数。

    

多くの高校生・大学生(と一部の中学生)が苦手なものの代表の一つだろう。ほとんどの大人は、大量に覚えさせられる公式なんて忘れてるだろうし、使うことも話題になることもない。「幸子・小林、小林・幸子」なんていう本人の許可を取ってない覚え方(笑)は、私も初めて知った♪

  

sin(サイン)の加法定理のダジャレ、語呂合わせ。私自身は「シン・コス、コス・シン」と覚えてる。この証明もあまり簡単ではない。

    

 sin(α+β) = sinα・cosβ + cosα・sinβ

    

三角関数が明治時代から学生を悩ませてたという話は後に回すとして、そもそも簡単な応用なら、三角関数など要らないということはハッキリ言いたい。

   

地球の半径を求める問題は、高校の三角関数を使っても解ける。しかし、もっと前の段階にある、三角形の相似を使っても解けるのだ。今の教育カリキュラムだと、正式には中学校の数学だと思うけど、内容的には小学校の算数で既に登場。

   

   

     ☆   ☆   ☆ 

それとは別次元の話として、番組で地球の半径が求められたのは、三角関数が凄いからではない。富士山の頂上から水平線を見下ろす角度を求める時、正しい半径が求められるような位置に、風景写真と測量機を上手くセッティングしたのだ。

   

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だから、スタッフ(演出、ディレクター、AD、数学監修・加藤文元ら)が上手いということ♪

   

もちろん、写真を正しくセッティングするには、あらかじめ本当の角度の測量値や地球の半径が分かってないといけない。それらを知るために、どこかで三角関数を使ってる可能性は十分あるけど、それも他の方法で代用できるはず。あくまで、三角関数を凄く見せるためのテレビ的な面白パフォーマンスだ。

    

   

    ☆   ☆   ☆

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まず、番組の流れに即して確認・解説しよう。上の式をパッと見せられて、すぐ分かる人は少ないはず。一瞬だけ小さく映る画像も、それほど分かりやすくはない。

   

ここでは富士山の高さをメートル単位で3776と書いてる。ところが、後で実際に計算する時にはキロメートル単位で3.776としてたのも、分かりにくい点の一つ。説明なしで、長さの単位を3ケタも変更してたのだ。

     

スーツの上着(背広)の下襟(ラペル)に「sinθ cosθ tanθ」と書いてるパンサー尾形が挑戦。読み方は、サイン・シータ、コサイン・シータ、タンジェント・シータ。

     

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     ☆   ☆   ☆

まず、測量機で、富士山の頂上から見た水平線を見下ろす角度 θ を測る。繰り返すけど、あくまでスタジオ内に上手くセットされた写真を見てるだけ。

  

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測量系で求める、見下ろす角度θは、上図のような直角三角形の下側の角度と一致する。だから、どちらも黄色に塗ってある。

   

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上図の直角三角形を見れば、底辺÷斜辺を表す記号の cos θ(コサイン・シータ)が、こう書けることが分かる。ただし、番組の計算では、富士山の高さをここでkm単位に変えてたので、念のため。

       

 cos θ = 底辺/斜辺

    = R/(R+3.776)

    

この式は、左辺のコサインを数字にして、分母を両辺にかければ、中学1年レベルの1次方程式になる。

    

   

    ☆   ☆   ☆

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測量機で求めた角度は、-1.970°。つまり、下向きに1.97度だから、非常に小さい角度。高校数学では、この角度を「ラジアン」表示に直すのが普通だったけど、ここでは関係ないし、必要もない。

    

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教科書や参考書に付いてた三角関数表を見ると、cos 1.97° = 0.999409。四捨五入して、0.99941。ちなみに、角度がプラスでもマイナスでも、コサインの値は同じ。

    

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まるで尾形が本当にスラスラ計算したように見せてたけど、難しい計算の所は暗記してたはず。例えば、0.99941×3.776 とか、3.77377÷0.00059 とか。試しに、カシオの計算サイトで確認してみた。

   

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最後の答は、番組だと小数点以下を四捨五入してた。

     

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地味に人気のスタッフ・ハマちゃんが、正解だと確認。まるで冬山登山みたいな服装だけど、案外、熱烈なファンの追っかけ対策かも♪ ちょっと痩せて、ますます可愛くなったようにも見える(笑)

    

   

     ☆   ☆   ☆

最後に、三角関数など使わなくてもいいという話を添えとこう。三角形2つの形が「相似」の時、対応する辺の比が等しいという話は、数学史的にも三角関数より遥か昔からあったもの。

   

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斜辺が1で、左下の鋭角が1.97度の直角三角形を書くと、底辺は0.99941。別にコサインなど使わず、作図して測るだけ。数値は大昔から求められてたらしい。

    

上の2つの三角形は「相似」だから、底辺÷斜辺の値は等しい。

 

 ∴ R/(R+3.776)=0.99941/1  

   

というわけで、小・中学校的な考察だけで、例の等式は簡単に出るから、三角関数の凄さなど別に示されてないのだ。関数の直前に出てくる「三角比」としてのサイン、コサインも不要。要らないのであって、使いたければ使ってもいい。

    

   

     ☆   ☆   ☆

なお、歴史的には、一般的で高度な三角関数の登場までに、天文学と円の考察が大きく関わってる。それを極端に簡単にほのめかしてるのが、高校で三角関数を導入する時の単位円(原点中心、半径1の円)だと見ることも可能。

     

明治時代の正岡子規が「三角術」に苦しむ様子を書き留めた短いエッセイ「酒」は、著作権が切れてるので青空文庫で公開されてた。θ の発音(th)が「スィータ」と表記されてるのが面白い。発音だけでも苦労したということ。

  

それでは、今日はこの辺で。。☆彡

        

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   (計 2283字)

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